グローバルモデルの切り札「フィエスタ」を国内導入|Ford
Ford Fiesta|フォード フィエスタ
グローバルモデルの切り札を国内導入
フォード・ジャパンは、Bセグメントのエントリー コンパクトカー「フィエスタ 1.0 エコブースト」を2月1日から発売すると発表した。導入されるモデルは前述の1グレードで、価格は229万円。前代モデルの販売が日本で終了してから、フォードとしては約7年ぶりとなるBセグメントモデルの導入である。
Text by SAKURAI Kenichi
Event Photographs By AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
約7年ぶりとなるBセグメントカー
フォード・ジャパンが導入する、コンパクトカー「フィエスタ 1.0 エコブースト」は、フォードが近年推し進めている『One Ford』戦略のもとで開発されたグローバル プロダクトで、昨年導入された「フォーカス」や「クーガ」につづくモデルだ。現行モデルが発表されたのは、2012年のパリ モーターショー。日本で販売される車両の生産は、ドイツのケルン工場がおこなう。
1976年に欧州で初代モデルがデビューしていらい、フィエスタは累計販売台数が1,500万台を超えている、フォードの屋台骨を支える重要なモデル。世界140カ国以上で販売されており、2012年の販売台数は72万3,130台を記録。Bセグメントの販売台数ナンバー1モデルに輝いているという。これは車名別売り上げでも6位となるセールスで、いかに高い人気を誇っているのかが理解できる。ちなみに車名別売り上げの1位は、おなじフォードの「フォーカス」(2012年データ)。日本市場にも全世界で人気の高い2モデルがやっと揃ったことになる。
導入にあたり発表会場でフォード・ジャパンの森田俊生代表取締役社長兼最高経営責任者は、「日本のマーケットにおいて、フォードは4年連続の前年実績越えを果たし、2014年もフィエスタの導入でその勢いのままユーザーに上質なクルマとサービスをお届けしたいとおもっています。その一環として、2010年から昨年までに2モデルを市場に新規投入し、3モデルの新型車を導入しました。フィエスタの導入によって計6モデル(フィエスタ、フォーカス、クーガ、マスタング、エクスプローラー、リンカーン MKX、リンカーン ナビゲーター)のラインナップが完成し、お客様にさまざまなセグメントからコンパクトカーやスポーツカー、SUVを選んでいただくことができるようになりました」と抱負を語った。
販売ラインナップの充実だけでなく、フォードはディーラーネットワークの拡充も行っている。2010年から2013年までのあいだに、あらたに7店舗をオープンさせたほか、さらにこの1月には、大阪に新規ディーラーを開設、ユーザーサービスや顧客満足度の向上にもちからをいれている。
Ford Fiesta|フォード フィエスタ
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「フィエスタ」の詳細発表前にサプライズ
つづいて森田俊生代表取締役社長兼最高経営責任者は、「1.0リッター エコブーストエンジンは、2012年と2013年の2年連続で『インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー』を受賞するなど、世界的な評価も高いエンジンです」と、パワーユニットを紹介した。
日本に導入されるフィエスタ 1.0 エコブーストが搭載するエンジンは、その車名からもわかるように総排気量997ccという、フォードのガソリンエンジン ラインアップのなかでももっともも小さな3気筒ターボエンジンである。直噴ターボ技術やTi-VCT(吸排気独立可変バルブタイミング機構)、6段DCT(デュアルクラッチ トランスミッション)の「6速パワーシフト」などを組み合わせ、優れた燃費性能と動力性能を両立させるという。
そして、そのまま車両の詳細説明に移るかとおもいきや、ここでサプライズ発表が。
何の予告もなく、森田俊生代表取締役社長兼最高経営責任者は、「今回の『フィエスタ』につづき、2014年後半に新型『エコスポーツ』を導入します」とスピーチをつづけたのだ。しかもたんなる画像や映像などの発表であれば、よくある話だとかたづけられるが、フォードはプレプロダクションモデルながら、実車を発表会場に持ち込み別室に展示。これはビッグサプライズ以外のなにものでもない。会場に集まったプレス関係者からも、一瞬どよめきが起こった。
Bセグメントのクロスオーバー、「エコスポーツ」
2014年後半に日本導入されるこのエコスポーツは、フィエスタとおなじプラットフォームを使用するコンパクトなクロスオーバーで、現行モデルは2代目。初代モデルは、中南米専売車種として誕生し、ブラジルのカマサリ工場で生産されていた。
2代目に移行するにあたって、フォードはエコスポーツを「One Ford」のグローバル戦略車として位置づけ、一昨年に欧州導入を発表。インド工場で生産したモデルを、2013年末から販売している。今回の発表はそれらにつづくグローバル戦略の一環であり、そしてこのサプライズ演出には、日本に導入するエコスポーツへの高い期待感と自信があらわれているといってもよいだろう。
現状では、搭載エンジンやくわしいスペックなどは未発表。ただし、会場に展示されていた車両が右ハンドルモデルであることから、エントリー クロスオーバーとして市場ニーズに合わせた右ハンドルでの導入が予定されているといえそうだ。
フィエスタとおなじ「グローバル デザインDNA」をもちいたエクステリアからは、アクティブなイメージを感じとることがでた。リアハッチにそなわるスペアタイヤや、フィエスタよりも外形の大きなサイズのタイヤを採用し、タフなイメージを演出することも忘れていない。
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エンジンだけではないフィエスタの魅力
いっぽう、今回の発表の主役であるフィエスタは、わずか1リッターの排気量ながら74kW(100ps)の最高出力と、170Nm(17.3kgm)の最大トルクを発生するパフォーマンス、そしてJC08モードでリッターあたり17.7kmを実現した燃費性能など、エコブーストエンジンにばかり注目してしまうが、これまでの「キネティック デザイン」をさらに進化させた、フォードの新世代を象徴する「グローバル デザインDNA」がもたらすスポーティなルックスや、個性的で質感の高いインテリアなど、見どころは多い。
とくにインテリアは、凹凸のあるダッシュボードに、各種操作系を効果的に配置。自然な操作が可能となる、人間工学を追究したデザインを採用している。さらに、デジタル オーディオ プレーヤーや携帯電話をBluetoothで接続し、音声(英語)での操作を可能とした「SYNC」も採用。8スピーカーオーディオや、クルーズコントロール、オートエアコンなど、クラスを感じさせない装備を標準採用している。
さらに、前方衝突のリスクを回避する低速時自動ブレーキシステム「アクティブ シティ ストップ」やSRSニーエアバッグをふくめた7つのエアバッグを搭載したほか、フォーカスにも採用されている車両安定化テクノロジー「アドバンストラック」や坂道発進を補助する「ヒルスタート アシスト」、「リアビューカメラ」など、ドライバーをサポートする装備も標準装備。エントリー コンパクトクラスであっても一切の手抜きはない。
ちなみにこの新型フィエスタ、2013年の世界の女性ジャーナリストが選ぶイヤーカー「ウーマンズ ワールド カー オブ ザ イヤー(WWCOTY)」の栄誉に輝いている。フォード フィエスタ 1.0 エコブーストが、日本の女性ユーザーたちにどのような印象をもたれるのかにも注目したい。
Ford Fiesta 1.0 EcoBoost│フォード フィエスタ 1.0 エコブースト
ボディサイズ│全長 3,995 × 全幅 1,720 × 全高 1,475 mm
ホイールベース│2,490 mm
トレッド 前/後│1,470 / 1,460 mm
車両重量|1,160 kg
エンジン│997 cc 直列3気筒DOHC インタークーラー付ターボ
最高出力│74(100 ps)/6,000 rpm
最大トルク│170 Nm(17.3 kgm)/1,400-4,000 rpm
トランスミッション│6段デュアルクラッチ(6速パワーシフト)
駆動方式│FF
タイヤ│195/45R16
ブレーキ前│ベンチレーテッド ディスク
ブレーキ後│ドラム
サスペンション 前|マクファーソンストラット
サスペンション 後|ツイストビームトレーリングアーム
燃費(JC08モード)│17.7 km/ℓ
最低地上高│165 mm
最小回転半径│5.0 m
価格│229万円
フォードお客様相談室
0120-125-175