ASTON MARTIN V8 VANTAGE COUPE/ROADSTER|2シーターのピュアスポーツ
ASTON MARTIN V8 VANTAGE COUPE/ROADSTER|アストン・マーティンV8ヴァンテージクーペ
2シーターのピュアスポーツ
「DB9」に比べて330mmも全長の短い“ベイビー・アストン”こと「V8ヴァンテージ」は、2005年のジュネーブショーでクーペがデビュー。その翌年には、ロードスターが加わっている。いずれも2シーターのピュアスポーツで、その名前が示すとおり、ノーズにはV8エンジンがフロントミドマウントされる。
特徴的なのがボディ構造。DB9同様、接着式アルミフレーム構造の“VHアーキテクチャー”により、軽量と高剛性を両立している。FRスポーツのこだわりとして、ギアボックスをリアデファレンシャル直前に置くトランスアクスル方式を採用、前後重量配分の最適化を図る。また、エンジンをドライサンプ方式とすることで、その搭載位置を低めているのも見逃せない。ギアボックスは6段マニュアルに加えて、マニュアルをベースとした2ペダルシステムの“スポーツシフト”も用意されている。
2008年にはエンジンの見直しが行われ、排気量は4.3リッターから4.7リッターに拡大。これにともない、最高出力は11%、最大トルクは15%向上した。
アストン・マーティンらしいクールなインテリアも魅力のひとつ。「ポルシェ911」と真っ向勝負できるスポーツカーとして、高い評価を得ているのも納得できる。
アストン・マーティンV8ヴァンテージクーペ
ボディ|全長4380×全幅1865×全高1255mm
エンジン|4.7リッターV型8気筒
最高出力|313kW[426ps]/7000rpm
最大トルク|470Nm[50.0kgm]/5750rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|6段マニュアル、6段オートマチック
価格|1554万円(マニュアル)、1609万6500円(オートマチック)
アストン・マーティンV8ヴァンテージロードスター
ボディ|全長4380×全幅1865×全高1265mm
エンジン|4.8リッターV型8気筒
最高出力|313kW[426ps]/7000rpm
最大トルク|470Nm[50.0kgm]/5750rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|6段マニュアル、6段オートマチック
価格|17010万円(マニュアル)、1756万6500円(オートマチック)
(2008年7月現在)
BRAND HISTORY
いまもっともクールなスポーツカーブランドとして、世界中から注目を集めているのが、イギリスのASTON MARTIN(アストン・マーティン)だ。1914年にライオネル・マーティンとロバート・バンフォードにより設立された小さな会社は、アストン・クリントンと呼ばれるヒルクライム競技で成功を収めたことからアストン・マーティンのブランドを名乗るようになり、その後もモータースポーツやスポーツカーの歴史に輝かしい足跡を残す。
反面、経営の面では幾度も危機に追い込まれ、そのたびに救いの手が差し伸べられるという、まさに波瀾万丈の道を歩み続けてきた。たとえば、1947年にオーナーとなったデイビッド・ブラウンは、優れた経営力とエンジニアリングのセンスを活かして、自らのイニシャルを冠したスポーツカー「DB2」や、レース用マシーン「DBR1」で、その名前を残している。最近では、フォードがその株式を、プロドライブを創業したデイビッド・リチャード率いる投資家集団に売却したことが記憶に新しい。
しかし、アストン・マーティンはいつの時代も漲るパワーと美しいスタイルを備えたスポーツカーづくりを貫いている。現在のラインアップは「V8ヴァンテージ」と「DB9」。また近い将来「ヴァンキッシュ」にかわる新しいフラグシップモデル「DBS」が日本にもお目見えするはずだ。