V12ヴァンテージを脅かす性能

アストンマーティン V8ヴァンテージをベースに、さらなるパフォーマンスアップが図られたヴァンテージS。その性能は、V12ヴァンテージを脅かすほどのものとなっているという。

搭載されるエンジンは、アストンマーティン自社製の4.7リッターV8エンジンで、最高出力321kW（436ps）/7,300rpm、最大トルクは490Nm（50.0kgm）/5,000rpmを発生する。これはベースモデルであるV8 ヴァンテージと比較すると、それぞれ7kW（10ps）、20Nm（2kgm）向上しており、最高速度は305km/hをマーク。

トランスミッションは、このモデルのために開発された7速2ペダルMT「スポーツシフトII」で、変速スピードはV8 ヴァンテージの6速2ペダルMT「スポーツシフト」にくらべ20パーセントもすばやいものになったという。また、「スポーツ」ボタンを押すことで、さらなる加速フィールを体感できるとしている。最終減速比は4.182:1で、これはベースモデルの3.909:1にくらべ、かなりローギヤードなため、鋭い加速性能が期待できる。ステアリングもよりスポーティな設定のギヤ比で、17:1から15:1に変更され、ロック・トゥ・ロックは2.6回転だ。

足まわりにも手が入れられており、フロントブレーキは380mmと大径化され、6ピストンのブレーキキャリバーを装備、リアブレーキ径は330mmとなっている。さらに、スプリングやダンパーもあたらしいものとなっているほか、数かずの電子デバイスが搭載される。ABSやトラクションコントロールはもちろん、ダイナミクスタビリティコントロール（DSC）やハイドロリック・ブレーキ・アシスト（HBA）もこのモデルのために改良されている。タイヤはブリヂストンのポテンザRE050が標準で、フロント245/40 R19、リア285/35 R19をはく。

カーボンファイバー製のフロントリップスポイラーや大きなエアインテーク、あたらしい形状のリアバンパー、そしてディフューザーにもカーボンファイバーがもちいられるなど、外観も余すことなく手がくわえられている。デザイン的にはV8ヴァンテージよりも、むしろV12ヴァンテージに近づいた印象だ。

内装は、このモデル専用の“Vantage S”ロゴが刺繍されたスポーツシートが備えられ、トリムやシートのステッチなども専用のものになっている。

ASTON MARTIN V8 Vantage S｜アストンマーティン V8 ヴァンテージS
ボディ｜全長4,385×全幅1,865×全高1,260mm（ロードスターは1,270mm)
ホイールベース｜2,600mm
車両重量｜1,610kg（ロードスターは1,690kg）
エンジン｜4.7リッター V型8気筒 DOHC
最高出力｜321kW（436ps）/7,300rpm
最大トルク｜490Nm（50.0kgm）/5,000rpm
欧州複合燃費｜12.9ℓ/100km（7.8km/ℓ）
CO2排出量｜299g/km
駆動方式｜RWD
トランスミッション｜7速2ペダルMT