モータージャーナリスト 小沢コージが語る、MINI CROSSOVER PHEVの魅力|MINI
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2022年11月14日

モータージャーナリスト 小沢コージが語る、MINI CROSSOVER PHEVの魅力|MINI

Presented by MINI

PHEVだろうがやっぱりMINIはMINI

「PHEVだろうがディーゼルだろうが、やっぱりMINIはMINIか」
クルマに乗り込み、走り始めた瞬間、そう思った。
ここ何年間愛用してきたMINIだが、ご存じの通りかなりマルチキャラクター展開をしている。当初3ドアハッチバックだけだったのが、オープンの「CONVERTIBLE」、5ドアハッチバックにスプリット・ドアを備えた「CLUBMAN」、今回乗ったSUVボディの「CROSSOVER」や最速仕様の「JOHN COOPER WORKS」などバリエーションが多い。正直、大きくなったなぁと思うモデルもある。
だが毎回乗った瞬間、どれも「やっぱりMINIか」と感じさせるからすごい。
どんなサイズになっても、ある種のふるまいやデザインの質、運転のタッチは変わらない。それは変な話、ファッション、グルメ、スポーツギア、強い求心力を持つグローバルブランドには共通のポイントで、どれも使ってみると「ああやっぱり」と感じる品質感であり世界観がある。
MINIの場合、特に顕著なのが変わらぬデザインと走り味。中でも今回乗ったMINI CROSSOVERだが、2010年に初代がデビュー。ブランド初の4ドアボディは全長4メートル超えで、4輪駆動車「ALL4」まで選べる。正直サイズは大きめ。しかし乗ると味わいはしっかりMINIなのだ。
それは3代目となる現行モデルでも同様で、初代にも増して大きくなっている(F60がUKL2になったのは2代目から)のに見た目にMINIらしい遊び心や英国テイストを感じると同時に、走るとやっぱりMINI。不思議なくらいの固有性であり、クルマづくりに対するある種の志であり、信念を感じさせる。
さておき今回の本題、MINI CROSSOVER PHEVだが、どこまでMINIの味を保てるかとは思っていた。ベースは現行MINI CROSSOVERで、ご丁寧にも全長4,315×全幅1,820×全高1,595mmのボディサイズは、ガソリンやディーゼル仕様のCROSSOVERと全く変わらない。ただし、中身は異なり、フロントに136PSの1.5リッター直列3気筒ガソリンターボを搭載し、6速ATを介して前輪を駆動すると同時に、リアに後輪を駆動する88PSのPHEV用モーターを備える。
さらにリアに10kWhのリチウムイオン電池を備え、前述した通りフル充電から約53km(WLTCモード)のEV走行が可能。ただし、左フロントには充電ポートが付き、なによりラゲッジスペースのフロアが電池の搭載分だけ高くなり、容量が450リッターから405リッターに減る。車重もディーゼル仕様の「COOPER SD ALL4」比で約90kg増えて1770kgになる。
さすがのMINI CROSSOVERもPEHV化で多少重ったるくダルくなるか? と予想していた。というのも、昨今の電動化は微妙にクルマの味を変える。特に質的な変化で重くなった分、しっとり高級感が増す。高級感というと聞こえはいいが、それがクイックなゴーカートフィーリングをモットーとするMINIだけにどうなのか? とも思うのだ。
しかし、乗った瞬間に憂いは消え去る。出足からMINIならではの駿足ぶりで、加速のキレは悪くなるどころか逆にいい。特に電池フル充電からのフルパワー状態だと88PSのリアモーター分、パワーは増えてシステム出力224PS。現行MINI CROSSOVERの中で最もパワフルで、低速トルクに優れた電動モーターが稼動するだけあって発進から滑らかかつ速い。
ステアリングの切れも素晴らしい。個人的にはここが一番要注意で、重くなった分、ダルさがあるかと思いきや、それは一切感じなかった。どんなモデルでもMINIはMINI。トコトン頑固な走り味マイスターがモノづくりのマインドを支えているのだろう。
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