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2022年10月3日
リニューアルした箱根湯本「はつはな」で過ごすひとときで身も心も整える|TRAVEL
TRAVEL|はつはな
リニューアルオープンしたはつはなを堪能する
Text by IJICHI Yasutake
コンセプトは「心と五感が満ちる静かなとき」
新宿から小田急ロマンスカーで約85分、東京から最も近い温泉地のひとつとして親しまれる箱根。日本を代表するこの温泉地は、全国第5位の温泉湧出量を誇る。箱根には、古くからある七湯(湯本・塔ノ沢・宮ノ下・堂ケ島・底倉・木賀・芦ノ湯)に、明治以降に開発された十湯を加えた十七湯があるが、湯本温泉は十七湯の最古の湯として知られ、その歴史は1300年にもなると言う。湯本温泉には史跡や文化財が多く、宿泊施設も40軒以上ある。
その湯本温泉で1993年の開業以来、こまやかなおもてなしで女性を中心に愛されてきた「はつはな」が2022年9月11日にリニューアルオープンした。オープンに先駆けて開催された「はつはな」試泊会で、コンセプトとなっている「心と五感が満ちる静かなとき」を堪能してきた。
宿選びにおいて最も重要なのは、「部屋」「食事」「風呂」だろう。
まず、部屋は47室あった部屋をリニューアルで35部屋にして大半の客室を拡張している。天井が高く窓も大きく、開放感溢れるゆったり寛げる和風モダン。テラスには露天風呂を全室完備。部屋付き露天風呂は湯舟がコンパクトでやや窮屈な宿もある中、「はつはな」の露天風呂は、腰をかけて足をのばして入れるサイズ。眼前に広がる山々との一体感を感じながら、自家源泉をゆったり楽しめる。クリアでなめらかな泉質はプルンと潤いあるお肌に仕上げてくれ、たまった疲れも一気に排出してくれる。備え付けのインバスとアフターバスのアイテムが、オーガニックコスメブランドで香りにこだわる「OSAJI」というのも最高だ。
まず、部屋は47室あった部屋をリニューアルで35部屋にして大半の客室を拡張している。天井が高く窓も大きく、開放感溢れるゆったり寛げる和風モダン。テラスには露天風呂を全室完備。部屋付き露天風呂は湯舟がコンパクトでやや窮屈な宿もある中、「はつはな」の露天風呂は、腰をかけて足をのばして入れるサイズ。眼前に広がる山々との一体感を感じながら、自家源泉をゆったり楽しめる。クリアでなめらかな泉質はプルンと潤いあるお肌に仕上げてくれ、たまった疲れも一気に排出してくれる。備え付けのインバスとアフターバスのアイテムが、オーガニックコスメブランドで香りにこだわる「OSAJI」というのも最高だ。
ベッドは広々したシモンズ。枕や掛布団はサステイナビリティへの貢献として、羽毛ではなく海洋プラスチックを加工した綿を使用。掛布団ひとつでペットボトル75本分の海洋プラスチックゴミ削減に貢献しているという。「え、羽毛じゃなくて寝心地は平気なの?」と思いそうだが、何の心配もない。吸い込まれるように深い眠りにつける。なお、「はつはな」ではプラスチックごみ削減への取り組みとして、アメニティを置かずに持参を推奨していたり、食事の箸とコースターには箱根の間伐材を使用している。
食事は、懐石料理をベースに洋のエッセンスが程よく取り入れられたモダン懐石。山々からの木漏れ日が揺れるカウンター個室、または料亭風の完全個室のプライベート感を重視した空間で楽しめる。息をのむほどに艶やかで美しい料理のひとつひとつに、高揚感をおぼえる。夕食の主菜となる炭香(肉)には、自然豊かな南足柄で放牧飼育された相州牛ロースの炭火焼きに秦野の野菜が添えられている。また、料理にあわせたお酒のペアリングが用意されているからマリアージュを楽しめるのも嬉しい。もちろん、ノンアルコールも用意されているからお酒が飲めない人も安心だ。
箱根の伝統工芸 寄木細工の器に盛られた朝食には(※和朝食)「はつはな」の湧き水で作る豆腐が登場するなど、地場の旬の素材がふんだんに使われている。
そして、非日常のひとときに欠かせない風呂。風呂は部屋付き露天風呂の他、大浴場が2つ、予約制の貸切風呂が4つと、贅沢な湯めぐりが楽しめる。大浴場は「竹の葉」と「山の端」の2つで男女入替制。木々の表情を眺めながら、湯に身も心も委ねれば、すーっと安らぎ浄化されていくのを感じるだろう。貸切風呂は、須雲川の川音に包まれた自然と湯面が繋がった露天風呂「川音(かわと)の湯」、4階まで吹き抜けの高い天井と格子状に組まれた梁が特長の「静寂(しじま)の湯」、窓の外の水盤と浴槽の相関が美しく車椅子でも利用できる「水面の湯」、石盤の庭が幻想的で抜け感のある景観が美しい「明灯(あかり)の湯」と、それぞれ異なる趣が楽しめる。
「部屋」「食事」「風呂」の他も、湯治療法を一夜に凝縮したオリジナルメソッドの湯治セラピーを施してくれる「まほろみ」、食事の後や湯あがりに、デトックスティーやアルコール、足柄の水で喉を潤しながら寛げる暖炉の揺らめきが落ち着く「ラウンジ」など、サービスとホスピタリティには抜かりがない。
緑緑しい自然、鳥の声や虫の音や草木の香り、至高の湯と食。チルで癒される非日常が流れているのにまるでわが家のように落ち着ける、そんな「はつはな」で過ごす夜の寛ぎのひとときと朝の清々しいひとときが、心身をまっさらな状態にしてくれる。その上質な時間と空間はぜひ一度堪能していただきたい。