ジャスパー・モリソンによる初の全プラスチック製キャンチレバーチェア| Vitra
DESIGN / INTERIOR
2021年4月11日

ジャスパー・モリソンによる初の全プラスチック製キャンチレバーチェア| Vitra

Vitra|ヴィトラ

プラスチックでスチールチューブの様な強度と柔軟性を実現

キャンチレバーチェアとは二本脚構造が特徴の椅子であり、家具デザインの歴史において一つの大きな発明ともいえる。後ろ脚の􏰁ない片持ち構造􏰁のこの椅子は、1926年に考案され、その後様々なデザイナーや建築家が試行錯誤を繰り返し開発に挑んだ。1967年、ヴィトラはプラスチック一体成型を可能にした「パントン チェア」の量産化に成功。そして今年、ついに全プラスチック素材のキャンチレバーチェアがヴィトラより発表される。

Text by WAKABAYASHI Satsuki

後ろ脚のない片持ち構造のこのキャンチレバーチェアは、1926年オランダのマルト・スタムの考案に始まり、ミース・ファン・デル・ローエとマルセル・ブロイヤーが確立したスチールチューブの弾力性を活かした椅子の新たな類型である。
その後も様々なデザイナーや建築家がキャンチレバーチェアを発表、1967年には、ヴァーナー・パントンによる世界初のプラスチック一体成型の椅子「パントン チェア」が量産化された。
そして2020年、ついにジャスパー・モリソンとヴィトラは、全プラスチック製のキャンチレバーチェア「エヴォック(EVO-C)」の開発に成功。最新の射出成形技術を駆使することで、プラスチックのみを用いスチールチューブに匹敵する強度と柔軟性を実現した。
継ぎ目のない一体構造を伝い、中空􏰁のチューブ状脚部によって荷重が支えられる仕組みだ。 これは様々なデザイナーが長い歴史の􏰁中で追い求めてきた全プラスチック製キャンチレバーチェアの夢の結晶といえる。
また、腰かける人に合わせて柔らかくカーブを描く座面は、人間工学に基づいた快適な座り心地を実現する。脚と座面や背もたれに異なる素材を組み合わせた従来のキャンチレバーチェアに対し、ひとつの素材で形成されるエヴォックは非常にシンプルで、製品としての高い完成度を感じさせてくれる。
さらに全プラスチック製ということは、複数の素材を組み合わせることなく単一素材のみで作られていることを意味し、再利用の分別にも配慮がなされていることも特徴だ。

エヴォック(EVO-C)


  • 価格|4万1800円
  • 素材|プラスチック
Vitra
Tel. 0120-924-725
www.vitra.com