ART|世界トップクラスの現代アート作品が東京に集結!
ART│世界トップクラスのコレクションを有するヤゲオ財団の現代美術作品がずらり
東京国立近代美術館で『現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展』
台湾を本拠地とするヤゲオ財団が所有する、世界有数の現代美術のコレクションが展示される『現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより』。6月20日(金)から8月24日(日)まで、東京国立近代美術館で開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
ウォーホル、杉本博司、グルスキー、ベーコンらそうそうたる作品がずらり
オークションで数十億円の値がつけられるなど、さらに熱気あふれる様相を呈している現代アート市場。そんな高値がつけられる“宝”であり、連綿とつづき、常に革新がもたらされてきた“美術史の宝”でもある現代アートを数多く所有するヤゲオ財団のコレクションを紹介する『現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展』が開催される。
ヤゲオ財団は、台湾資本の大手パッシブ(電子部品)メーカーであるヤゲオ・コーポレーションのCEOであり、美術愛好家のピエール・チェン氏やその家族らからの寄付金によって運営。西洋の近現代美術にくわえ、近年大きな注目を集める中国の近現代美術作品をあわせもつのが特徴で、外国の有名な美術専門誌でもここ2年間、世界トップ10にランクインするコレクションを誇る。
そんなヤゲオコレクションの一部が来日する本展。会場では、ミュージアム・ピース・クラスともいえる40作家76点の作品を展示。スーパーモデルのケイト・モスがとったヨガのポーズを立体作品にした、マーク・クインによる『ミニチュアのヴィーナス』(2008年)や、アンディ・ウォーホルが亡くなる前年に制作した自画像など、貴重な作品がずらり。
さらに、日本のアーティストでは、杉本博司がイエス・キリストやその弟子を模した蝋人形を撮影し、ニューヨークのグッゲンハイム美術館にもおなじ作品が収蔵されているという写真作品『最後の晩餐』も登場。このほかにも写真家アンドレアス・グルスキーがヴィクター&ロルフのファッションショーを撮影した幅5メートルにも及ぶ大作や、フランシス・ベーコンの連作など、多彩な作品が並べられる。また、コレクターの感覚を追体験することができる“ゲーム”なども用意されるなど、インタラクティブな仕掛けも繰り広げられるという。
日本ではなかなかお目にかかれない作品も数多く紹介される『現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展』。単純に名作を見るだけではなく、その“価値”とは何かを考える場ともなりそうだ。