フォードの1リッターエコブーストが快挙|Ford
Ford Focus 1.0-litre EcoBoost|フォード フォーカス 1.0リットル エコブースト
1リッター3気筒のハイテクエンジン
100g/km以下のCO2排出量を達成
「フォード フォーカス 1.0リットル エコブースト」が、CO2排出量100g/kmの壁を破った記念すべき欧州初のガソリンモデルとして登場した。
Text by SAKURAI Kenichi
EcoBoostの可能性をしらしめるポテンシャル
ガソリンエンジン搭載車にとって、CO2排出量の100g/kmという数値は、ひとつの大きな壁として各メーカーに立ちはだかっていた。それを打破した記念すべき最初のモデルが、フォード フォーカス 1.0リットル エコブーストである。
あたらしくフォーカスに搭載された排気量1リッターの3気筒、EcoBoostエンジンは、100psの十分なパワーと環境性能を両立させたハイテクの塊だ。よく言われるように、パワーを出すのは、排気量アップや過給器を組みあわせることによって比較的簡単におこなえるが、燃費向上やCO2排出量削減は、さまざまなハイテク技術の複雑な組みあわせによって成り立つものだ。
フォーカス 1.0リットル エコブーストでは、軽量化や転がり抵抗の少ないタイヤ、計算された空力特性を持つボディデザイン、そして適正なギアリングへの変更を含むトランスミッションの採用など、フォードが持つさまざまなECOnetic(エコネティック)テクノロジーを駆使しているという。
例えば、「オートスタート/ストップ機構」や「スマート回生充電システム」のほか、「アクティブ グリルシャッター」や、より経済的で環境にやさしい運転を葉っぱの枚数で表示しサポートする「フォードEcoMode」などが、ECOneticテクノロジーの一例にあげられる。
こうしてもたらされたのが99g/kmのCO2排出量で、これは同時に前述のとおり欧州でCO2排出量100g/kmを切った最初の量産ガソリンモデルという名誉もフォーカスに与えることになった。
フォーカス 1.0リットル エコブーストの燃費は4.3ℓ/100km(67.5 mpg)で、もちろんクラストップの低燃費を実現している。日本風にいうなら、リッターあたり23.2km走行可能ということだ。
なお、このエンジンは低燃費やCO2排出量削減にくわえ、税制上のメリットをもたらし、英国では新車購入時の車両物品税が免除され、フランスでは新車登録税から200ユーロが割引かれる。
フォード フォーカス 1.0リットル エコブーストの欧州における発売は来年早々を予定しているが、同時に1.0リットル エコブースト エンジンは、コンパクトSUVのエコスポーツ、「トランジットコネクト」や「トランジットクーリエ」といった商用車にも拡大採用するほか、Dセグメントセダンの新型「モンデオ」にも搭載予定。エンジンのダウンサイジング化が、本格的なムーブメントであることを証明している。