ミニバンの可能性を提案するPHVコンセプト「ヴィジョンe」|Mercedes-Benz
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2015年3月10日

ミニバンの可能性を提案するPHVコンセプト「ヴィジョンe」|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz concept V-ision e|メルセデス・ベンツ コンセプト ヴィジョン e

プラグイン ハイブリッドのVクラスがベース

メルセデス・ベンツが提案するミニバンの可能性

メルセデス・ベンツは、新型「Vクラス」をベースに、プラグインハイブリッドや特別な内外装などをほどこし、ミニバンの可能性を探る「コンセプト ヴィジョン e」をジュネーブモーターショーで披露した。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

高い動力性能のPHVミニバン

ジュネーブモーターショーでメルセデス・ベンツが披露した「コンセプト ヴィジョン e」は、見かけこそ昨年5月に発表したミニバン、新型「Vクラス」だが、その内外装やパワートレーンにさまざまな新機軸を盛り込み、ミニバンの可能性を見出すショーカーだ。

パワートレーンには、新型Cクラスに追加されたプラグイン ハイブリッド モデル「C 350 e」とおなじものを採用。最高出力155kW(210ps)と最大トルク350Nmを発揮する直列4気筒ガソリンエンジンに、出力90kW、トルク340Nmを発生する電気モーターを組み合わせ、システムトータルでは最高出力245kW(333ps)、最大トルク600Nmを誇る。

その結果、静止状態から6.1秒で100km/hに至る加速性能と、最高速度206km/hという運動性能のいっぽうで、3.0ℓ/100km(およそ33.3km/ℓ)という省燃費性と71g/kmという低CO2排出量を実現した。

Mercedes-Benz concept V-ision e|メルセデス・ベンツ コンセプト ヴィジョン e

Mercedes-Benz concept V-ision e|メルセデス・ベンツ コンセプト ヴィジョン e

モーター用のパワーソースには容量13.5kWhのリチウムイオン バッテリーを搭載。満充電であれば、最長50kmの距離を電気自動車として走行可能で、この航続距離があれば通勤や買い物など日常利用のほとんどをカバーできるとメルセデスでは説明する。

通常、モーターとエンジンの利用判断はコンピューターがもっとも最適なものを選んで選択されるが、ドライバーがスイッチで「ハイブリッド」、モーターのみの「Eモード」、のちのEV走行を考慮してモーター利用を控える「Eセーブ」および充電優先の「Eチャージ」を指定することも可能となっている。

Mercedes-Benz concept V-ision e|メルセデス・ベンツ コンセプト ヴィジョン e

プラグイン ハイブリッドのVクラスがベース

メルセデス・ベンツが提案するミニバンの可能性 (2)

Sクラス譲りのエグゼクティブシート

ボディカラーにデジーノ プログラムによる特別なカラー「チタニウム アルビーム」をまとったコンセプト ヴィジョンeは、スポーティなサイドスカート、バンパー、リアスポイラーを装着。さらに足元は20インチの高輝度ポリッシュ仕上げのマルチスポークホイールがほどこされ、アグレッシブな外観に仕上げられている。

陽光をいっぱいにとりこむロフトをイメージしたというインテリアは、天窓のかわりに、1.92×1.12メートルの巨大なパノラミック スライディング サンルーフを天井いっぱいに設置。前後で2分割されているこの広大なガラスは、「SL クラス」や「S クラス」でも採用されている電圧で透明度を変更可能なマジック スカイ コントロールを装備し、ボタンひとつで遮光することもできる。

ロフトらしさを演出するため、床材には濃い色のイングリッシュ ウォールナットの素材がもちいられ、ナッパレザーとダイナミカ マイクロファイバー素材によるベージュのシートとは落ち着いたコントラストを成している。

Mercedes-Benz concept V-ision e|メルセデス・ベンツ コンセプト ヴィジョン e

Mercedes-Benz concept V-ision e|メルセデス・ベンツ コンセプト ヴィジョン e

3列目を廃した後席にはSクラス譲りのエクスクルーシブ シートを設置。このシートは、最大49度までのリクライニングが可能で、ふくらはぎサポート、別体となったフットレスト、追加のヘッドレスト、3段階のシートヒーターにベンチレーション、さらにオプションでマッサージ機能までそなえ、ミニバンならではの広大な空間を活かした究極のコンフォート空間を生み出すと謳う。

また、くつろぎだけでなく、快適な移動オフィスとしての提案も盛り込まれている。フロントシート裏側には、ナッパレザーで仕上げられた35×35cmの広い折り畳みデスクを備え、さらに90度回転可能なUSB充電ケーブル付のiPadホルダーも格納されている。

運転席と助手席のあいだにあるセンターコンソールには、上面に温冷機能付のカップホルダー、ストレージボックス内にUSBポート、SDカードスロットをそなえる。また容量5リッターのクーラーボックス、220Vと12Vの電源ソケットも用意されている。

メルセデス・ベンツでは、このコンセプト ヴィジョン eを通じて、Vクラスを商用バンから発展したピープル ムーバーとして留めることなく、カスタマイズをすることで生まれる無限の可能性をユーザーに提案したいという。今回盛り込まれた、運動性能と低環境負荷を両立するプラグインハイブリッドや、スポーティな外観、そして「Sクラス」譲りのラグジュアリーな内装はあくまでもひとつの提案例であるということだ。

           
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