アストンマーティン「DB11」を発表|Aston Martin
CAR / NEWS
2016年3月4日

アストンマーティン「DB11」を発表|Aston Martin

Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11

アストンマーティン「DB11」を発表

アストンマーティンは、「DB9」の後継となる新型グランドツアラー「DB11」をジュネーブモーターショーで発表した。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

これからの100年を担う

2013年にブランド創業100周年を祝ったアストンマーティンが、次の100年を担うモデルとして名称のみ明かしていた「DB11」が、ジュネーブモーターショーの場で公の場に姿をあらわした。

その外観は特徴的なグリルや張り出したリアエンドなどひと目でアストンマーティンとわかるアイコンをまといつつ、側面まで回り込んだクラムシェル型のボンネットや吸気口を備えたCピラー、フルLEDのヘッドライトなど最新のテクノロジーに基づく新しいディテールが施される。

Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11

Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11

ドーム状に膨らんだボンネットは、デザインとしての優美さのほかに、持ち上げ機能やエアバッグなど重い装置を持つことなく、万一の事故の際に歩行者保護クッションとして充分に機能するためでもあるという。

フルLEDのヘッドライトには、デイタイムラインニングライトと低速用コーナリングライトをブランドとして初めて内包。リアコンビネーションランプは、アストンマーティンらしいライティングを継承しながらフルLED化されている。

ボディサイズは全長4,739×全幅1,940×全高1,279mmと、DB9比で50mm長く、28mm拡くなった。ホイールベースは65mm長い2,805mmとし、そのぶんエンジンをキャビン寄りにフロントミドシップとすることで前後重量配分を51:49に最適化している。

ボディの拡大は、室内空間に余裕をもたらしており、前席では頭上空間が10mmプラスされた。後席では、頭上で54mm、足まわりは87mmも拡張しており、アストンマーティンとして初めてリアISOFIXチャイルドシート対応がなされ、2+2としての利用価値が高められた。

Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11

アストンマーティン「DB11」を発表 (2)

タイヤも専用設計

エンジンは、社内で設計された5.2リッターV型12気筒ツインターボを搭載。最高出力608ps、最大トルクは700Nmを発生し、最高速度200mph(およそ320km/h)、0-92mph(およそ99.8km/h)加速は3.9秒に達する。パワーだけではなく、最新のバリアブル バルブ タイミングや気筒休止、アイドリングストップを採用し、燃費性能を高めている。車体後方に搭載されるトランスミッションは、「ヴァンキッシュ」や「ラピード S」で実績のあるZF製の8段オートマチック。

DB11の開発にあたっては、エンジンや排気のサウンドに特にこだわり、スピーカーから出す人工音ではなく、エグゾーストから発する自然な音を慎重にチューンし、車内に届けるという点に注力したという。

Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11

Aston Martin DB11|アストンマーティンDB11

動力面では、電動パワーステアリングや最新のビルシュタイン製アダプティブ ダンピング、コーナリング時に内輪に薄くブレーキをかけて回頭性を上げるトルクベクタリングなどを採用。これらは、GT、Sport、Sport+の3段階で包括的に設定が変更可能だ。

タイヤはブリヂストンと共同開発した専用の「S007」を装着。ユニークなトレッドパターンを持つというこのタイヤは、フロントが225/45R20、リアは295/35R20サイズに、標準で10スポークのホイールが組み合わされる。内側に収まるブレーキも強力なストッピングパワーを生み出すため、フロントでφ400mm、リアはφ360mmのディスクが採用される。

Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11

アストンマーティン「DB11」を発表 (3)

空力を高める2つの機能

DB11ではエアロダイナミクスも追及しており、2つの機能が盛り込まれた。ひとつはサーキット専用モデル「ヴァルカン」譲りの「Curlicue」で、フロントホイールアーチに設けられたフィン状の吸気口で流れる空気を圧縮し、サイドベント後方に勢いよく流すことでフロントの浮き上がりを抑えるという機構。

もうひとつは「アストンマーティン エアロブレイド」で、漏斗状になったCピラーの付け根から圧縮した空気をボディ内のダクトに引き込みリアの後端に流すことにより、ボディ後部全体がスポイラーとなって揚力を抑えるというもの。さらにリア端には小さなアクティブスポイラーも備えており、必要になると自動的に立ち上がり、さらなるダウンフォースを生み出す。

Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11

Aston Martin DB11|アストンマーティンDB11

インテリアでは、インスルメントパネルに12インチのTFT液晶、さらに補助用の8インチディスプレイを採用。ダッシュボードセンターに収まるナビゲーションやインフォテインメント用のディスプレイは、回転式のダイヤルと文字認識機能付のタッチパッドで操作するタイプとなる。これはダイムラーの技術協力を得て採用されたもので、2013年に発表された提携のあらわれのひとつといえる。

このほかにも、パーキングアシストやカメラ画像を加工して車両上方から見たように視認できる360度カメラ、キーレスエントリー、キーオフでステアリングコラムを上昇させて乗降を容易にする機構など、最新のアシスタンス機能が搭載される。

080507_eac_spec
Aston Martin DB11|アストンマーティン DB11
ボディサイズ|全長 4,739 × 全幅 1,940 × 全高1,279 mm
ホイールベース|2,805 mm
重量|1,770 kg
エンジン|5,204 cc V型12気筒 直噴DOHC ツインターボ
圧縮比|9.2
最高出力| 447 kW(608 ps)/ 6,500 rpm
最大トルク|700 Nm/ 1,500-5,000 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|FR
ブレーキ 前|φ400×36mm ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|φ360×32mm ベンチレーテッドディスク
サスペンション 前/後|ダブルウィッシュボーン式 / マルチリンク式
タイヤ 前/後|255/40R20 / 295/35R20
トランク容量|270 ℓ

           
Photo Gallery