ロールス、新型オープンカー「ドーン」を発表|Rolls-Royce
CAR / NEWS
2015年9月29日

ロールス、新型オープンカー「ドーン」を発表|Rolls-Royce

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

ロールス、新型オープンカー「ドーン」を発表

ロールス・ロイスは、5月にその登場を予告していた第4のモデル「ドーン」をついに発表した。おとな4人が乗れる、あらたなラグジュアリー オープンモデルの登場だ。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

単にレイスのオープンではない

フランクフルトモーターショーを控えた現地時間の9月9日、ロールス・ロイスは新型オープンモデル「ドーン」の発表をおこなった。

“夜明け”を意味するドーン(Dawn)と名付けられた新型モデルは、1950年から1954年のあいだにわずか28台のみがコーチビルダーの手によって生産された「シルバードーン ドロップヘッド」からインスピレーションを得てデザインされたドロップヘッドモデル。

現行の「ファントム」「ゴースト」「レイス」につづく第4のモデルでありながら、一連の幽霊や亡霊にかんする名称から一転し、彼らが寝静まる“夜明け”を名乗ることで、単純にレイスのオープンモデルではなく、あたらしいモデルであることも強調する。実際、エクステリアにおけるレイスとの共通部分は、わずか20パーセントに過ぎない。

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

ドーンの開発にあたっては、ロールスの共同創設者であるヘンリー・ロイス卿の箴言「やれることはすべてやり、完璧を目指しなさい。いまあるものには最善を尽くし、それをさらにより良くしなさい。もし最高のものが無いならば、創造しなさい。『これで良い』とか『まあじゅうぶん』などとは、言ってはならない」に忠実に従ったという。それは、多くの2+2シーターオープンのように後席を子供や短距離移動のための補助シートとして妥協することなく、大人2名が長時間ゆったり乗れるようにしている点などにあらわれている。

エクステリアは、ボディに対するホイールの高さが2:1、長いボンネット、ショートオーバーハングのフロントにリアのロングオーバーハング、そして後方に向かってなだらかにすぼまるリアエンドなど、ロールス・ロイスのデザイン原理に従ったもの。フロントグリルは、レイスとくらべて45mmも奥まって配されており、フロント下部左右に位置するエアインテークの横向きクロームラインなど、水平ラインが視覚的に目立つよう演出されている。

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

ロールス、新型オープンカー「ドーン」を発表 (2)

クーペ並みの静粛性

騒音にかんして不利なドロップヘッドのソフトトップには、惜しみなく技術と配慮がほどこされる。ルーフは滑らかな表面と、フレンチシーム(袋縫い)技法の組み合わせで空気の流れを最良にし、ウィンドウノイズを低減。フィクスドルーフをもつレイスと同等の無音環境を実現しているという。

また、オープン時には外を一体となる楽しみを演出するいっぽう、クローズ時には後席のプライバシー保護に最大限に配慮。小さなリアガラスや太いCピラーが、囲まれ感のあるプライベート空間を創出している。

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

50km/h以下の速度であれば走行中でも開閉が可能なソフトトップは、木目が揃うよう中央で斜めに接合するブックマッチ加工されたウッドデッキの下に格納。動作は約20秒で完了する。その挙動にも、美しく控えめな優雅さが追求されており、ロースル・ロイスではその様子を「サイレント・バレエ ―音のない舞踏」と称している。

リアシートとウッドデッキのあいだには、横転時にそなえたロールオーバー保護機能が組み込まれ、万一の際には瞬時に飛び出すロールオーバーバーと太い枠のAピラーが、乗員の生存空間を確保する。

トランク内に設置された低音用と7個のツィーターをふくめて16個のスピーカーを搭載するオーディオは、オープンモデルでも快適なサウンド環境が得られるよう、高感度マイクを通じて周囲の騒音状況をモニタリングして、自動的に音量や音質を変化させる機能をそなえている。

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

ロールス、新型オープンカー「ドーン」を発表 (3)

ドーンのボディサイズは全長5,285×全幅1,947×全高1,502mm、ホイールベースは3,112mmで、DIN値の車両重量は2,560kg。

エンジンはほかのロールス・ロイスとおなじく、6.6リッターV12ツインターボ エンジンを搭載。最高出力420kW(570os)/5,250rpm、最大トルク780Nmはわずか1,500rpmという低回転域から発揮する。組み合わされるのは、レイスで初めて導入されたGPSナビゲーションと連動して道の先の状況を考慮したシフトチェンジをおこなう「サテライト エイディッド トランスミッション」付のZF製8段ATだ。

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン

0-100km/h加速は4.9秒、最高速度は250km/hでリミッター作動。欧州計測値による燃費は14.2ℓ/100km(およそ7.0km/ℓ)、CO2排出量が330g/kmというスペックを誇る。

足まわりには新開発のエアサスペンションとアクティブ スタビライザーを採用し、ロールス・ロイス独特の乗り心地を実現していると説明する。タイヤは標準で20インチ、オプションで21インチも選択が可能なランフラットを採用しており、244-295リットルを確保した荷室にはスペアタイヤが搭載されない。

ロールス・ロイスのラインナップへあらたにくわわるドーンの実車は、フランクフルトモーターショーの会場ではじめて一般公開される。

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Rolls-Royce Dawn|ロールス・ロイス ドーン
ボディサイズ│全長 5,285 × 全幅 1,947 × 全高 1,502 mm
ホイールベース│3,112 mm
車両重量(DIN値)|2,560 kg
エンジン│6.6リッター V型12気筒 ツインターボ
最高出力│420 kW(570 ps)/ 5,250 rpm
最大トルク│780 Nm/ 1,500 rpm
トランスミッション│7段AT
最小回転半径|6.35 メートル
燃費(NEDC|14.2 ℓ/100km(およそ7.0km/ℓ)
CO2排出量|330 g/km
0-100km/h加速|4.9 秒
最高速度|250 km/h(リミッター作動)
トランク容量|244-295リットル

           
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