「知る」は、おいしい! 星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳|TRAVEL
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2020年9月1日

「知る」は、おいしい! 星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳|TRAVEL

TRAVEL|星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳

このひと皿と出合うために、星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳へ(2)

その上に、フレッシュなトリュフをたっぷりと。ご開帳すると中から有精卵とグラーナパダーノチーズで作ったソースがとろ~りと、とろけ出します。
それにしても、じゃがいもが主役を張るなんて、誰が想像したでしょうか。実はこのじゃがいも様(敬意を表して様付に)、2015年の「ヴィノ・エ・ヴェルドゥーラ」提供スタート時からメインを張り続けている大スターなんです。「野菜のコースを始めるにあたり、約1年間かけて試行錯誤を重ね」(鎌田さん)、完成したひと皿です。
そして食べ終わった後、カメラマンの大瀧 格さんが言ったひと言が忘れられません。「俺、今ならじゃがいもをテーマに詩が書けそうだよ」。そのポエム、聞きたいかどうかは別として、そうです、じゃがいも様はそれだけ圧倒的な存在感を放っていたのです。宝塚歌劇で言えば、最後に羽を背負って降りてくるトップスターです。

ペアリングのワインは、ドメーヌ ミエ・イケノの「ピノ・ノワール2016」。ソムリエいわく、「2016年は、この地域は天候が悪く、大変な年でした。しかしイケノさんのところのブドウは健全に育っていて、ワインは厚みがあり、それでいてピノ・ノワール独特のやわらかさも備えています。相性は間違いありません」。ひと口飲んで、おっしゃる通り! と、頷くばかり。やさしく、やわらかなピノ・ノワールの味わいは、シルキーな口当たりがほっこりとしたじゃがいも、そして卵のまろやかさにぴったり。
バターナッツ
で、前述した通り、デザートも野菜が主役です(お口直しも、プティフールも)。この日のデザートは、パンナコッタの上にオレンジとシナモンのエスプーマ、さらにバターナッツのジェラートを重ね、その上から、温かいはちみつとしょうがソースをかけ、「キャラメリゼしたアーモンドで食感を出した」(鎌田さん)逸品。
お相手は、安曇野市のワイナリー、あづみアップルの「ルヴァン ソーヴィニヨン・ブラン冷凍果実仕込み2012」。デザートにもしっかり、ワインペアリングです。このワインは、その名の通り、ソーヴィニヨンを冷凍氷結させており、熟成感を感じる甘さの中にキレも備えていて、甘い+甘いの組み合わせでありながら、甘いデザートをすっきりと食べさせてくれます。マリアージュの妙ってすごいなあと思わずため息です。

さて、旬の野菜たちとテロワールを共にする、山梨と長野に限定したワインを合わせた、極上のデギュスタシオンコース(※)。ワタクシお腹いっぱいです。野菜が主役とはいえ、大人の男性でも十分な食べ応えではないでしょうか。しかもヴィーガン料理ではなく、出汁やアクセントには、アンチョビや卵なども使用しており、味のバリエーションも豊富。飽きることはありません。メニューには、「ナス」「じゃがいも」と素材名だけが書かれていて、「次の野菜はどんな風貌でお出ましに?」と、好奇心も掻き立てられます。
※数多くの皿で構成されるコースのこと

「シンプルな調理法で素材の持ち味を生かすイタリアンは、八ヶ岳の素材と親和性が高く、土地の恵みを存分に感じていただける料理を提案したいと考えています」と、鎌田さん。驚きと納得と感動に満ちた、目に、舌に、心に、楽しい、2時間強の魔法のような時間……、季節を変えて訪れたいレストランが、またひとつ増えてしまいました。

ハイ、お腹も満たされ、すっかりほろ酔いとなったところで、リゾナーレ八ヶ岳の施設について改めてご紹介しましょう。
メインストリート、ピーマン通り
客室は172室。スナップ写真を撮ったら「それ、どこのヨーロッパ?」と言われること請け合いの石畳のメインストリート、ピーマン通りを囲むように配されています。今回ステイしたのは、2019年春に、ホテル棟に新設された「ワインスイートメゾネット」。ワインを心ゆくまで味わってほしいというコンセプトルーム、泊まるしかないでしょ。
ワインスイートメゾネット(1階)
ワインスイートメゾネット(1階)
客室のドアを開けた瞬間、鮮やかなボルドーカラーが目に飛び込んできました。メゾネットタイプで、1階はベッドとデイベッドを備えています。壁にはこちらもボルドーカラーで、八ヶ岳連峰が描かれています。ワインの搾りかすを使った、リゾートオリジナルの石鹸も、ぜひお試しを。
ワインスイートメゾネット(2階)
ワインスイートメゾネット(2階)の専用ワインセラー
2階は、好みのワインをご機嫌に嗜める空間です。八ヶ岳ならではの景色と共にワインを楽しんでほしいと、あえてリビングは2階に配したのだとか。縦横3メートルの大きな窓から、暮れゆく空とピーマン通りを眺めながら飲む1杯、たまりません。ソムリエセレクトのワインを取り揃えた、小さなワインセラーにも心躍ります。
「ドメーヌ ミエ・イケノ」のハーフボトルなど、ここでしか飲めないワインも用意されているので、ぜひチェックを。

リゾートのメインストリートとなる、全長150メートルのピーマン通りには、カフェやセレクトショップなど19店舗が軒を連ねています。そのうちのひとつビュッフェ&グリルレストラン「YYgril」でも、野菜を使った料理をふんだんに用意しています。今回は朝食で訪れたのですが、ゲストに手袋を配布したり、料理にアクリル製のカバーを設置したりと、新しい生活様式が求められる時代ならではの工夫を凝らしたビュッフェをスタート。好きなものを好きなだけという、ビュッフェの醍醐味はそのままに、安心して食事を楽しむことができました。
八ヶ岳ワインハウス(YATSUGATAKE Wine house)
八ヶ岳ワインハウス(YATSUGATAKE Wine house)のワイン自動販売機
ワイン好きならぜひ足を運びたいのが、ソムリエセレクトの山梨県・長野県産ワインが所狭しと並ぶ「八ヶ岳ワインハウス(YATSUGATAKE Wine house)」。常時24種類のワインが、少量(25ml~)から試飲でき、味を確かめてからボトル購入できます。
ここのトウモロコシ、生でそのままカジれるし、びっくりするほど甘くておいしいっ!
ハマラファーム https://www.instagram.com/hamara_farm/?hl=ja
ピーマン通りでは、季節ごとのイベントも開催しています。夏に実施されている「八ヶ岳マルシェ」は、今年で11年目。地元の農家さんから直接購入した、生でも食べられるトウモロコシはリピート必至です。
ほかにも八ヶ岳の立地を生かしたアクティビティが盛りだくさん。ファミリー層に大人気なのが、目の前に南アルプスの山々が広がる畑で夏野菜を収穫し、グリルで焼き上げる「夏のおひさまキッチン」。お子さまの食育にぴったりです。自分で収穫した野菜をその場でいただくことで、野菜嫌いを克服したちびっこも多いのだとか。

ほかにも「森林乗馬」「葡萄畑アペロ」「絶景天空ランチ」「八ヶ岳ワイナリー散歩」など、大人の遊び心をくすぐるもの多々。ワインリゾートでの休日は、なかなか忙しいものになりそうです。

リゾナーレ八ヶ岳にはファミリー、カップル、女性同士など、さまざまな形態で旅を楽しんでいる人たちがいて、夏休み期間中とはいえ、多彩な層に愛されていることを実感しました。2020年4月からはワンコと一緒にステイできる、テラス付きの部屋も誕生。愛犬と一緒に高原ライフを満喫するのも素敵です。

つまりリゾナーレ八ヶ岳は、幅広い年代や嗜好の人たちが楽しめる仕掛けが随所に施された「大人が楽しめるリゾート」。いつ、誰と行っても謳歌できること請け合いです。
星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
  • 住所|山梨県北杜市小淵沢町129-1
  • 客室数|全172室
  • パブリック施設|波の出る屋内プール、大浴場、メインダイニング、19店舗のセレクトショプ
  • チェックイン/チェックアウト|15:00/12:00
  • 宿泊料|1泊1室2万1000円〜(税別。朝食付き)
  • 交通|JR中央本線小淵沢駅から無料シャトルバスで5分、中央自動車道小淵沢ICからクルマで5分
問い合わせ先

星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
Tel.0570-073-055(リゾナーレ予約センター)
https://risonare.com/yatsugatake/

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