特集|国際都市トロントで叶えるアートな旅|「ニュイ・ブランシュ」を体験!
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国際都市トロントで叶えるアートな旅
Chapter 1|一夜限りのアートの祭典「ニュイ・ブランシュ」を体験!
約100万人がトロントを訪れたアートイベント「ニュイ・ブランシュ」。直訳すれば「眠れない夜」を意味するオールナイトのアートイベントは、2002年フランスのパリでスタート。街全体を展示会場とすることで、街にあたらしい魅力を与える文化的なイベントとして成功し、トロントをはじめ、モントリオール、ブリュッセル、京都など、世界の各都市に広まっている。トロント市民もこの日ばかりは徹夜を覚悟。日没に合わせ、いつもとは少しちがった雰囲気をまとった街へと繰り出していく。
Photographs by SUDO YukoText by MINOWA SachikoEdited by TANAKA Junko (OPENERS)
大人から子どもまで夜通しアート鑑賞
10月4日(土)の日没から5日(日)にかけて、トロントで開催されたオールナイトのアートイベント「ニュイ・ブランシュ」。世界400の地域からアーティストが集結し、120以上のアートプロジェクトがトロントの夜を彩った。トロントの「ニュイ・ブランシュ」は2006年にスタートして以来、年々規模が拡大。これまでに1億7千7百万ドル以上もの経済効果を生み出している。
「ニュイ・ブランシュ」の大きな特徴は、その名が示すとおり、開催時間が夜だということ。美術館や市役所、公園や学校など、開催場所は市内全域にわたり、それをすべて無料で楽しむことができる。2002年、毎年10月の第1土曜日の日没から、翌日曜日の明け方にかけて開催されるオールナイトのアートイベントとしてフランス・パリでスタートし、いまではトロントをはじめ、世界各国で同時開催されている。
イベント会場がトロントの街全体におよぶため、どこにどんな作品が展示されているのかが分かるように、公式パンフレットと地図が用意されるほか、スマートフォンのGPS機能でナビゲート可能なサイトも開設されていた。作品解説をヒントにお目当ての作品を目指すのも、近くに展示されている作品を見に行くのも各自の自由。それぞれが思い思いに楽しむことができる。またこの日は、地下鉄や路面電車も営業時間を延長して交通を確保、駐車場スペースも拡大し、公共の交通機関でイベントを楽しめるような仕組みを作っていた。
展示される作品は、事前にキュレーターによって選ばれたあと、トロント市がアーティストに制作を委託して作られる。そこからさらにキュレーターによって選ばれた約30の作品が発表されるほか、H&Mや大手ディベロッパーなどの企業が参加するスペシャルプロジェクト、トロントのアーティストやギャラリーが独自で参加するインディペンデントプロジェクトもあり、作品の総数は120以上におよぶ。
夕食後、さっそくトロントの街へと繰り出してみたのだが、昨日までのトロントとは打って変わって、多数のアートとパフォーマンス、多くの人であふれていた。印象的だったのが、小さな子どもを連れた家族連れが多かったこと。オールナイトのイベントだというのに、若者がアルコールを飲んで騒ぐといった“お祭り騒ぎ”の浮かれた雰囲気はない。幅広い年代がトロントの幻想的な雰囲気を楽しんでいる姿に、文化的に成熟した都市の豊かさを感じた。
問い合わせ
トロント観光局
http://www.seetorontonow.jp/