フランスシャンパーニュ紀行|愉楽の泡を求めて
シャンパーニュは特別な飲み物である。そもそも、17世紀末に誕生して以来、時のフランス王を始め、何かにつけトレンドセッターだったと言われるポンパドール夫人や宮廷の貴族たちが歓喜して飲みたがった高級酒である。だからこそ、それがどうつくられているのかを知れば味わいが深まるに違いない。大切な人と飲む華やかなロゼ、特別な記憶をとどめたキュヴェ・プレステージ、ふくよかな芳香と豊穣な味わいにうちのめされる熟成ヴィンテージ……。この愉楽の泡の秘密を探りに、シャンパーニュ地方を旅し、訪ねたメゾンで出会った試飲記録をワインジャーナリストの斉藤研一氏の解説つきでご紹介する。次に味わう特別な時にふさわしい愉楽のシャンパーニュは、この中からチョイスしたい。
Edit&Text by Yumiko AkitaPhoto&Cooperation by Kenichi Saito
自然と人間の叡智で奇跡の泡づくりを行う7メゾン
斉藤研一(さいとうけんいち)
ワインジャーナリスト。ワイン教室「サロン・ド・ヴィノフル」主宰。多くの生徒を教える傍ら、執筆、講演、アドバイザーとして活躍。人気コミック『神の雫』のコラムを担当するなど、従来の解釈にしばられない独自の切り口にも定評がある。著書に『ワインラバーズBOOK』(グラフ社刊)、石井文月の名前で執筆した『ワインの基礎力70のステップ』(美術出版社刊)、2010年2月末には『世界のワインガイド』(小学館)も出版予定。1月よりBSジャパンで連載番組が放映決定。
秋田ゆみ子(あきたゆみこ)
フリーエディター。慶應義塾大学仏文学科卒業後(株)アシェット婦人画報社に入社。『ヴァンテーヌ』『エル・ジャポン』編集部などに在籍した後フリーランスとして活動を開始。ジャンルにとらわれず、ワイン、食、美容、宝飾、旅などさまざまなアプローチで『エル・ジャポン』、『SPUR』、『25ans』、『AERA MOOK』などの記事を作成。