ASTON MARTIN V12 VANTAGE|史上最強のアストン・マーティン
ASTON MARTIN V12 VANTAGE|アストン・マーティン V12 ヴァンテージ
史上最強のアストン・マーティン
アストン・マーティンは2月4日、「V8ヴァンテージ」をベース車両とした、同社史上最強モデル『V12ヴァンテージ』を発表した。
文=ジラフ
517psの6リッターV12を搭載
このモデルに搭載されるエンジンは、6.0リッターV12ユニットとなり、「ノーマル」「スポーツ」の2モードのエンジン特性が切り替え可能。ダイナミックスタビリティコントロール(DSC)には、サーキット走行をターゲットとした、トラックモードも用意されている。
アストンマーティンによると、最高出力517ps、最大トルク58.1kgmを実現し、ベースとなるV8モデルと比べ性能は大幅に向上しているとのこと。エンジン自体の重さはV8ユニットよりも100kgほど増加してしまったが、シャシー、ボディの素材にアルミニウム、カーボンを採用することで、クルマ全体の重量はV8ヴァンテージから50kg増の1680kgにとどめられている。軽量化についても、成功をおさめたといっていいだろう。
正式デビューは3月3日開幕のジュネーブショー
トランスミッションには6段MTを採用。これらの要素によって『V12ヴァンテージ』は0-100km/h加速で4.2秒、最高速度は305km/hを記録するという。
エクステリア上の特徴としては、ボンネットのエアアウトレットや、テールランプのLEDがあげられる。またリアに装着されたカーボンファイバーを使ったディフューザーなどのエアロパーツには、レースで得られた技術やノウハウがフィードバックされている。
このモデルの正式発表は、3月3日に開幕するジュネーブモーターショーとされ、このときに価格も発表される予定。ヨーロッパでは今年の夏以降の発売が予定されるが、年産は300~500台。「職人の手による作業が多いため、これ以上の量産は物理的に無理」とアストン・マーティンはアナウンスしている。
BRAND HISTORY
いまもっともクールなスポーツカーブランドとして、世界中から注目を集めているのが、イギリスのASTON MARTIN(アストン・マーティン)だ。1914年にライオネル・マーティンとロバート・バンフォードにより設立された小さな会社は、アストン・クリントンと呼ばれるヒルクライム競技で成功を収めたことからアストン・マーティンのブランドを名乗るようになり、その後もモータースポーツやスポーツカーの歴史に輝かしい足跡を残す。
反面、経営の面では幾度も危機に追い込まれ、そのたびに救いの手が差し伸べられるという、まさに波瀾万丈の道を歩み続けてきた。たとえば、1947年にオーナーとなったデイビッド・ブラウンは、優れた経営力とエンジニアリングのセンスを活かして、自らのイニシャルを冠したスポーツカー「DB2」や、レース用マシーン「DBR1」で、その名前を残している。最近では、フォードがその株式を、プロドライブを創業したデイビッド・リチャード率いる投資家集団に売却したことが記憶に新しい。
しかし、アストン・マーティンはいつの時代も漲るパワーと美しいスタイルを備えたスポーツカーづくりを貫いている。現在のラインアップは「V8ヴァンテージ」と「DB9」。また近い将来「ヴァンキッシュ」にかわる新しいフラグシップモデル「DBS」が日本にもお目見えするはずだ。