進化したパナメーラの第2世代モデルが登場|Porsche
CAR / NEWS
2016年7月12日

進化したパナメーラの第2世代モデルが登場|Porsche

Porsche Panamera |ポルシェ パナメーラ

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進化したパナメーラの第2世代モデルが登場

ポルシェは6月28日、新型「パナメーラ」をドイツ ベルリンで発表した。ポルシェのラグジュアリー4ドアマーケットへの参入を鮮烈に印象付けた初代モデルの登場は2009年。そこから7年ぶりとなるモデルチェンジを行い誕生した第2世代モデルは、果たしてどんなデザインとパフォーマンスを持つのか。

Text by SAKURAI Kenichi

確立したGTとしてのアイコン

そのデザインを見て、ひと一目で「パナメーラ」と分からない人はいないだろう。キープコンセプトと言ってしまえばそれまでだが、「911」がそうであるように、そして「ボクスター」や「ケイマン」「カイエン」もまたそうであるように、ポルシェの各車はモデルチェンジを経ても、それ以外の何ものでもないことを見る者に強く印象付ける。

こうしたデザインテイストの踏襲は、ブランド戦略上非常に重要な要素だ。新型パナメーラは、これまでパナメーラが持っていた特徴を大切に守りながら、さらに進化している。全体のシルエットはいかにもパナメーラ然としたもので、一見複雑なデザインに見えるフロントバンパーのデザインは、実はダイナミックで緻密。ボンネットに入る2本のキャラクターラインや、フロントフェンダー後方からドアに至るスリットなど、先代から受け継ぐパナメーラの特徴的な意匠も健在だ。

Porsche Panamera|ポルシェ パナメーラ

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Porsche Panamera|ポルシェ パナメーラ

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ヘッドライトはル・マン優勝車の「919ハイブリッド」のように4つのLEDヘッドライトが輝き、やはりこのメーカーの原点がサーキットにあることを印象付ける。テールライトにはLEDを用い、デザインは「マカン」や新型の911とイメージを共通する横長の意匠とした。

ボディカラーと同色のエクステンダブル リアスポイラーは、電動開閉装置を備えたラゲッジ コンパートメント リッドに組み込まれ、「パナメーラ ターボ」では、分割しながら拡張するという新しいギミックを持つリアウィング デザインを採用した。

テールライトのあいだにPorscheと車名のロゴを立体的に浮かび上がらせるリアビューでは、左右にステンレス スチール製デュアル エキゾースト システム ツインテールパイプを備えたバンパーやディフューザーも新しいデザイン。「パナメーラ4S」は丸型のテールパイプ、「パナメーラ ターボ」は台形のテールパイプフィニッシャーによって、それぞれのモデルを識別することが可能になっている。

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進化したパナメーラの第2世代モデルが登場 (2)

スポーティなプロポーションに進化

よりソリッドでいかにも質感の高いエクステリアを構成する新型パナメーラのスリーサイズは、全長5,049mm×全幅1,937mm×全高1,423mm。これは初代パナメーラから大きく変わるものではないが、つぶさに比較すれば、それぞれ34mm長く、6mm幅広く、5mm高い数値になる。全高が増しているにもかかわらずいっそう低く長く見えるシルエットは、十分なヘッドルームを維持しながらリアシート上部の天井高を20mm削減した結果によるものだとポルシェは説明する。

ホイールベースは30mm延長されて2,950mmとなった。フロント ホイールが車両前方寄りに位置を変えることで、フロント オーバーハングが短縮し、Aピラーとフロント アクスル間は拡大した。その一方でリア オーバーハングはより長く取られ、堂々としたなかにもダイナミックなイメージをもたらす、さらにスポーティなプロポーションに進化した。

Porsche Panamera|ポルシェ パナメーラ

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インテリアも、より洗練されたデザインに進化した。ダッシュボードとセンターコンソールをT字型に配置する基本デザインは初代モデルと同じだが、物理スイッチをタッチ式に置き換え、センターコンソールパネルはかなりスッキリとした印象をもたらす。メーターはこれまでどおりアナログのタコメーターがメータナセルの中心に位置し、その左右に7インチのディスプレイを配置。スポーツカーと高級車のイメージを見事に両立させた、質感の高いフィニッシュだと感じる。

また、センターコンソールには、次世代ポルシェ コミュニケーション マネージメント システム(PCM)の中核となる12.3インチ タッチスクリーンを設置。ドライバーと助手席の乗員は、このディスプレイを個別にも設定できるという。大きめのスクリーンには、オンライン ナビゲーション、ポルシェ コネクトのオンライン機能、Apple Car Playによりスマートフォンと統合される機能を表示するほか、各言語入力に応答する新しいボイス コントロール システムなども装備する。

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進化したパナメーラの第2世代モデルが登場 (3)

パフォーマンスのと燃費の両立

第2世代のパナメーラにおいて当初ラインナップされるモデルは、「パナメーラ 4S」と「パナメーラ ターボ」の4輪駆動ガソリンモデルが2グレードと、ディーゼルでは初めてとなる4輪駆動モデルの「パナメーラ S ディーゼル」(日本導入未定)の3モデルになる。

パナメーラ 4Sには、最高出力440ps(324kW)/5,650-6,600rpm、最大トルク56.1kgm(550Nm)/1,750-5,500rpmを発生する2,894ccのV型6気筒ツインターボを8段の新型のPDK=デュアルクラッチ式トランスミッションと組み合わせて搭載。高性能版のパナメーラ ターボには最高出力550ps(404kW)/5,750-6,000rpm、最大トルク78.5kgm(770Nm)/1,960-4,500rpmを発揮する3,996ccのV型8気筒ツインターボ+8段のPDKを搭載する。こちらのV型8気筒ツインターボエンジンは、走行状況に応じて4気筒分のシリンダーを休止させるアダプティブ シリンダー コントロールをポルシェで初めて採用した。

Porsche Panamera 4S|ポルシェ パナメーラ 4S

Porsche Panamera 4S

Porsche Panamera 4S|ポルシェ パナメーラ 4S

Porsche Panamera 4S

ポルシェらしくないのひとことで日本市場への導入は望み薄だと思うが、初めて4輪駆動と組み合わせられたV型8気筒ディーゼルエンジンは、最高出力422ps(310kW)/3,500rpm、最大トルク86.7kgm(850Nm)/1,000-3,250rpmを発生する注目のパワーユニットである。パフォーマンスは、ツインターボの過給によって最高速度285km/hをマークするなど、量産ディーゼルエンジン最高峰のスペックを叩き出すのだ。

ちなみにパナメーラ ターボの0-100km/h加速は3.8秒、スポーツ クロノ パッケージ装着時は3.6秒、最高速度306km/h。パナメーラ4Sの0-100km/h加速は4.4秒、スポーツ クロノ パッケージ装着時は4.2秒、最高速度300km/h。燃費はパナメーラ ターボが10.6-10.7km/ℓ、パナメーラ4Sが12.1-12.3km/ℓ、ディーゼルのパナメーラSディーゼルが14.7-14.9km/ℓ(いずれも欧州混合値)と、ラグジュアリーカーセグメントでもトップクラスの値で、新型パナメーラは、パフォーマンスと燃費を両立させた最良のソリューションを得ているといえそうだ。

Porsche Panamera 4S|ポルシェ パナメーラ 4S

Porsche Panamera 4S

Porsche Panamera 4S|ポルシェ パナメーラ 4S

Porsche Panamera 4S

シャシーには、「918スパイダー」と、「911ターボ」譲りとなるリア アクスル ステアを新たに採用。そのほか、オプションのポルシェ アクティブサスペンション マネージメントシステム(PASM)を含む新しい3チャンバー テクノロジー付アダプディブ エアサスペンション、ポルシェ トルク ベクトリング プラス(PTV Plus)、アクティブ ロール スタビライザーを採用したポルシェ ダイナミックシャシー コントロール スポーツ(PDCC Sport)や新型の電気機械式パワーステアリングなど、現状ポルシェが実装可能な最新技術が余すことなく盛り込まれている。

日本では、7月28日から受注開始。価格はパナメーラ4Sが1,591万円、パナメーラ ターボが2,327万円と発表されている。両モデルとも右ハンドル仕様が基本となるが、パナメーラ ターボでは期間限定で左ハンドル仕様も予約受注が可能だ。

           
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