Volkswagen|フォルクスワーゲン 全車種にPHVを導入へ
Volkswagen|フォルクスワーゲン
VW、全車種にPHVを導入へ
VWグループのCEOであるDr.マルティン・ヴィンターコルンは、ドイツの自動車専門誌『auto motor und sport』web版でのインタビューで、近い将来、小型車をふくめたすべてのVW車にプラグインハイブリッドシステムを導入すると答えた。
文=松尾 大
2025年には空気電池で航続距離800km!
ヴィンターコルンCEOは、現在のリチウムイオン電池技術は一時的な解決策であり、長い目で見たときに不十分だと考えているようだ。インタビューのなかで「私は、今後10年間はプラグインハイブリッドがもっとも正しい解決策だと考えています。そして、プラグインハイブリッドシステムは、いまあるVWグループのすべてのプラットフォームに搭載することができます」と、性急にEVを販売するよりも内燃機関を活かすことが現実的だとの考えを明らかにした。また、同時にレンジ・エクステンダーの開発も進められており、発電用の単気筒エンジンを搭載したアウディTTで走行テストをおこなっているという。
ヴィンターコルンCEOは、現在のリチウムイオン電池の性能には満足しておらず、「こんにちのバッテリー技術では、重量250kgのリチウムイオン電池で25kWhを生み出し、理想的な条件下なら150kmの走行が可能です。ただ、これが最終的なものではありません」。現在のリチウムイオン技術ではない、あたらしいバッテリー技術の導入を検討しているというのだ。「リチウムイオン電池のエネルギー密度は1kgあたり100Whですが、リチウムサルファー電池(リチウム硫黄電池=正極側に硫黄、負極側に金属リチウムを使用する電池で、電圧はリチウムイオン電池より低いが、重量当たりの理論容量が約3倍となる)なら300Whになります。さらにリチウム空気電池ならその4~5倍のエネルギー密度があります。250kgのバッテリーで走行可能な距離が800kmまで来るとそれは本当におもしろいと思っています。おそらく、そのような技術は2025年には用意できると考えています」とし、リチウム空気電池搭載のEVを約14年後に市場導入することを示唆した。