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2020年12月24日
ビッグマイナーチェンジを受けた新型アウディA4に試乗|Audi
Audi A4|アウディ A4
なにはともあれ、いちど試してみることを勧めたい
ビッグマイナーチェンジを受け、日本でも2020年10月に発売された新型アウディA4。2リッターガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステムを搭載したFFモデル「A4 35TFSI」に試乗した。
Text by OGAWA Fumio
Photographs by KAWANO Atsuki
ひとつ上のクルマになったようにすら思える
アウディA4がビッグマイナーチェンジを受け、2020年10月7日に発売された。エクステリアデザインが大きく変わったことと、マイルドハイブリッドシステムが採用されたことが、特筆すべき点。
A4 35 TFSIに乗ったところ、従来のイメージを覆されるほど、いい出来なのだ。上質なセダンを探している人は、なにはともあれ、いちど試してみることを勧めたい。
A4 35TFSIは、1984cc4気筒ターボエンジンに前輪駆動システムの組み合わせ。最高出力は110kW(150ps)で、最大トルクは270Nmだ。従来は1.4リッターだったので、エンジン排気量が、大きく変わった点だ。
これまでA4 35TFSIに搭載されていた1.4リッターターボエンジンの最高出力は今回の2リッターと同じ110kW。最大トルクは250Nmとやや低い。なぜ変更したのか。「MHEV(マイルドハイブリッドをアウディではこのように表現)化されたのが2リッターだったから」とアウディジャパン広報部では説明してくれた。
マイルドハイブリッドシステムは、小型モーターと小ぶりのバッテリーを使う。発進時などにトルクをおぎなうのがモーターの役割。ガソリンエンジンなどのいわゆる内燃機関は、ある程度エンジン回転が上がらなくては、充分なトルクが出ない。
その特性の、瞬時に最大トルクを発生するモーターでカバーするのが、このマイルドハイブリッド。フルハイブリッドとの違いは、発進時や加速時などに限ってモーターが動くところだ。
はたして、A4では、その恩恵をたっぷり味わえる。まことに気持よくクルマは発進するのだ。60Nmのトルクを出す電気モーターがごく低回転域で作動するためだ。アクセルペダルを強く踏み込まなくても、軽々とクルマが動くのは気持がよい。
新しくなったA4のよさはそれだけでない。操縦感覚がうんと向上したのだ。つまり、端的にいって、走らせてじつに楽しい。サスペンションシステムと、ボディの剛性などが見直されたためだといい、ステアリングホイールをすっと切ると、クルマがすっと曲がってくれる。一体感があるので、自然に心地よく操縦ができる。
ステアリングホイールは、操舵力が少し重めの設定で、高速走行時などは安定感があり、これはドライバーにとって安心感につながる。スポーツサスペンションが標準装備というものの、硬すぎず、しなやかといってもいい快適な乗り心地が味わえる。
操舵感と足まわりの動きと、それに静粛性が高く振動吸収にも優れたボディのおかげで、ドライバーが感じるA4の質感はうんと上がった感じだ。ひとつ上のクルマになったようにすら思える。よく動いて、車体の動きをうまくバランスさせてくれるサスペンションを経験していると、セダンってやっぱりいいなあと、改めて思えるほどだ。