ジャガー新型XF、河を渡るパフォーマンスでデビュー|Jaguar
Jaguar XF|ジャガー XF
ジャガー新型XF、河を渡るパフォーマンスでデビュー
先日お伝えしたように、ジャガーは来週のニューヨーク オートショーでの正式発表を前に、ロンドンにおいて新型XFを公開した。その披露の場は、水上に張られた綱の上だ。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
海を渡る前に、河を渡る
3月24日の朝、ロンドンのビジネス街のひとつ、カナリー・ワーフに面するテムズ河に張られた、直径わずか34mmのワイヤーロープの上で、新型「XF」が公開された。これから何が起きるのかと通勤途中のビジネスマンたちが注目するなか、水上に登場したXFは、そのまま綱の上を240メートルも走行するパフォーマンスを披露。先代XFよりも190kgも減量したという、新型の軽さを視覚的にアピールした。
ニューヨークへ向けて海を渡る前に、水上を渡るというドラマティックな演出は、映画「007」や「ボーンシリーズ」、「インディー・ジョーンズ」でも活躍したベテランのイギリス人スタントパーソン、ジム・ダウドール氏の協力で実現した。
スタントに際し、同氏は「35年以上、ハリウッド映画のなかでジャガーを運転してきましたが、今回の挑戦は予測不可能なことが起こり得るということで大きな試みでした。風に揺れる34mmしかない綱の上を移動するので、とても正確なバランス、コントロールを必要とするチャレンジです」とコメントした。
新型XFはそのボディ構造の75パーセントにアルミニウムを採用。先代とくらべて190kg以上の軽量化を果たしつつも、捻り剛性を28パーセント向上させている。この軽くて高い剛性を誇るあたらしいアーキテクチャーを手に入れた新型XFは、全長を2,960mmと先代よりも7mmほど短くしつつ、ホイールベースは逆に51mm拡大。ホイールベースの長さは、とくに後席の膝まわりと頭上の空間にゆとりをもたらしている。
用意されるエンジンは、ディーゼルに最高出力163psを発生する2リッター直列4気筒から、最高出力300psと最大トルク700Nmを誇る3リッターV6ツインターボまで。ガソリンエンジンは、最高出力240psの2リッター直列4気筒から、最高出力380psを発揮する3リッターV6スーパーチャージドをラインナップする。トランスミッションはベーシックなモデルには6段MTと8段ATが、それ以外は8段ATのみが組み合わされる。
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ジャガー新型XF、河を渡るパフォーマンスでデビュー (2)
最新鋭のインフォテイメントシステム
サスペンションにはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにはインテグラル リンクを採用。標準で「アドバンスト パッシブダンパー」がおごられるが、状況に応じて好みの設定に変更できる「アダプティブ ダイナミクス コントロール」もオプションで装着ができる。これにくわえ、ダンパー、ステアリング、エンジン、オートマチックトランスミッションのそれぞれの特性を変更できる、「Fタイプ」譲りの「ジャガー コンフィギュアラブル ダイナミクス」も用意される。
駆動はFRを基本とするが、トルクオンデマンド型の4輪駆動(AWD)も地域により販売される。これには、FタイプのAWDで採用された「インテリジェント ドライブライン ダイナミクス(IDD)」を採用し、FR特有のスポーティなハンドリングとAWDがもたらす強いトラクションの両方の恩恵を得られるという。
前後重量配分はおよそ50:50。これは、機敏性、快適性、優雅さをすべてバランスよく実現できる値だとジャガーは説明する。
最新のインフォテイメントシステム「インコントロール タッチ プロ」も新型XFの特徴のひとつ。膨大なデータを処理するために、データの読み書きが速いSSD、高い演算能力をもつクアッドコアCPU、最新の超高速ネットワークをそなえる。
センターコンソールに備わる10.2インチのタッチスクリーンは、運転席側と助手席側でことなる内容を映し出す「デュアルビュー テクノロジー」を採用。1つの画面で、ドライバーにはナビゲーションを表示しつつ、助手席はTVやDVDを楽しむことを可能とする。
インストルメンタルパネルは、アナログメーターにかわりフラッグシップサルーン「XJ」や「レンジローバー」譲りの12.3インチフルTFT液晶となり、表示内容をカスタマイズすることもできる。また、最新のドライバー アシスタンス システムやジャガー初となるフルLEDヘッドライトも用意される。
新型XFはFタイプやXJとおなじく、ジャガー・ランドローバーのキャッスル・ブロムウィッチ工場で生産される予定だ。詳細なスペックやラインナップについては、4月1日のニューヨークオートショーで公開される。