非日常をドラマチックに。クルーズ旅の目的は"美食"で決まり!|OCEANIACRUISES
OCEANIACRUISES|オーシャニアクルーズ
とびきりの「非日常」を体感できる、クルーズ旅へ
楽ちんで快適で美味しい! いまクルーズ旅が面白い。
グルメ客船で行く、クルーズ旅は「天国」でした(1)
「クルーズ(船旅)」と聞いて、どんな印象を抱くだろうか。ほんの少し前まで、日本では「リタイア後のお金持ちの旅のスタイル」と考えられていた、クルーズのイメージは、ここ最近、変わりつつある。世界的なクルーズ人気を受け、豪華客船からカジュアル船までバリエーションも年々多彩になっている。日本発着クルーズや「クルーズ船で旅をする日本人」の数も右肩あがりだ。
Text by HASEGAWA Aya
クルーズは限られた人のための旅のスタイルじゃない!
国土交通省によれば、2017年の日本人のクルーズ人口は過去最多の31.5万人を記録。日本の港湾へのクルーズ船の寄港回数は前年比37%増の2764回となり、こちらも過去最高を記録した。この6月には、JTBが、ホテル不足が予想される2020年の東京五輪期間中、横浜港に停泊する大型クルーズ船をチャーターし、ホテルとして活用すると発表。約1000室で延べ3万6000人の宿泊を見込んでいる。
そうはいっても興味のない人は、「クルーズって何が面白いの?」「船の中って退屈しないの?」と疑問を抱くのではないだろうか。僭越ながら数年前に初めてクルーズ旅を経験した筆者からひとこと言わせていただけば、船の中は全然ヒマじゃない、むしろ忙しい(後述します)!
そして、「高額」というイメージのお値段だが、日本が誇る豪華客船「飛鳥」のように、世界一周ウン百万円というラグジュアリークルーズもあるが、船のLCCと言われる、1泊当たり1万円を切るカジュアル船もある。しかもその価格には、食事代と船内のプールやジャグジーなどの施設利用費、映画やショー、音楽の生演奏などのエンターテイメント代、目的地までの移動費が含まれている。クルーズは、いったん乗船すれば荷物の移動は不要。寝ている間に次の寄港地へ着いてしまうし、寄港地では重たい荷物は船に置いて身軽に観光が楽しめるのだ。
抜群のリピーター率を誇る「オーシャニア クルーズ」って?
クルーズ船はいわば「動くホテル」。ホテル同様、個性やグレードはそれぞれ異なる。聞いたところによると、クルーズファンは、お気に入りのクルーズ会社を持っているのだとか。旅行期間、航路など、年々選択肢も増えている。そんな百花繚乱のクルーズ船のなかで、オウプナーズ読者におすすめしたいのが、今回紹介する「オーシャニア クルーズ」だ。
オーシャニア クルーズは2002年に設立した比較的新しいクルーズ会社だが、抜群のリピーター率を誇る。寄港地はアラスカ、カリブ海、カナダやヨーロッパ、アジア、南太平洋など多岐にわたり、7~14日間程度のものを中心に長期間のクルーズも用意している。なによりリピーターたちをひきつけているのは、そのホスピタリティーと食事の美味しさだ。クルーズ好きの間では、「美食の船」とも呼ばれている。
オーシャニア クルーズは6隻の客船を運航しているが、今回、乗船したのは、総トン数3万277トン(全長約181メートル、684人収容)の「ノーティカ号」だ。巨大ホテルを思わせる15万トンを超える船も珍しくない昨今では小ぶりな部類に入るが、船首のシルエットが曲線で構成され、なんともエレガント。船内の装飾も洗練されている。船内には生花が配され、至るところに絵画も飾られていた。なかには「え、これってピカソ?」という絵画も。スタッフに聞いてみたところ、正真正銘のピカソ! オーナーのコレクションらしい。美術館のような船内で寝泊まりできるなんてセレブのよう(うっとり)。
Page02. 多くのクルーズファンが認める「美食の船」
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グルメ客船で行く、クルーズ旅は「天国」でした(2)
多くのクルーズファンが認める「美食の船」
多くのクルーズファンが「クルーズ料理の最高峰」と評価しているオーシャニア クルーズの料理は、元フランス大統領のプライベートシェフが監修を手がけている。そりゃ間違いないでしょう、といった感じだ。筆者は「ノーティカ号」に乗って2日目に、「このクルーズ中では欲求の赴くままに食べてしまおう!」と覚悟を決めた。なにを食べても美味しいのだから仕方ない、ダイエットは船を降りてからすればいいではないか、と。
「ノーティカ号」の船内にレストランは4つ。フリーシーティング(自由席)のメインダイニングのほか、ビッフェレストラン、そしてファインダイニングのグリル料理「ポログリル」、イタリア料理「トスカーナ」がある。アルコール類は別途料金となるが、ワインは40ドル程度から取り揃えていて、飲み切れなかった場合、翌日以降に取り置くことができるので、気軽にオーダーができた。
メインダイニングでは前菜からデザートまで好きなものを選べるスタイルで、何種類オーダーするかも自由だ。あまり食欲がなければスープとサラダで済ませることができるし、腹ペコならメインを2つ選んでもいい。なお、ほとんどのクルーズ船では、メインダイニングは2部制となっていて、食事をする時間は指定されている。しかし比較的客室数が少ない「ノーティカ号」では、営業時間中の好きな時間に足を運ぶことができる。いつも同じ時間にお腹がすくとは限らないので、これがなかなか調子がいい。また、多くのクルーズ船ではメインダイニングとビュッフェレストランの食事はクルーズ代金に含まれているが、ファインダイニングは別料金となる。しかしオーシャニア クルーズでは、ファインダイングの料金も船の代金に込み(席の予約は必要)! 太っ腹だ。
「ポログリル」ではここ数年、日本でも盛り上がっている熟成肉がいただける。「トスカーナ」のイタリア料理も味、ラインナップともに充実している。オリーブオイルとバルサミコソースをそれぞれ複数用意していて、スタッフに特徴を聞きながら、好みのものを選ぶのも楽しい。なお「トスカーナ」では特注のヴェルサーチの食器を使用しており、こちらもテンションが上がる。
話は変わるが、食事がトホホで「ダイエットクルーズ」と囁かれている、格安のクルーズ会社もある。無料のビュッフェレストラン、メインダイニングがあり、そのほかにファインダイニング(多くの船では有料)があるという形態はほとんどのクルーズ船で同じだが、その内容には雲泥の違いがあるのだ……。ただ「ダイエットクルーズ」も、ものは試しにちょっと乗ってみたい気もしなくもない。
「終日クルーズ」こそが楽しい、「ノーティカ号」の魅力
今回はイタリア・ローマ(チヴィタヴェッキア)で乗船し、イギリス・ロンドンで(サウサンプトン)下船する、12日間のクルーズに乗船した。寄港地で観光を楽しむ日もあれば、丸1日航海している「終日クルーズ」という日もある。
「1日中海の上ってヒマじゃないの?」。多くの人が抱く疑問だ。わかる、わかりますとも! 冒頭でも触れたが、これが全然暇じゃない。忙しいのだ。
オーシャニア クルーズに限ったことではないが、クルーズでの過ごし方は自由だ。そして、それはクルーズ旅の最大の長所のひとつだと個人的には思っている。寄港地では寄港地観光を楽しんでもいいし、船の上でのんびりしていてもいい。「日常」の自分のスタイルを貫きながら、とびきりの「非日常」が体験できる。
船内にはプールもあれば、スパ、ジムもある。レストランも複数あるし、ショッピングもできる。カジノで一攫千金を狙うのも悪くない。クイズ大会やダンス教室、ブリッジ、カラーリング(塗り絵)、ワインのテイスティングなど、乗客を飽きさせないためのさまざまなアクティビティも用意されている。船内のシアターでは毎夜エンターテイメントが実施されている。これがなかなか本格的で、デビュー前はクルーズ船で経験を積んでいた、ブロードウェイで活躍中のスターも少なくない。
また星空の下で映画鑑賞会が開催されることもある。そして、そのほとんどのアクティビティは旅行代金に含まれている。もちろん、波の音をBGMに部屋で惰眠をむさぼるのも悪くない。どんなプログラムが行なわれるかは日替わりの船内新聞に書かれていて、これを参考にその日の日程を組むのがまた楽しい。
客室はやはり一般的なホテルを想像していただければそうかけ離れてはいない。広々としたスイートもあるし、費用を抑えたければ窓のない部屋という選択肢もあるが、クルーズ船での旅を満喫したいならやはり窓付き、できればバルコニー付きの部屋にステイしたい。船にもよるが、一般的な客室は、日本のビジネスホテル相当の20〜25平米程度のものが中心だ。決して広くはないが「ノーティカ号」は機能性も高く、アメニティはブルガリのものを用意。1日2回ハウスキーピングが入り、クルーズを通して快適な滞在ができる。
数日間、船で過ごせば、きっとお気に入りの場所ができるはずだ。筆者が毎日通ったのは、船頭のラウンジ「ホライズンカフェ」。朝はセルフサービスのコーヒーを飲みながら、メールチェック。夕食後は時にはカクテルを片手に、ぼーっと海を眺めていた。ジブダラルタル海峡通過のときはさすがに盛り上がったし(きちんと放送で教えてくれる)、クジラ(もしかしたらイルカかもしれない)がぴょんぴょん跳ねたときも、ちょっとしたお祭り騒ぎだった。さらに「ホライズンカフェ」では、毎日16時からアフタヌーンティーを提供している。こちらもクルーズ代金に含まれているのだが、かなり本格的なのだ。「ちょっとだけお手並み拝見」と思いつつ、ワゴンでサーブしてくれるスタッフに、上品に促され、あれもこれも食べてしまった。船上ではそんなわくわくするような毎日が繰り返されている。
Page03. クルーズの華「寄港地」。これがまた楽しいんです!
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クルーズの華「寄港地」。これがまた楽しいんです!
船の上はもちろん、寄港地も魅力だ。クルーズなのだから当然といえば当然なのだが、目が覚めると違う街に着いているというのは、毎回、興奮する。
今回でのクルーズの寄港地は、バルセロナ(スペイン)、カタルヘナ(スペイン)、リスボン(ポルトガル)、ポルト(ポルトガル)、ラ・コルーニャ(スペイン)、ビルバオ(スペイン)、ボルドー(フランス)。おわかりだろうか。いずれも"美味しい"街である。このクルーズ、船の上でも船を降りても美味しいのだから困ってしまう。
船は大きければいいというものでも、小さければいいというものではなく、それぞれに利点がある。寄港地に関していえば、抜群にその威力を発揮するのは小さな船だ。大型船では寄港できない小さな港にも立ち寄ることができる。今回は、約3万トンの「ノーティカ号」の威力を最大限にいかした、美食コースとなっていた。ほとんどの寄港地では船を降りれば、徒歩で街の中心地までアクセスできた。ポルト、ビルバオなど、港と中心地が多少離れた寄港地では、無料のシャトルバスが運行されていた。クルーズ船主宰の寄港地ツアー(有料)も催行されているので、こちらに参加するという手もある。
「この街は何度も訪れたことがあるから」「今日は船でのんびりしたい」と、いつもより人が少ない船の上でのんびり時間を過ごす人もいる。船の上から眺める街もまた、美しく、エキサイティングだ。そんな光景を借景に、プールサイドのデッギで過ごす1日も悪くない。
寄港地の過ごし方も「自由」。自分のスタイルを貫けばいい。
一度乗ったらハマる、クルーズ旅
乗船日にわくわくしながら「探検」した船は、すぐに自分のかけがえのない「居場所」となる。「ノーティカ号」では、乗船した夜には、スタッフは私のことを名前で呼んでくれた。そういえば、乗船日、スタッフと再会を喜び合っているゲストの姿も。船はゲストにとって大きな懐で受け止めてくれるもうひとつの「我が家」でもあり、だから離れる日はいつもなんだか少しセンチメンタルな気持ちになる。そんな感情もまた、クルーズ船の醍醐味のひとつだ。
とアツく語ってみたところで、経験したことないと、「クルーズ」にはやはり少し敷居が高いイメージが付きまとうかもしれない。それでも敢えて言いたい。少し勇気が必要かもしれないが、クルーズという新しい旅のスタイルとの邂逅はきっと人生をより彩り豊かなものにしてくれるはずだ。
なかでも「ノーティカ号」はとにかくエレガント。品格のある雰囲気のなかでの、あたたかみのあるホスピタリティーが心地よく、そして、しつこいがなにより食事が美味しい。タイタニック号のそれを模したアトリウムの階段、ヨーロッパの貴族の書斎のような図書館、船頭のカフェからの眺め、圧倒的な大海原が広がる甲板──。お気に入りの場所はいくつだって挙げられる。でも最も印象に残っているのは、自分の部屋から眺める、刻々と表情を変える海を眺めている、なんてことのない時間だったりする。
取材協力:オーシャニア クルーズ
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