東京モーターショー 2015 リポート|Audi
Audi|アウディ
東京モーターショー 2015 リポート
ジャパンプレミアを多く出展するアウディ
東京モーターショーにおけるアウディブースは、新型「A4」をはじめ日本初公開のモデルを7車種も展示。それらがさりげなく散りばめられた会場を、小川フミオ氏がリポート。
Text by OGAWA FumioPhotographs by ARAKAWA Masayuki
見どころの多いアウディ
ニューモデルが数多く並んだのが、アウディのブースだ。「あ、こんなところにも!」と、いわゆる平場(ひらば)にさりげなく置いてある新型「R8」を見て驚くひとも。2015年は、「TT」や「A3 スポーツバック e-tron」を導入したアウディジャパンでは、これからそのR8にくわえ、新型「A4」や新型「Q7」の輸入を予定している。
「アウディのエンスージアズムを信じている方が大勢いらっしゃいます」。記者会見で登壇し、そう語ったのは、アウディジャパンのアンドレ・ブラウン代表取締役執行役員だ。アウディは自動車好きの心に訴えかけるモデルを、これからどんどん日本で発売するという意味だろう。
「私個人がもっとも興味惹かれるモデルは、新型A4。日本に赴任する前は、このクルマが開発されている現場のすぐそばにいましたから」。ブラウン代表取締役執行役員は、2016年初頭に導入するA4のアピールに余念がないようすだ。
実際、新開発のミラーサイクルの2リッター4気筒エンジンは、低回転域からトルクがたっぷりあり、回転マナーもよく、かつ従来の1.4リッターより燃費がいい。アウディではこれらを総称してライトエンジニアリング、適切な技術と呼ぶ。車種ごとにライトエンジニアリングを採用するのがアウディの方針なのだ。
新型A4はまずセダンが導入され、つづいてアバントと呼ばれるステーションワゴンが追加される。当初予定されていたディーゼルの導入は延期になるそうで、できのいいエンジンなだけに少し残念だ。静かでパワフルな2リッターディーゼルの早い時期の発売を望むものである。本国では早くもパワフルな「S4」が発表されているため、2016年はA4の年になるかもしれない。
Audi|アウディ
東京モーターショー 2015 リポート
ジャパンプレミアを多く出展するアウディ(2)
来年には上陸するフラッグシップSUVも出展
アウディジャパンが2016年に日本市場に導入する大型SUVである「Q7」。2015年1月のデトロイトショーでベールを脱いだ新型は、従来型より大幅に軽量化しているのが特徴だ。最大で325キロの軽量化に成功しているという。かつ作り込み品質は高く、ショーのたびに、ほかの自動車メーカーの技術者が各部を念入りにチェックするようすが見られる。東京モーターショーでもおなじだった。
2代目になるQ7は、全長5メートルを超え、全高も1.7メートルを超える大型の車体をもつ。5座と7座とがあり、エンジンバリエーションは、本国では、3リッターV6のガソリンとディーゼルがラインナップされている。車体が2種類用意されているのが特徴で、スタンダードにくわえて、軽量化をはかった「ウルトラ」も。ウルトラはA4などにも設けられている、あたらしいプロダクトラインである。
日本に導入される予定のQ7は、最高出力245kWの3リッターV6ガソリンエンジン搭載モデルとか。クワトロシステムが組み合わされる。遅れて登場するといわれているのは、e-tronと呼ばれるプラグインハイブリッドモデルだ。詳細は未定とのことだが、本国では3リッターV6ディーゼルエンジンと電気モーターが組み合わされている。CO2排出量は、走行キロあたり50グラムとかなり低い。
プラグインハイブリッドについては、秋に日本で発売された「A3 スポーツバック e-tron」を皮切りに、アウディも日本でのラインナップ拡充に力を入れていくと語っている。東京モーターショーで姿を見せたPHVのコンセプロトモデルは、「プロローグ オールロード」である。4リッターV型8気筒エンジンに電気モーターを組み合わせたパワートレインをもっており、システム合計出力は540kW、最大トルクは900Nmという。
パワフルゆえ、静止から100km/h加速はわずか3.5秒。いっぽう燃費はリッター41キロ超という。CO2排出量は走行キロあたり56グラムとかなり少ない。「プロローグ」シリーズは、これまでにセダンとアバントが発表されており、アウディでは考えられるバリエーションの可能性をこれでほぼ網羅したことになる。一説には、次期「A8」に向けてのスタイリングスタディとも。ボディのキャラクターラインはこれまで以上にエッジがたったもので、シャープな印象が強くなっていくのかもしれない。