フィアット500eに試乗──アイコニックなデザインを受け継いだフィアット初のBEVの走りとは?|FIAT
CAR / IMPRESSION
2022年6月8日

フィアット500eに試乗──アイコニックなデザインを受け継いだフィアット初のBEVの走りとは?|FIAT

FIAT 500e|フィアット チンクエチェントe

電動化で高級感が増した最新のチンクエチェントに試乗

フィアット初の純電気自動車(BEV)として2022年6月25日発売される「500e」。愛らしいデザインはそのままだが、中身はいかに進化したのか? その走りをリポートする。

Text & Photographs by HARA Akira

イメージは変わらずとも、ちょっと高級になった内外装

ただでさえ愛らしくて人気抜群のチンクエチェントが、ついにフル電動化された。その名も500e(チンクエチェントイー)。とっても分かりやすい。
500eの見た目は従来のエンジンモデルとあまり変わっていないように見えるけれども、実はその96%が新設計というから、ほぼフルモデルチェンジと言えるもの。
ボディサイズは全長3,630×全幅1,685×全高1,530mm、ホイールベースは2,320mmで、先代より60mm長く、60mm広く、15mm高く、ホイールベースも20mm長くなった。
フロントノーズに付いていたFIATマークは、新型では大きな「500」の数字のロゴとなり、ヘッドライトは円形から、ボンネットの水平ラインで上下に2分割したLED仕様になっている。その上半分が眉毛、ヘッドライトが目、500の部分が鼻、サイドの丸いポジションライトがエクボ、その下に広がるエアインテークが口、という人の顔のようで、その表情は完全に“笑顔”に見えるのだ。
ボディサイドのピラー部とリアエンドに描かれた500の数字は、最後の0がeと一体化したロゴになっていて、さすがイタリアンらしい意匠になっている。17インチに拡大されたアルミホイールは、センターに500のロゴが配されたダイヤモンドカットデザインで、ラグジュアリー感アップに貢献している。
一方のインテリアは、従来型では2代目Nueva(ヌォーヴァ)500のイメージを継承した円が連続したデザインになっていて、ちょっとチープでかつおしゃれなイメージが好評だったのだが、今回の500eでは大きく変更された。というのは、電動化によって500万円近い高級車になったので、それに見合うような出来栄えになったことに気がつくのだ。
具体的には、7インチと10.25インチの見やすい2画面のフルカラーデジタルディプレイだけでなく、短冊切りのレザーを編み込んだ“イントレチャータ”を取り入れたシックなインストルメントパネルとその造形、FIATロゴのモノグラムが連続して描かれたレザー製のシート(サイズも従来型より大きくなった)、レザーフリーの上質な手触りのステアリングホイールリムなど、多くのパーツに見てとれる。
また、従来型にあったダッシュボードセンターのシフトノブはなくなって、同じ位置に配置されたのが「P」「R」「N」「D」のスイッチ式シフト。まさに電動車らしさを強調するところだ。電動車らしいといえば、左右2枚のドアの開閉は電動ボタン式になっていて、内側のドアノブをのぞき込んだときに見えるその底面には、「MADE IN TRINO」の文字とNueva500のイラストが描かれるという、粋な演出がなされている。
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