ART|ドヌーヴをスターにした巨匠「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」展
ART|歌と音楽で映画を彩ったフランス人監督の肖像
「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」展
『シェルブールの雨傘』(1964年)、『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)など、フランス映画にミュージカルの歓びをもたらし、日本でも高い人気を誇る映画監督ジャック・ドゥミの展覧会が、東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室にて12月14日(日)まで開催中されている。
Text by WATANABE Reiko(OPENERS)
『ベルサイユのばら』特別上映会やトークイベントの開催も
昨年パリのシネマテーク・フランセーズでおこなわれ、大成功を収めた展覧会のアジア初の巡回展「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」が、東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室にて現在開催中だ。
1931年フランスに生まれたジャック・ドゥミは、港町ナントを拠点としながら、ドキュメンタリーの助監督を経て、アヌーク・エーメ主演の『ローラ』(1961年)で長篇デビュー。1990年に59歳という若さでこの世を去るまで、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『シェルブールの雨傘』や、ドヌーヴと姉フランソワーズ・ドルレアックを主演に迎えた『ロシュフォールの恋人たち』など、ミュージカル映画史に燦然と輝く作品を、作曲家のミシェル・ルグランらとともに生み出した。
私生活では1962年に映画監督のアニエス・ヴァルダと結婚。『ジャック・ドゥミの少年期』(1991年)や『アニエスの浜辺』(2008年)といったヴァルダ監督作品の中でもその生涯が描かれ、ドゥミの評価はフランス国内外で近年ますます高まっている。
現在開催中の「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」展は、代表作のスチール写真や撮影スナップのほか、美術デッサンや製作資料、さらにはドゥミ本人のアート作品などを通じて、ジャック・ドゥミの生涯と業績を振り返ることができる画期的な展覧会であり、日本との合作映画『ベルサイユのばら』(1978年)の日本公開当時の販促物や、音楽ライターの濱田高志氏による貴重なコレクションなど、日本独自のアイテムも多数紹介されている。
9月27日(土)には、フランスから本展覧会のコミッショナーであるマチュー・オルレアン氏を迎え、同氏の解説とともに『ベルサイユのばら』の特別上映会も開催されるほか、10月25日(土)には濱田高志氏によるトークイベントがおこなわれ、11月29日(土)にはフィルムセンター主任研究員の岡田秀則氏による展示品解説も予定されている。「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」展は12月14日(日)まで開催中。
ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑
会期|8月28日(木)~12月14日(日)
休室日|月曜日、10月14日(火)~23日(木)
開室時間|11:00~18:30(入室は18:00まで)
会場|東京国立近代美術館フィルムセンター7階展示室
料金|一般210(100)円/大学生・シニア70(40)円/高校生以下無料
※料金は常設の「NFCコレクションでみる日本映画の歴史」の入場料を含む
※( )内は20名以上の団体料金
Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
『ベルサイユのばら』特別上映会
日程|9月27日(土)
料金|一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)
会場|東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール
定員|151名(各回入替制)
11:30 ~ 『ベルサイユのばら』特別上映(124分)*上映前にオルレアン氏による作品解説あり
15:00 ~ 『ベルサイユのばら』特別上映(124分)
17:10 ~ マチュー・オルレアン氏講演 「ジャック・ドゥミにおける『ベルサイユのばら』の意義」
(入場無料、逐次通訳つき、1時間15分程度を予定)
※上映は各回入替制
トークイベント
「作曲家ミシェル・ルグランとジャック・ドゥミ」
日時|10月25日(土) 15:00
場所|東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室ロビー(7階)
講師|濱田高志氏(音楽ライター、アンソロジスト)
展示品解説
日程|11月29日(土)
講師|岡田秀則氏(フィルムセンター主任研究員)