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2025年6月23日
20年の歴史を持つ、美食のための世界的コミュニティ「ドン ペリニヨン ソサエティ」
Dom Pérignon|ドン ペリニヨン
世界最高峰のシャンパーニュブランド「ドン ペリニヨン」の醸造最高責任者ヴァンサン・シャプロン氏が2025年5月に来日し、日本における「Dom Pérignon Society(ドン ペリニヨン ソサエティ)」の新たな展開を発表した。来日に合わせて、東京・代々木上原の名店「été(エテ)」のオーナーシェフ庄司夏子氏が新メンバーとして迎えられた。
Text by WASEDA Kosaku
ドン ペリニヨンが共鳴する、庄司夏子シェフの創る美食体験
「ドン ペリニヨン ソサエティ」は、ドン ペリニヨンの醸造最高責任者であるヴァンサン・シャプロン氏を中心として結成された、世界規模のガストロノミーコミュニティだ。現在130名のガストロノミー・シェフとソムリエが参加するこのソサエティは、20年前にイタリアで発足し、相互に高め合い感動的な食体験を共有することを原則として活動を続けている。
シャプロン氏は、このソサエティの意義について「美食の芸術と高級ワインは常に密接に結びついており、シェフやソムリエとともに知識を分かち合い協力し合うことで、ガストロノミーへの深い理解を育むことができる」と語る。
同ソサエティは、世界的に著名なシェフやソムリエとのつながりを深め、創造と発信の意欲的なプロジェクトを通して、ガストロノミーの未来に貢献することを目標としている。
メンバーたちは、シャプロン氏とともにドン ペリニヨンの各ヴィンテージが包含する多面的な要素を、独自のクリエイションを通して明らかにしていく役割を担っている。これは単なるプロモーションを超えた、食事を新たな体験として捉え直すというアーティスティックなアプローチといえる。
日本では、すでに錚々たるメンバーがソサエティに名を連ねている。2025年ミシュラン三ツ星を獲得した「菊乃井」の村田吉弘氏、同じく二ツ星の「NARISAWA」成澤由浩氏、江戸前鮨の名店「鮨 さいとう」の斎藤孝司氏、革新的フレンチで知られる「La Cime ラ・シーム」の高田裕介氏といった、日本を代表する料理人たちがすでに参加。
この名門ソサエティに新たに加わったのが、庄司夏子氏だ。東京・代々木上原で「été」を営む庄司氏は、アジアのベスト女性シェフ賞を日本人女性として初めて受賞するなど、その革新的な料理で国際的な注目を集めている。
ドン ペリニヨン ソサエティが庄司氏を新メンバーとして迎えた背景には、ブランドの価値観と共鳴する5つの要素があるという。
まず「クラフツマンシップの具現化」として、ドン ペリニヨンを定義する芸術性と洗練された精神を体現していること。レストラン「été」の革新的な創作は、揺るぎないクラフツマンシップ、精度、卓越性の追求により、ドン ペリニヨンの価値観と深く共鳴している。
次に「先駆的なイノベーション」として、アジアのベスト女性シェフ賞受賞という画期的な業績が評価されている。これは常に限界を押し広げ、可能性を再定義するというドン ペリニヨンの精神、シャンパン造りにおけるブランドの革新性を反映するものといえる。
「稀少性とプレステージ性」においては、ラグジュアリー、卓越、洗練を極めた唯一無二の体験を提供する点が評価されている。限られた席数の中で提供される極上の料理体験は、まさにドン ペリニヨンが追求する特別な“価値”に通じる。
「文化的リーダーシップ」の面では、庄司氏の影響力が料理の世界を超えて広がり、食とファッションの領域を融合し、ライフスタイルやカルチャーシーンを一段とアップデートする存在であることが重視されている。
最後に「完璧なハーモニー(調和)の探求」として、料理の味わいはもちろん、プレゼンテーション、テクニックなど、庄司氏の要素における調和の探求が、最高水準の品質、芸術性、そして時代を超越する魅力とともに、常に革新を追い求めるドン ペリニヨンの使命と一致している。
シャプロン氏は庄司氏について「ドン ペリニヨンと洗練された美食は、互いにインスピレーションを与え合い、高め合う関係です。庄司夏子シェフとは2年前からご一緒していますが、ドン ペリニョンへの愛があり、唯一無二の個性があり、芸術性があり、クリエイティビティがあり、それでいてとても人間味があります」とコメントしている。
さらに「また次世代への継承についても熟考され様々な人とのコミュニケーションを行う姿勢が印象的です。これからぜひご一緒させていただけることを心より楽しみにしています」と、今後の協働への期待を示している。
いっぽう、庄司氏は「ドン ペリニヨンというシャンパーニュは、私にとって特別な存在です」と語る。その理由として「"時間の芸術"と称されるように、短期的な流行に左右されることなく、長期的な視点でシャンパーニュ造りに向き合い、その唯一無二のテイストを今日まで守り続けています」と、ブランドの一貫した哲学に深く共感しているという。
印象的なのは、歴史への敬意を示すコメントだ。「さらに、その味わいの奥には、今もわずか1%ほど、修道士ドン・ピエール・ペリニヨンが1668年から手がけた畑のブドウが使われており、オリジンが確かに息づいています。まさに、彼のDNAを継承したアートピースだと感じています」と語り、350年以上の歴史を持つブランドの深い価値を理解していることがうかがえる。
今後「ドン ペリニヨン ソサエティ」は、特別なコラボレーションディナーやワークショップ、限定イベントなどを通じ、ファインダイニングにおける才能溢れるシェフやソムリエとの関係をより深め、共に進化し続ける取り組みを強化していく予定だ。
通常では入手困難なドン ペリニヨンのバックヴィンテージを、ドン ペリニヨン ソサエティのレストランで創造的な料理とともに楽しむことができる。美食家にとって真に特別な体験が提供されることになる。
350年以上の歴史を持つドン ペリニヨンと、日本の現代料理界をリードする才能たちとの出会いは、まさに「時間の芸術」と呼ばれるシャンパーニュにふさわしい、歴史的な瞬間といえる。
ドン ペリニヨンと、日本の食文化の粋を極める料理人たちとの協働は、新たな美食体験の創造につながるかもしれない。今後のコラボレーションディナーや特別イベントでは、どのような驚きと感動が生まれるのか注目だ。
日本のドン ペリニヨン ソサエティ メンバー
村田 吉弘(Yoshihiro Murata)
「菊乃井」 2025年ミシュラン 三ツ星★★★
京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」の長男として生まれ、大学在学中、フランス料理修業のため渡仏。卒業後、名古屋の料亭「か茂免」で研鑽を積み、1976年「菊乃井木屋町店」を開店。日本料理を正しく世界に発信し、公利のために料理を作ることをライフワークとして活動をする。2012年「現代の名工」「京都府産業功労者」、2013年「京都府文化功労賞」、2014年「地域文化功労者(芸術文化)」、2017年「文化庁長官表彰」、2018年「第5回食の新潟国際賞 佐藤 藤三郎特別賞」「黄綬褒章」「文化功労者」2024年「第56回食品産業功労賞」を受章した。
「菊乃井」 2025年ミシュラン 三ツ星★★★
京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」の長男として生まれ、大学在学中、フランス料理修業のため渡仏。卒業後、名古屋の料亭「か茂免」で研鑽を積み、1976年「菊乃井木屋町店」を開店。日本料理を正しく世界に発信し、公利のために料理を作ることをライフワークとして活動をする。2012年「現代の名工」「京都府産業功労者」、2013年「京都府文化功労賞」、2014年「地域文化功労者(芸術文化)」、2017年「文化庁長官表彰」、2018年「第5回食の新潟国際賞 佐藤 藤三郎特別賞」「黄綬褒章」「文化功労者」2024年「第56回食品産業功労賞」を受章した。
成澤 由浩(Yoshihiro Narisawa)
「NARISAWA」2025年ミシュラン 二ツ星★★、ミシュラン グリーンスター
日本の里山にある豊かな食文化と先人たちの知恵を探求し料理で表現する、 "Innovative Satoyama Cuisine" イノベーティヴ里山キュイジーヌ "( 革新的里山料理 ) というNARISAWA独自のジャンルを確立。自然への敬意、心と体に有益で、環境に配慮した持続可能な美食“ Beneficial and Sustainable Gastronomy” を発信し続けている。2010年スペインの世界最高峰の料理学会 Madrid Fusionで「世界で最も影響力あるシェフ」に選出。2018年国際ガストロノミー学会で日本人史上初グランプリ受賞。2019年G20大阪サミットの首脳晩餐会では料理を担当。「ワールド 50 ベスト レストラン」に14年間連続で選出されている。
「NARISAWA」2025年ミシュラン 二ツ星★★、ミシュラン グリーンスター
日本の里山にある豊かな食文化と先人たちの知恵を探求し料理で表現する、 "Innovative Satoyama Cuisine" イノベーティヴ里山キュイジーヌ "( 革新的里山料理 ) というNARISAWA独自のジャンルを確立。自然への敬意、心と体に有益で、環境に配慮した持続可能な美食“ Beneficial and Sustainable Gastronomy” を発信し続けている。2010年スペインの世界最高峰の料理学会 Madrid Fusionで「世界で最も影響力あるシェフ」に選出。2018年国際ガストロノミー学会で日本人史上初グランプリ受賞。2019年G20大阪サミットの首脳晩餐会では料理を担当。「ワールド 50 ベスト レストラン」に14年間連続で選出されている。
齋藤 孝司(Takashi Saito)
「鮨 さいとう」
高校卒業後、銀座の有名鮨店で研鑽を積み、2000年「鮨かねさか」に入店。2004年に『鮨かねさか』赤坂店を任され、2007年に同店を「鮨さいとう」に改名し独立。まもなくミシュラン一ツ星、2009年三ツ星を獲得、2019年まで10年間維持したのちに返上。2018年「フォーシーズンズホテル香港」に出店したのを皮切りに「鮨さいとう」やプロデュース店など現在までに7店舗を展開。後進の育成にも尽力している。
「鮨 さいとう」
高校卒業後、銀座の有名鮨店で研鑽を積み、2000年「鮨かねさか」に入店。2004年に『鮨かねさか』赤坂店を任され、2007年に同店を「鮨さいとう」に改名し独立。まもなくミシュラン一ツ星、2009年三ツ星を獲得、2019年まで10年間維持したのちに返上。2018年「フォーシーズンズホテル香港」に出店したのを皮切りに「鮨さいとう」やプロデュース店など現在までに7店舗を展開。後進の育成にも尽力している。
高田 裕介(Yusuke Takada)
「La Cime ラ・シーム」 2025年ミシュラン 二ツ星★★
辻調理師専門学校卒業後、フランスでの修業を経て2009年に帰国。2010年、自身の哲学を表現する場を立ち上げ、2012年にミシュラン一つ星を獲得。2016年に二つ星へ昇格し、2025年もその評価を維持している。日本各地の食材や発酵、乾物、節類などの古来の知恵を深く掘り下げ、そこに世界の技法と感性を重ね合わせて、新たな表現を生み出す。四季のうつろいや香り、風土に根ざした素材の声に耳を傾けながら、“日本でしか生まれえない料理”を追求している。2025年も引き続き「アジアのベストレストラン50」でも8位に選出。世界における日本料理の新しい可能性を示し続けている
「La Cime ラ・シーム」 2025年ミシュラン 二ツ星★★
辻調理師専門学校卒業後、フランスでの修業を経て2009年に帰国。2010年、自身の哲学を表現する場を立ち上げ、2012年にミシュラン一つ星を獲得。2016年に二つ星へ昇格し、2025年もその評価を維持している。日本各地の食材や発酵、乾物、節類などの古来の知恵を深く掘り下げ、そこに世界の技法と感性を重ね合わせて、新たな表現を生み出す。四季のうつろいや香り、風土に根ざした素材の声に耳を傾けながら、“日本でしか生まれえない料理”を追求している。2025年も引き続き「アジアのベストレストラン50」でも8位に選出。世界における日本料理の新しい可能性を示し続けている
庄司夏子(Natsuko Shoji)
「été(エテ)」
駒場学園高等学校 食物調理科を卒業後、「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット(現「レクテ」)、「フロリレージュ」を経てオーナーシェフとして独立。2014年24歳でスイーツ専門店として「été」を開業。季節のフルーツを贅沢にあしらった完全予約制のケーキを販売する『フルール・ド・エテ』が「幻のケーキ」と話題に。2015年一日一組の完全紹介制レストラン「été(エテ)」をオープン。2020年「アジアのベストレストラン50」でアジアのベスト・パティシエ賞受賞、2021年日本人女性シェフとして初めて、Asia ’ s Best Restaurantsにランクイン。2022年同アジアの最優秀女性シェフ賞を受賞。
「été(エテ)」
駒場学園高等学校 食物調理科を卒業後、「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット(現「レクテ」)、「フロリレージュ」を経てオーナーシェフとして独立。2014年24歳でスイーツ専門店として「été」を開業。季節のフルーツを贅沢にあしらった完全予約制のケーキを販売する『フルール・ド・エテ』が「幻のケーキ」と話題に。2015年一日一組の完全紹介制レストラン「été(エテ)」をオープン。2020年「アジアのベストレストラン50」でアジアのベスト・パティシエ賞受賞、2021年日本人女性シェフとして初めて、Asia ’ s Best Restaurantsにランクイン。2022年同アジアの最優秀女性シェフ賞を受賞。
問い合わせ先
MHD モエ ヘネシー ディアジオ ドン ペリニヨン
Tel.03-5217-9732
https://domperignon.com