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2022年12月19日
キャデラックの新しい時代の始まりを象徴する ピュアEV「リリック」に試乗|Cadillac
Cadillac Lyriq RWD|キャデラック リリックRWD
速くて、快適で、ぜいたくなピュアEVだった
2040年までにカーボンニュートラル化を実現するというゼネラルモーターズ。そのラグジュアリーブランド、キャデラック初となるBEV(バッテリーEV)で、2023年に日本導入予定の「リリック」にモータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗した。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by Cadillac
新開発のEVプラットフォームを採用
キャデラックがついに、という感じで、BEV「リリック」を北米で販売開始。すでに2022年5月からデリバリーが始まっていて、23年販売分まで売約済みだとか。たしかに、速くて、快適で、ぜいたく。内外装のデザインも新しく、ファンの気持ちを強く刺激してくれるではないか。
キャデラック リリックは、2020年4月にはショーモデルが公開され、21年の発売とされていた。あいにくのコロナ禍の影響で、予定が22年までズレこんでしまったそうだ。
私がリリックの実車に乗ることができたのは、22年7月のおわり。米国にキャデラックの親会社ゼネラルモーターズが所有する試験路での試乗だ。高速が出せる直線とカーブがあるだけでなく、北米を中心にさまざまな悪路が再現されている。ここで問題なければ、たいていの道で問題ない、と説明された。
リリックはファストバックスタイルのSUV。車体全長は5メートル近い。シルエットもユニークだし、LEDを多用したフロントマスクをはじめ、ディテールにも、ひと目で忘れないぐらいの個性がある。
大きくいうと、グレードは2つ。リアにモーターを1基搭載した後輪駆動の「RWD」がまず発売されて、23年に前にもモーターを載せた全輪駆動版が追加される。RWDは、100kWhという比較的大容量のバッテリー搭載で、最高出力は255kW、最大トルクは440Nm。AWDはさらに高性能、とキャデラックの開発者はしていた。
2040年までにカーボンニュートラル化を実現するというゼネラルモーターズでは、「アルティウム」と名づけたEVプラットフォームを開発。パウチ型の薄くて大容量のバッテリーセルを床下に敷き詰めるので、車両の重心高が下がり操縦性がよくなるのがメリットのひとつ。
もうひとつの利点は、モジュラー式なので、車種によって容量の調整が可能になることだ。リリックは12のモジュールを使用。参考までに書くと、1000psという超パワフルなGMCハマーEVは、同様のアルティウムでも24モジュールタイプを使う。