「知る」は、おいしい! 星野リゾート リゾナーレ那須|TRAVEL

熟成牛肉のビステッカ

LOUNGE / TRAVEL
2020年9月29日

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TRAVEL|星野リゾート リゾナーレ那須

このひと皿と出合うために、星野リゾート リゾナーレ那須へ(2)

忘れ得ぬ美味。メイン料理「熟成牛肉のビステッカ」

フィレンツェの名物料理「ビステッカ」を、霧降高原牛を使って作る、メインの「熟成牛肉のビステッカ」が、忘れられません。すでに私はお腹がかなり満たされていて、同行者に自分の分を少し切り分けて食べてもらうことにしたのですが……、口にした瞬間、自分の所業を悔やみました。
熟成牛肉のビステッカ
スコッチウイスキーをまとわせ、白カビ熟成させたお肉は妖艶な旨味をたたえていて、「旨い」を通り越して、「なんじゃこりゃ?」の域。鼻息が荒くなります。「熟成香をまとい肉の旨味が凝縮している、本当に美味しいお肉です」(木下さん)。アクセントでわさびのピューレを添えていますが、あえてソースは付けていません。噛みしめれば噛みしめるほど旨味が増し、ソースなしのほうが堪能できるのです。
そして、この料理にペアリングした熟成感のあるキャンティクラシコの1998年にも負けていませんでした。
こちらが、ペアリングワインのラインナップ。スプマンテからはじまり、白、ロゼ、赤と進んでいく王道スタイル。OTTO SETTE NASUではイタリア産ワインを中心に、高パフォーマンス主義の銘柄が並ぶ。
苺とマスカルポーネのコンポジィツオーネ
デザートは、「苺とマスカルポーネのコンポジィツオーネ」。コレ、崩してバニラのガナッシュクリームや棒状のメレンゲ、苺の花をイメージした模様のようになっている苺のソースを混ぜ合わせていただくのがおすすめとか。
崩してしまうのが惜しい美しさですが、勇気を出して、ぐちゃぐちゃとかき混ぜます。スタッフに聞いたところ、デザートには、栃木県の名産である苺を使用することが多いそう。ちなみにプリモドルチェには地元の乳製品が使われていました。
「リゾナーレ那須」の開業にあたり、「OTTO SETTE NASU」の料理長に抜擢されてから、木下さんは、「ゼロから食材探しの日々でした。自分で開拓しないと食材を仕入れることができません。地の食材を探し回りました」。最初は相手にしてもらえるか不安だったそうですが、那須の人々は温かく、「一緒にやろう、任せろと言ってくれる人ばかり。こだわりのある生産者が多く、那須という土地を一緒に盛り上げていきたいと思っています」。
「OTTO SETTE NASU」の料理は今後ますます進化していきそうです。

参考/メニュー(9月1日〜11月30日)

  • ・彩り豊かな小さな前菜
  • ・農園のピンツィモーニオ
  • ・茸のズッバ
  • ・猪肉とポルチーニ茸のタリアテッレ フラッタキオーネ風
  • ・カジキマグロの香草パン粉焼 トリッパのトマト煮込み
  • ・熟成牛肉のビステッカ
  • ・季節のフルーツ ヨーグルトのエスプーマを添えて
  • ・苺とマスカルポーネのコンポジツィオーネ
「SHAKI SHAKI」の朝食
翌朝はもうひとつのレストラン「SHAKI SHAKI(シャキシャキ)」で朝食をいただきます。こちらはビュッフェスタイルのレストラン。コロナ禍においても、好きなものを好きなだけいただくビュッフェの楽しみを味わってほしいと、万全の対策を取り、営業を再開しています。
スタッフのおすすめは、那須高原の「森林ノ牛乳」と、見た目も麗しい「彩り野菜スライス」。ほかにも、「ごろごろ野菜の盛り合わせ」、イタリアの郷土料理「ボリートミスト」など野菜のメニューが大充実。朝からもりもり野菜をいただいたらパワーが漲ってきました、さあ農作業に出かけるとしましょう。
と言いたいところですが、その前に施設の紹介を。
客室外観
広大な敷地に、客室はわずか43室。客室のリノベーションは、建築ユニット「クライン ダイサム アーキテクツ」が担当しました。森の遊歩道を抜けてアプローチする本館は、天井まで抜けた大きな窓が印象的。窓の向こうに広がる景色を、一枚の絵画のように愛でることができます。
たとえば、こんな、ザ・田んぼビューな客室なんていかがでしょう? リビングから続く屋外テラスは、森林浴にぴったり。「客室でも自然とのつながりを感じて欲しい」というスタッフの思いをヒシヒシと感じます。ここでワーケーションしたら、仕事、捗るだろうなあ。
さて、農作業体験に話を戻しましょう。
「アグリツーリズモリゾート」を提唱する「リゾナーレ那須」では、さまざまなアクティビティを実施していますが、老いも若きもぜひマストで参加したいのが、無料で参加できる「ファーマーズレッスン」。これは地元農家の指南のもと、農薬を使わない野菜づくりを実践している農園「アグリガーデン」や、温室「グリーンハウス」で、農作業のお手伝いをするアクティビティです。
種蒔きに苗作り、田植え、稲刈り、堆肥作りなどの下準備など、作業内容は日々異なります。日によっては、耕運機をかける作業を任せられることも!
なにより前日の夜に、そしてその日の朝に食べた野菜がどのように作られているか、どんな風に実がなっているのか、自分の目で確認できるのは何より興味深い。ファーム・トゥー・テーブルならぬ、テーブル・トゥー・ファームってヤツです。
畑の横のもうひとつの「グリーンハウス」は、ドライフラワーで彩られた、懐かしのオリーブ少女(分かります?)もしくは『赤毛のアン』の世界観を具現化したような空間。中央にはウッディなテーブルが配され、ここでは「オリジナルハーブティーづくり」や、麦わらに糸を通して立体的なオーナメントに仕立てていく、フィンランドの伝統装飾品「ヒンメリづくり」といったアクティビティが無料で季節ごとに楽しめます。ホーリーバジルを敷き詰めた、ドーム状のソファベッドなどは、格好のフォトスポットです。
話は換わりますが、フォトスポットと言えば「リゾナーレ那須」のアイコン的存在なのが「POKO POKO(ポコポコ)」。本館と別館のちょうど中間に位置する、那須岳のカタチをモチーフにした、ぽこぽことした屋根が目印。こちらの設計・デザインも、「クライン ダイサム アーキテクツ」によるものです。ここはBooks & Cafeや、子どもたちのプレイエリアが一緒になったアクティビティ施設で、アクティビティの申し込み会場にもなっています。森の中の落ち葉を使って作る「森のクラフト」や、リスが食べたクルミの殻や松ぼっくりなど、森の宝物を集める「森のトレジャーハント」といったアクティビティも。どれもここ那須でしかできない体験です。
「牧場を救うミルクジャムフラッペ」900円(税別)。キャラメル色の部分がミルクジャム。ベースのフラッペにも、ミルクジャムがたっぷりと使用されています。ミルクジャムは、上品な甘さの練乳をイメージすると近いかも。とびきり美味しいので、甘党の皆さんはマストですよっ!
「POKO POKO」では、「牧場を救うミルクジャムフラッペ」をいただきました。コロナ禍で行き場を失った栃木県・那須町「森林ノ牧場」の牛乳を活用し、「星のや東京」の料理長、浜田統之さんが監修して作った「ミルクジャム」を使ったフラッペです。こちらは現在も「POKO POKO」で販売中。また「星のや東京」のディナーメニューには、今秋、このミルクジャムを使ったデザートが登場しています。
焼き芋ミッション
また、屋外のすり鉢状の広場の真ん中にはモミの木が植えられており、クリスマスシーズンには、リアルなモミの木のツリーが楽しめそう。焚火スペースでは、焚火のお約束、マシュマロ焼きに挑戦できますよ。秋から冬にかけては、落ち葉を袋いっぱいに集めると焚き火で焼いた焼き芋を無料ゲットできる「焼き芋ミッション」も実施。集めた落ち葉は堆肥の材料になるのだとか。農作業のお手伝いのご褒美には、美味しい焼き芋が用意されているというわけです。
大浴場
身体を動かした後は温泉へ。那須連山のひとつ、茶臼山がもたらす火山性の那須温泉は、1000年以上前に開湯された由緒正しい温泉。やわらかなお湯がじんわりと身体を温めてくれます。そう、リゾナーレ那須には温泉を引いた大浴場もあるのです。
日本人の原風景ともいえる田園風景は美しく、そして空気の美味しいこと! こんなに深く息を吸い込んだのはいつ以来だったでしょうか。リゾートで快適に過ごしながら、アクティビティとして農業を楽しむ──。こんなスペシャルな場所で、コロナ疲れで凝り固まった心を解放してみてはいかがでしょうか? 身体が、心が、「それを待っていたんだよ!」と喜びそうな、美味しい野菜をたんまりといただけますよっ!

星野リゾート リゾナーレ那須

  • 住所|栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
  • 客室数|全43室
  • パブリック施設|POKO POKO、アグリガーデン、ラウンジ、ショップ、大浴場
  • チェックイン/チェックアウト|15:00/12:00
  • 宿泊料|1泊1室2万1000円〜(税サ別。朝食付き)
  • 交通|JR東北新幹線 那須塩原駅から無料送迎バスで約40分、東北自動車道那須ICからクルマで約20分
問い合わせ先

星野リゾート リゾナーレ那須
Tel.0570-073-055(リゾナーレ予約センター)
https://risonare.com/nasu/

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