フォーカスがマイナーチェンジ|Ford
Ford Focus|フォード フォーカス
世界で一番売れているCセグメントハッチ
フォード フォーカスがマイナーチェンジ
フォードは、世界でもっとも販売台数の多いCセグメントのハッチバックモデル「フォーカス」のマイナーチェンジを実施。2014年後半から2015年モデルとして発売すると発表した。注目は、すでにグローバルモデルとして日本にも導入されている「フィエスタ」同様に、印象的なフロントグリルを採用したあたらしいルックスと、数々の賞に輝いている「1.0リットル エコブーストエンジン」を搭載している点だ。
Text by SAKURAI Kenichi
フィエスタ顔をインストール
フォードは、Cセグメントのコンパクトカー「フォーカス」にマイナーチェンジを実施。2014年後半に2015年モデルとして市場投入する。この新型モデルは、すでにスペインのバルセロナで開催されたIT関連の展示会「モバイル ワールド コングレス」で公開され現地でも話題を呼んでいるが、車両の詳細は、来週開幕するジュネーブ モーターショーの会場で発表されるとみられている。
あたらしい「フォーカス」は、キネティックデザインを進化させた「グローバル デザインDNA」を採用し、フロントフェイスを中心にリニューアルをおこなった。切れ長のヘッドライトと存在感を主張するフロントグリルは、「フィエスタ」でおこなったデザイン手法と同一で、モダンなフォード車の関連を印象づける。細かく見ると、このフェイスリフトに伴って、ボンネットやテールライト回りなどにも手が入れられており、一層スポーティなイメージをもたらしているといえそうだ。
北米に導入されるセダンバージョンは、このフロントフェイスの変更に合わせ、トランクリッド形状も変更を受けているという。フォードでは着々とこのあたらしいフロントフェイスへの移行を進めており、日本には未導入だが、D-Eセグメントをカバーするセダン「フュージョン」や、フォーカスのMPVモデルといえる「C-MAX」を含め、未発売のマスタングを除く北米乗用車系モデルは、「フィエスタ」から「トーラス」までの「グローバル デザインDNA」フェイス化が完了した。
インテリアでは、サテンクロームの加飾や、シートトリム、スイッチ形状の変更をおこなっている。調節可能なカップホルダーを組み込んだあたらしいセンターコンソールなども採用し、実用性の向上も果たした。また、ダッシュボード上のスイッチの数を減らし、より直感的な操作ができるように細かなデザインの見直しもおこなっているという。
Ford Focus|フォード フォーカス
世界で一番売れているCセグメントハッチ
フォード フォーカスがマイナーチェンジ
日本への導入も期待される「1.0リットル エコブースト」エンジン
もっとも注目されるのは、「1.0リットル エコブースト」エンジンの拡大採用だろう。1.0リットル エコブーストエンジンは、2012年と2013年の2年連続で「インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー」を受賞するなど、世界的にも評価が高いエンジンで、優れた燃費性能と、とてもわずか1リッターの排気量しかないとは思えないほどパワフルな走りを両立させている。
すでに1.0リットル エコブーストエンジンが投入されている欧州市場では、現行モデルのフォーカスの32パーセントとフィエスタの26パーセントがこのエンジンの搭載車である。ディーゼルが人気のマーケットであることを考えれば、このシェアはなかなかに高いといえそうだ。
また、エクステリアやインテリアデザイン、パワートレインのバリエーション拡大にくわえて、サスペンションやシャシーも同時にアップグレードされている。主な変更点は、インテリア静粛性の向上や、ESPのプログラムシステムのバージョンアップ、より路面追従性を高めたリアサスペンションへの変更(新設計されたショックアブソーバーバルブの採用)などで、定評ある走りの良さをさらに実感できそうだ。
フォードではドイツのケルン工場で製造する1.0リットル エコブーストエンジンの生産量を、1日あたり1000基まで拡大するとしているが、世界規模の需要にどこまで対応できるかが注目される。
ちなみに日本導入モデルは、2012年にオープンした最新設備を持つタイのラヨーン工場で生産されている。フェイスリフトをおこなった新型フォーカスの導入は、1.0リットル エコブーストエンジンの搭載とともに未定とされているが、いち早い導入を期待したい。