LOUIS XIII|「ルイ13世 レア・カスク42.6」発表プレスツアー見聞録
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2016年1月4日

LOUIS XIII|「ルイ13世 レア・カスク42.6」発表プレスツアー見聞録

LOUIS XIII|ルイ13世

インド・ウダイプールで感じた“過去・現在・未来”

世界限定738本、奇跡のコニャックとの出合い(1)

昨年秋、レミーマルタン社のセラーマスターであるピエレット・トリシェ女史が来日した際、名酒「ルイ13世」の飲み方を教わって、コニャックのもつ深遠な世界のふちに初めて触れた気がした。そして今年に入って、「今度、ルイ13世の非常に希少な限定コニャックのローンチパーティがインドであるのですが」とお誘いいただき、3月にインドへ旅発った。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

ARRIVAL IN NEW DELHI & UDAIPUR──“湖の町”へ

成田空港で買ったインドのガイドブックを開くと、インド全図の地図のつぎにブッダの言葉が書かれていた。大学時代に「卒業旅行でインドへ行くと価値観が180度変わって就職できなくなったひとが大勢いる」という話がまことしやかに伝わってきたが、今のインドは世界の経済地図のなかで年々存在感を増している国の一つだ。アメリカのIT産業はインドがないと機能しないし、消費市場としても圧倒的な人口を誇る。そんな今のインドと「ルイ13世」の“非常に稀な種類のコニャック”の接点に期待しながら、まず首都デリーへと飛び立った。

インドの玄関口、インディラ・ガンディー国際空港を経て、今回の目的地である「ウダイプール」へはレミーマルタン社が用意したチャーター便で空路1時間半ほど。地図で見るとウダイプールはデリーの左下45度にあたり、山に囲まれた湖が描かれている。

ルイ13世|インド 04

ルイ13世|インド 06

ではウダイプールの説明を少々。インド北西部に位置するラジャスタン州にあり、イギリス植民地下にあったインドが1947年に独立するまで、マハーラージャ(藩王)に支配されていた地域。インドで一番大きな州で、西部には広大な砂漠が広がり、インドのなかでもっともエキゾチックで幻想的な州と評するひとも多い。ウダイプールはムガール帝国に押し込まれ、旧都チットールガールを逃れた名家メワール一族のマハーラージャ、ウダイ・シンが、自らの名を冠して1567年に築いた都市で、川をせきとめてピチョーラ湖やファテー・サガール湖を造り、生活のための水を確保したという。

庶民の生活を支えた湖が今では世界的な観光名所となり、ウダイプールは“東洋のヴェネツィア”とも“湖の町”とも呼ばれ、インド国民のあいだではハネムーンに行きたい場所として憧れられ、映画『007 オクトパシー』のロケ地としても有名だ。

ウダイプール空港からは、リムジンバスで移動。車窓から見える“インドの日常の風景”に目は釘付けになる。悠々と歩いている牛、痩せた犬、日陰で話し込んでいる男たち、洗濯物を干したり忙しそうにしている女たち、暇そうな雑貨店……、デリーの喧噪に比べあまりにのんびりした風景にしばし心がなごむ。

ルイ13世|インド 10

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LAKE PICHOLA & THE LEELA PALACE──ホテルへは舟に乗って

バスは湖の舟乗り場に着く。ピチョーラ湖は人工湖と知っていてもその大きさに驚く。湖は現在3×4kmの大きさがあるそうだ。そして、滞在するホテルへはここから舟で乗りつけるという。ルイ13世の紋章入りの旗が舳先でひらめく舟に乗って、滞在先のホテル「ザ リーラ パレス ウダイプール(THE LEELA PALACE UDAIPUR)」へ。こういう演出はゲストを思わず笑顔にさせるものだ。

インドといえば、旅行者にとって安宿がたくさんあるイメージだが、それも今は昔。現在ではインド資本のホテルチェーンが豪華さを競い、ザ リーラ パレス ウダイプールもザ リーラ パレス ホテルズ&リゾーツの5ツ星ホテル。ホテルの乗船場に着くと、ラジャスタン民族歌手の音楽と花シャワーで歓迎され、額に赤い印をつけられた。ホテルも堂々としたラジャスタン式宮殿風で、ゲストルームもすばらしい。独特のセンスあふれる内装のスイートはインドの雰囲気を取り入れたデザインがほどこされ、レイクビューの眺めの良さも特筆モノだ。

LOUIS XIII|ルイ13世

インド・ウダイプールで感じた“過去・現在・未来”

世界限定738本、奇跡のコニャックとの出合い(2)

CITY PALACE AND INDIAN DINNER──ディナーのドレスコードは“just a touch of white”

ホテルに着いた夕刻からウェルカムパーティがあり、湖に沈む夕日を眺めながら、世界中から集まったジャーナリストと挨拶と言葉を交わす。今回のローンチパーティに招かれたのは、日本、中国、韓国、台湾、シンガポールなどのアジア勢、ロシア、イギリスなど欧州勢がメイン。日本からは5つのメディアの5名だが、中国からはなんと5倍の25名が参加。参加者からは「やはり中国マーケットは巨大ですね」との声も挙がった。ホテルに上陸したときに、従業員から「ニイハオ」と挨拶されたのにも思わず納得。現在のコニャックマーケットは、クルマなどとおなじく、中国の富裕層の嗜好と動向で決まるようだ。

さて、ホテルから湖を眺めるとふたつの小さな島が見え、そこには優美な建物がある。美しい白亜の建物は、1746年にマハラナ・ジャガト・シン2世によって建てられた「タージ・レイク・パレス」で、かつてはマハーラージャやゲストが“夏の離宮”として利用していたもの。現在はホテルに改装されているが、1983年に公開された『007 オクトパシー』ではオクトパシーの宮殿として撮影され、ジェームズ・ボンド役のロジャー・ムーアたちスタッフもこのホテルに滞在したという。

もう一つ、ジャグ・マンディールという小さな島にも宮殿があり、翌日の“非常に稀な種類のコニャック”の発表はその宮殿で開催されるそうだ。

ルイ13世|インド 20

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第76代マハーラージャ、Arvind Singh Mewar登場!

ホテルでのウェルカムパーティ後、舟に乗ってこの日のディナー会場の「シティ・パレス」へ移動。夜の湖から見えるシティ・パレスはあまりに巨大で、これから何が起きるか期待がふくらむ。シティ・パレスはラジャスタン州最大の王城で、南北450m、東西240mあるという。現在もマハーラージャの子孫が住んでいて、半分が博物館で、一部がレストランとして営業していて、観光客が絶えることがない。そのシティ・パレスの中庭が、ディナーの会場だ。

シティ・パレスの巨大さも見事だが、中央庭園に設営されたディナー会場も完璧にコントロールされていて、ジャケットでちょうどいい乾燥した夜の風もとても気持ちが良い。そうしているうちに、騎馬兵に先導されて、恰幅のいい男性が登場した。

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彼の名は、アービンド・シン・メーワール(Arvind Singh Mewar)。インド共和国発足まで独立国家として独自の力と文化を守り通したウダイプールの王の末裔は、1944年生まれで、なんと76代目だそうだ。翌日の博物館見学でわかったのだが、ウダイプールの王は734年から脈々と血を絶やさず、インドでも最古のマハーラージャだという。

現代のマハーラージャの登場にゲストたちは沸き立ち、代わる代わる記念写真をおさめ、現在のセラーマスターで、昨年秋の来日時にはOPENERSでインタビューをおこなったピエレット・トリシェ女史とのツーショットなどもゲストを楽しませた。マハーラージャの挨拶後のディナーでは、現地に伝わるラジャスタン舞踏や、ルイ13世とインドとのかかわりを紹介する映像なども紹介され、翌日の“非常に稀な種類のコニャック”の発表を大いに期待させた。

LOUIS XIII|ルイ13世

インド・ウダイプールで感じた“過去・現在・未来”

世界限定738本、奇跡のコニャックとの出合い(3)

ACTIVITY IN UDAIPUR──宗教と文化が交差する土地

翌日は夜のガラディナーまで市内観光。ウダイプールがあるラジャスタン州には、「ピンクシティ」といわれるジャイプール、「ブルーシティ」の別名をもつジョードプール、そして「チョークシティ=白亜の街」といわれるウダイプールがあり、昼間の白く輝くシティ・パレスを見るとその由来がよくわかる。

マハーラージャ、ウダイ・シンが建てたシティ・パレスのトリポリアと呼ばれる3重のアーチ門をくぐると博物館で、ガネーシャ像がまず迎えてくれる。内部の宮殿を巡ると、歴代のマハーラージャによって増改築されたことがよくわかり、世代毎にヒンズー教とイスラム教の影響がみてとれるのがおもしろい。

ルイ13世|インド 34

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屋上にある丸屋根のついた八角形の望楼や、美しい孔雀のモザイクが見どころの「孔雀広間=Mor Chowk」、ガラスの象嵌細工の装飾が美しい「ルビーの宮殿=Manak Mahal」などのほかに、陶製タイルで有名な部屋や絵画が飾られた画廊などもあり、マハーラージャがかつて使用していた輿(こし)やゆりかご、武器などたくさんの宝物が展示されている。

博物館の後は、マハーラージャが所有しているクラシック・ヴィンテージカー博物館を見学し、ウダイプールでも有名な山頂にあるファテガールホテルで、ブランチと、インドの伝統的な工芸品職人によるデモンストレーションのロイヤルクラフトバザーを見学した。このロイヤルクラフトバザーでは買いものもでき、購入金額の20%が現マハーラージャが主宰する「Maharana Mewar チャリティー財団」を通じて、インド国内の奨学金などを助成するVidayan Trustに寄付された。

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GARA DINER IN JAG MANDIR ISLAND──ドレスコードはブラックタイ

ホテルに戻り、タキシードに着替え、舟でガラディナーの会場のジャグ・マンディールへ。ブラックタイとイブニングドレスの正装した男女が小舟に揺られていく様がおもしろい。ジャグ・マンディールはマハーラージャのカラン=シンによって造られたといわれ、島の名前にはその後多くの増設工事を執行したマハーラージャのジャガット=シンの名前がつけられている。島には象の石像がならび、美しく彫刻がほどこされた石造りの廟(びょう)が印象的だ。

ガラディナーは、今宵発表される“非常に稀な種類のコニャック=ルイ13世 レア・カスク42.6”にならって黒のテーブルセッティングで、テーブルの隣席はロシアのレミーマルタン社スタッフと、イギリスのフードジャーナリスト。どちらも日本に来日したことがあり、日本食の話に花が咲いた。

ディナーが終了すると、今回の希少な“樽=カスク”を最初に発見した現セラーマスター、ピエレット・トリシェさんがステージに登場。彼女の説明に従ってテイスティングがおこなわれた。マダム・トリシエは語る。「ひとと自然が力を合わせて偉大なものを造り出すとき、予想をはるかに超える逸品が生まれることがあります。類まれな完成の域に達したとき、それを簡単に説明できるものはありません」

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「少なくとも一年に一度は、ルイ13世のティエルソン(100年以上経った古い樽)すべてをチェックしなさい──これは前任者のセラーマスター、ジョルジュ・クロがくれたアドバイスです。熟成の過程は、限りなく複雑な自然作用によって進んでいきます。そして予期しない変化がどうしても起こってしまいます。ルイ13世 レア・カスクのファースト・エディションは2004年に発見しました。これほどすばらしいコニャックが生まれた要因について考えましたが、この出来事を再現する方法はとうとうわかりませんでした。しかし、いつかあのような樽をもう一度発見するだろうということを本能的に感じていたのです」と語る。

そうして口にした「ルイ13世 レア・カスク42.6」は、マダム・トリシエのようなすばらしい嗅覚をもっていない自分でも感じるほど、ルイ13世よりも強いアルコールとともに、さらに一段複雑な香りを感じさせた。バカラのブラック・デキャンタに入った世界限定738本の自然の奇跡──これはひとと自然が生んだ作品である。

ルイ13世|インド 50

「ルイ13世 レア・カスク42.6」
2013年6月下旬より、ルイ13世販売店にて予約受付
希望小売価格|241万5000円

問い合わせ
レミー コアントロー ジャパン
Tel. 03-6459-0725
http;//www.rcjkk.com

           
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