BMW M3|走りと環境性能をグレードアップ
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2015年4月7日

BMW M3|走りと環境性能をグレードアップ

BMW M3

走りと環境性能をグレードアップ

BMWは、ヨーロッパ向けの「M3」シリーズのマイナーチェンジを発表した。

文=ジラフ

アイドリングストップ機能

今回の改良で、もっとも注目されるのが「オートスタートストップファンクション」と呼ばれるアイドリングストップの採用だろう。現在、M3シリーズは、クーペ、セダン、コンバーチブル(日本未発売)をラインナップ。そのいずれにも排出ガス性能でユーロ5を満たす、4.0リッターV8(420ps)が搭載され、6速MT、または7速2ペダルMTの「Mデュアルクラッチトランスミッション」が組み込まれているが、そのどちらにも、アイドリングストップ機能が組み込まれたのだ。

これによって欧州複合モード燃費は、クーペが8.06 - 8.93km/ℓ、セダンとコンバーチブルが7.87 - 8.7km/ℓと、従来より最大で8パーセントの燃費改善を果たしたという。

エクステリアは3シリーズに準じた変更

エクステリアは、最小限の変更にとどめられ、先だってマイナーチェンジを受けた3シリーズのクーペ、コンバーチブルと同デザインのLEDテールランプが、M3のクーペ、コンバーチブルそれぞれに採用されている。

また、M3のクーペとセダンにオプション設定される「コンペティションパッケージ」も発表された。これは車高を10mm落とし、専用の19インチ・Yスポークアルミホイールを装着。さらに電子制御ダンパー「EDC」のスポーツモードには専用のチューニングがほどこされ、DSCも専用設定となるなど、純粋に走りを楽しみたいユーザーにはうれしいパッケージオプション。このパッケージには、さらにカーボン製リアスポイラーとフロントエプロンフラップもセットされるというから、その注目度は高い。

最新のM3シリーズは、ヨーロッパでは今春から販売が開始される予定だ。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。

その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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