夫婦が心地良い距離で食事ができるレストラン「TABLE898」期間限定オープン｜EAT

TABLE898｜テーブル898

夫婦が心地良い距離で食事ができるレストランが期間限定オープン

2018年11月22日（木）の“いい夫婦の日”から東京・代々木上原に期間限定でオープンする「TABLE898」は、夫婦が向き合って心地良く会話ができる距離を追求した新感覚のレストラン。マガジンハウスが発足した、新しい時代の夫婦のあり方を提唱する「Rethink 夫婦の時間」プロジェクトの一環として展開する。これまでも数多くの人気店舗を手掛けてきたフランス料理人の丸山智博氏がプロデューサーとして参加し、パリで人気のモダンフレンチ「Restaurant A.T」のオーナーシェフ、田中淳氏によるフルコースが提供される。オープンを間近に控えた心境を2人に聞いた。

Text by ANDO Sara (OPENERS)

夫婦限定の夫婦のためのレストラン

――TABLE898の特徴はなんですか？

丸山智博氏（以下、丸山）今回お話をいただいた時、テーブルについたそれぞれの夫婦が主役となり、夫婦で過ごす時間そのものが作品になるようなレストランにしたいと考えました。

そこで、店内はアートギャラリーをイメージして、照明や食器など細部にまでこだわりました。

木の温もりを感じられるようなランプシェードやナラの無垢材を使用したテーブル、フランス漆喰壁など、無機質なものと有機的なものをうまく組み合わせて、全体的にはミニマルだけど居心地のいい、柔らかい雰囲気の空間作りを目指しました。

――店舗名の898とは？

丸山 898という数字は、「Rethink 夫婦の時間」プロジェクトをサポートする「JT Rethink PROJECT」チームが心理学の観点から、実証実験により導き出した、夫婦が向き合って会話をする時に最適な距離が898ミリであることに由来しています。今回、夫婦の時間をより価値のある、素敵なものにするためのレストランを計画するにあたり、この898ミリという距離をポイントにしたらいいのではと考えました。向かい合って座った時に2人の距離が898ミリになるようにテーブルの幅を設計しています。心地良い距離感の中で食事を楽しんでいただくことだけでなく、それらを体感していただくことによって素敵な夫婦の時間を過ごしていただきたいと思っています。

――夫婦というテーマや、夫婦に向けられたメッセージはどのようなところに感じられるのでしょう？

丸山提供する器や料理そのものも、夫婦だからこそ完成される“2つで1つ”という考え方のもとに制作しています。ペアになっているタイプのお皿もあれば、それぞれ夫婦茶碗で召し上がっていただくものもあります。メニューのひとつに、海の幸と山の幸を組み合わせたものがあるのですが、出会うはずのなかった食材が、愛情をかけることによってひとつの美味しい料理になっています。生まれも育ちも違う2人が一緒になれたことが、出会えたこと自体が奇跡だということを、料理を通して改めて感じていただければ幸いです。そして優しい気持ちになって帰っていただければと思います。

――今回提供されるお料理についてお話を聞かせてください。

丸山僕自身料理人なのでメニューを考えることもできたのですが、今回はレストラン監修に徹し、メニュー開発は、友人でもある田中淳シェフにお願いすることにしました。パリで自身のレストランをオープンし、世界中から高い評価を得ている彼の料理はアーティスティックで味ももちろん美味しいし、見た目も艶やか。夫婦という切り口で一緒にメニューを作ったら素晴らしいコース内容になることを期待してキャスティングしました。

――TABLE898のコンセプトに合わせてメニューを開発するにあたり、こだわった点はなんですか？

田中淳氏（以下、田中） メニューを考えるスタンスは変わりませんでしたが、今回は“夫婦”というテーマがあったので、いつもよりチャレンジングではありました。智博さんが色々とアイデアを出してくださったので救われた部分もありましたが、やはり美味しくなければ意味がないので、美味しさを第一に、食材選びには特にこだわりました。春菊や花梨など、日本ならではの季節の食材を使って僕のスペシャリテをアレンジしています。

丸山田中シェフの世界観を活かしつつ夫婦というテーマに結びつけたかったので、基本的には彼がパリで出しているシグネチャーとなる料理をTABLE898のためにアレンジしています。日本にしかない食材と田中シェフの技術が組み合わさることによって特別な料理ができると思いました。また、田中シェフは料理の色彩をとても大切にされている方。今回も色を使って表現している料理があるので、そこにも注目して楽しんでいただきたいと思います。

田中カモフラージュと名付けている、グリーンのコントラストが効いたお皿も僕のスペシャリテのひとつなのですが、今回は、ニュージーランドの最高品質のサーモンを使ってアレンジしたものをお魚の冷前菜としてお出しする予定です。時を重ねることによって夫婦の愛がより濃く、深くなっていくさまを色で表現した料理です。

――丸山さんは今までも多くのレストランをプロデュースされていますが、今回特に印象に残ったことはなんですか？

丸山田中シェフの考えたメニューをこういう器で提供しよう、と編集していく作業が、大変でしたがとても楽しかったです。器もほぼオリジナルで作家さんに作ってもらっているので、TABLE898でしか絶対に食べられない内容になっていると自負しています。お一人様7000円という価格設定もリーズナブルではないでしょうか。世界中でポップアップを行う売れっ子の田中シェフが、日本でここまでの規模で料理を提供するのは初めてなので、それだけでも来ていただく価値があると思います。

――夫婦がTABLE898で食事をすることでどのような良い変化が生まれると思いますか？

丸山夫婦円満に仲良く過ごしていただきたいですね。JT Rethink PROJECTが、視点を変えると物事の世界は変わるということを提唱しているように、TABLE898での体験をもとに夫婦自体のあり方が変わっていくと嬉しいです。夫婦は、一緒にいる時間が長くなると馴れ合いのようになってしまいがちですが、2人が出会ったこと自体が素晴らしいということを再認識して、あたたかい気持ちで仲良く素敵な時間を過ごしてほしいと思います。

田中夫婦は長く一緒にいると外食の回数が減り、記念日など特別な時にしかレストランで食事をする機会がなくなってくると思うんです。TABLE898にいらしていただくことが、2人でこれからも一緒に食事をしに出かけるきっかけになれば嬉しいです。

丸山智博｜MARUYAMA Chihiro
cherche inc.代表、レストランプロデューサー兼シェフ。フランス料理店、外苑前ラミ・デュ・ヴァン・エノにて榎本実シェフに師事。その後都内のビストロ、カフェのシェフを務めつつ、ケータリングを始める。
2010年 MAISON CINQUANTECINQ（フレンチビストロ/代々木上原）オープン
2013年 RESTAURANT GRIS（フレンチレストラン/現在閉店）オープン
2014年 LANTERNE（大衆居酒屋/代々木上原）オープン
2014年 NINE STORIES（フレンチレストラン/代々木上原）をNAKED Inc.村松氏とオープン
2017年 AELU（ギャラリー兼ビストロ/代々木上原）オープン
2018年東京ミッドタウン日比谷HIBIYA CENTRAL MARKET 一角（ディレクション）
現在は直営店の運営、アパレル等のパーティを中心にケータリングを行いながら日本全国のカフェ・レストラン・居酒屋のプロデュース/ディレクション、コンサルティング及びメニュー開発を行う。

田中淳｜TANAKA Atsushi
RESTAURANT A.Tオーナーシェフ
1980年兵庫県生まれ
2003年レストランサン・パウ（銀座）
2006年ピエール・ガニェール・ア・東京（青山・部門シェフ）
2009年ピエール・ガニェール・パリ（パリ・部門シェフ）
2010年〜13年スペイン「キケ・ダコスタ」、ベルギー「デ・パストラル」「イン・ドゥ・ヴルフ」、デンマーク「ゲラニウム」
2014年 RESTAURANT A.Tオープン
Best chef award art賞受賞

TABLE898
オープン日｜2018年11月22日（木）〜12月2日（日）
住所｜東京都渋谷区西原3-12-14
時間｜18:00〜20:00／20:45〜22:45※完全予約制
金額｜フルコース 7000円（ドリンク別）
予約番号｜03-6327-2267
https://rethink-fufu.jp/table898/