フォード フォーカス・スポーツ 長期レポート 第3回|Ford
Ford Focus Sport|フォード フォーカス・スポーツ
第3回 女性からみたフォーカスの魅力とは
OPENERS編集部の長期レポート第5号車として日々順調にマイレージを伸ばす「フォード フォーカス」に、「ミッドナイト スカイ」という限定55台の特別仕様車が登場している。その装備や、限定車ならではのシックでスポーティなボディカラーを横目で(少しうらやましいと)見ながらも、乗るたびにますます気に入り愛着のわくOPENERS号。しかし、この愛機フォーカス、他人の目にはどう映るのか。今回はそんなレポートをお届けしようとおもう。
Text by SAKURAI Kenichi
Photographs by TSUKAHARA Takaaki
取材協力=エストネーション 六本木店
走りの良さで男性は支持、では女性は?
ある日編集部員Aが、何の前触れもなく「われわれがハンドリングやドライビングフィール、使い勝手の良さでベスト・イン・クラスだとおもっている『フォーカス』ですが、実は女子受けはどうなのでしょう?」と聞いてきた。
われわれクルマ取材チームと年中行動をともにする広告部のS女史は、「フォーカス? それはもうスタイリッシュで個性的だし、都内で使うのにちょうど良いサイズ感がいいですよね。あと、見た目のボディサイズの割に結構荷物が積めるので、取材先の撮影用貸出アイテムや機材などがたっぷり入って、かなり便利。すごくお世話になっています。さらにこれで、編集部Aの運転がうまければ言うことなし(笑)」といっていたので、女性にもフォーカスはかなりの高評価を得ているという感触はあるのだが、それはいわば身内の評価でしかない。
そうした例を出し、社内女子の評価も上々であるという話を編集部員Aにすると、「いや、もっと年齢層がフォーカスのユーザーに近そうな20代後半から30代の意見が聞きたいですよね」と、暗に広告部S女史が……と、この先はまったくの余談なので割愛する(笑)。
実は、話はまだまだ続いたのだが、自主公演の小芝居のようになってしまうので、短く要点を説明すると、編集部Aとしては、男子目線の評価だけでなく、世間のいわゆる一般女性ユーザー層のウケを知りたいということのようだ。「世間の女性に(フォーカスが)どう映るかを知りたいので、実際にサンプルとして誰かのコメントもらいましょう」という提案を断る理由はない。
ただし、問題は誰に聞くか、というその1点である。しかし、どうやらそれにはもうすでにアタリが付いているようで、編集部Aは無駄に自信満々の様子。過去の経験からいうと、彼が自信ありげに振る舞う場合は、だいたい企画倒れに終わることが多い。よって、こちらとしては期待せずに来週に予定されている取材に臨むことにする。
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第3回 女性からみたフォーカスの魅力とは (2)
個性的でコンパクトなサイズがいい
雲行きが怪しく、いまに降り出しそうな雨。待ち合わせの場所は、都内港区某所。今日の行く末を暗示しているかのようで不安だ。しかし、果たして待ち合わせの場所現れたのは、すらりとした妙齢の女性。編集部A、かなり見直したぞ。けれども本当は、ここぞとばかりに撮影用にモデルを起用したのでは、という疑念がぬぐいされない。
自己紹介がてら彼女のプロフィールを聞くと、実は編集部H(女子)の友人石井さんで、都内でまつげエクステ・ネイルサロンを経営しているのだという。何店舗か展開しているネイルサロンを回ることもあって、彼女は普段の通勤もクルマ。
最近、あたらしいクルマに乗り換えたいとおもっていたところ、編集部のフォーカスに目が止まり、一度乗ってみたいと友人の編集部Hに相談していたのだという。どおりで、まさに望んでいたキャスティング。彼が自信満々だったのも頷ける。しかし、あまりにも美人過ぎて、プロのモデルが来たのかとおもったぞ。
「子供が出来た時に、クルマの免許を取ったんです。小さいうちは、ベビーカーや何かと荷物が増えるので。そうしたら、クルマに乗るのが楽しくなって、いまでは毎日乗ります。都内の移動が多いですから、コンパクトで停めやすく、実用的というのがまずは大事で。でも、オシャレじゃないのはちょっと。で、編集部にあったフォードのあたらしいクルマに目がとまったんです。ハッチバックも便利そうですし」
だから荷物の積みおろしや、容量も気になるのだ。男性取材陣は、なぜか別のキーワードが気になり、気づくと一斉に絶望感が広がる空気に包まれたが、ここは気を取り直してフォーカスの印象を聞こう。
フォーカスのサイズは確かに、都内で動きやすいCセグメントボディ。ライバル車に比べ、少しボリューミーに見えるが、それはデザインのマジック。フォルクスワーゲン「ゴルフ」と比較すると、ゴルフが全長4,265×全幅1,800×全高1,460mmなのに対して、フォーカスは、全長4,370×全幅1,810×全高1,480mmと、全長が100mm程度長いだけだ。これはほぼバンパー分と考えていい。
しかし、彼女の目にとまったということは、フォーカスのエクステリアデザインは高評価ということだろうか。
「人とカブる(同じになる)のがイヤので、みんなが選びそうな無難なデザインには興味ありません。でも変わっていれば良いというものでもないですし。昔はギラギラした、人に見られるようなデザインのクルマが好きだったんですけど、いまは落ち着いてきたので、ちょっと主張があるデザインが(フォーカス)はちょうど良いですよね。女性にも似合うデザインだとおもいませんか?」
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第3回 女性からみたフォーカスの魅力とは (3)
ワインレッドは旬なボディカラー
OPENERSの長期テスト第5号車フォーカスは、キャンディレッドというワインレッド系のボディカラー。そのほかフォーカスには、ウイニング ブルー、マスタード オリーブ、フローズン ホワイト、インゴット シルバー、そして精悍なパンサー ブラックがあり、全部で6色のボディカラーバリエーションをラインナップする。
「ワインレッド(キャンディレッド)って、オシャレですよね。とても、いまっぽい色調の赤だとおもいます。気軽に乗れるけど、上品な赤というイメージです。真っ赤はちょっと昔はやった……という印象なので、ワインレッド系は大人の色という感じが素敵。実は、最初この色がいいな、とおもって、友達の(編集部)Hさんに『どんなクルマなのか見たいんだけど』って聞いたんです。でもイメージどおりで良かった」
メインがファブリックで、サイドサポートや座面と背もたれの一部をレザー仕様にしたコンビネーションデザインのシートを採用するフォーカスのインテリアはどうだろう。
「いま一番驚いているのは、車内が広いことです。4人乗ってこの余裕ですね。後ろの席でも(横や後ろからの)圧迫感が少なくてかなり快適ですね。シートは……ごめんなさい、ちょっと色合いが地味かな。ここは男性ぽいっていう感じがします。いまの(愛車)が明るい内装なので、特にそうおもうのかもしれませんが。でも、シートはソフトで、座り心地がいいのに、体にピッタリフィットしていますね。(外観以上に)中も結構個性的で、こんな(ダッシュボードの)立体感、ほかにはないですよね」
残念ながらデートではないので、カメラマン他で計4名で移動。せっかくなので彼女にフォーカスのステアリングを握ってもらった。雨が降り出してきたのでワイパーを作動させると、左右からウィンドウ中央に向けて動くワイパーに「あ、ちょっと変わってて、オシャレ」と彼女。
言われてみれば、同一方向に動くワイパーを採用するクルマが多い中、フォーカスのワイパーは個性的だ。しかしこれは、オシャレさを狙ったのではなく、このほうがウィンドウの払拭面積が広いからである。実用性ゆえの機能なのだ。しかし、これをオシャレといわれて悪い気がしないのが、フォーカスの担当チームである。
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第3回 女性からみたフォーカスの魅力とは (4)
気取っていないけど、実はオシャレ
今回の目的地は、六本木ヒルズにあるモダンなライフスタイルの情報発信基地、スペシャリティストアの「エストネーション」だ。ネイルサロンを経営し美へ追求にもこだわりがある彼女は、お気に入りのオーガニックコスメと、彼へのダッフルコートをショッピング予定。しばし、店内の最新モードを楽しんだところで、彼女はどうやらお気に入りの靴を見つけたよう。試しているところにお邪魔し、フォーカスのステアリングを握った印象を聞いてみた。
「ブレーキも、アクセルもしっかりしていて、おもった以上に運転しやすかったです。実は見た目よりもコンパクト(な感覚)で、さっき停めるときも、初めてのクルマなのにスッと停められました。これなら混雑した都内の道も、スイスイ行けそうですよね。きびきびした(ドライバーの動きへの)反応とか、(操作への忠実な)動きは、さっき乗っただけでも分かりましたし。でもブレーキはすぐに効いて、ちょっと『おっ!』っておもっちゃいました(笑)」
特に、アクセルを踏んだときに瞬時に沸き上がるトルクが、走りやすいと感じるもっとも大きな理由だろう。ドライバーの感覚にリニアなレスポンスが、運転しやすいとおもわせてくれるのである。ここにタイムラグが生じてしまうと、ダイレクト感が阻害され、運転しづらいクルマというレッテルが貼られてしまう。
住所|東京都港区六本木6-10-2
六本木ヒルズ ヒルサイド けやき坂コンプレックス1F・2F
TEL|03-5159-7800 (コールセンター受付時間 | 11:00~21:00)
営業時間|11:00-21:00
「エストネーションがクリスマスムービーを公開中」
クリスマスイブにまつわるショートムービー「X MAS SHARED LOVE」を公式ホームページで公開中。クリスマスイブの夜、東京に48年ぶりの雪が舞い降りるという設定で、俳優のキム・ジェウクがスーパー・フォトグラファーのJay(ジェイ)、モデルの黒田エイミがミステリアスな魅力のトップモデル役を熱演し、ラブストーリーを展開している。12月23日からクリスマスイブまでの期間、2人の駆け引きとも取れる恋模様を描き、大切な人にクリスマスプレゼントを選ぶ幸せを伝えるストーリーに仕上がっている。
http://www.estnation.co.jp/topics/201311/xsl.html
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第3回 女性からみたフォーカスの魅力とは (5)
やはりハッチバックの利便性は高い
エストネーションを出るときには、彼女の手に大きめのショッピングバッグが2つ増えていた。何を購入したか……は、ご想像にお任せするが、すでにカメラ機材の入っているラゲッジスペースに、そのショッピングバッグは、するりと2個並んで収まってしまった。「やっぱり、結構たくさん(荷物が)入るんですね。これは(日常でも)絶対便利ですよ」とは、彼女のコメントだ。
「いまのクルマがトランクタイプ(ノッチバック)なので、ゲートが上まで開く(ハッチバック)は便利です。最初開くときに少し重いけど、(いったん上にあげれば)すぐにススーッと開いてくれるので、問題なしです。(開口部が)広いので出し入れしやすくて、中がこういっぺんに全部見えて、やっぱりこういうデザインのほうが何かと便利ですね」
確かに、ショッピングや荷物の出し入れが日常的に多いユーザーには、ハッチバックスタイルの方が何かと利便性は高いはず。開口部が広いというメリットは、普段多く語られるものではないが、あらためてノッチバックのセダンユーザーに試してもらうと、その実用性の高さに気づかされる。特に、奥の荷物が取り出しやすい、何を積んだのかがひと目で分かるというのは、改めて感じるアドバンテージだ。
さて、デート……ではないので、残念ながら約束通り時間までに彼女を仕事場まで送り届けなくてはならない。今度の運転は、編集部A。そこでナビシートの彼女がひとこと。「このクルマ、小さいのにけっこう(車内は)静かですよね」。すると、そこきました? 気づきましたね? としたり顔の編集部A。「ですよねぇ。なので会話が弾むんですよ」と言葉を返したその時の彼の表情を見逃しはしなかった。
「静かだとロングドライブも快適そうで、いつもより遠くに(遊びに)行けそうな気がしませんか。ね?(ニッコリ)」と、彼女に続けられ、そこで彼が何を考えているのかだいたい想像は付くが、「それは多分一般論だぞ」とおもう我々。今後彼が、週末私用でフォーカスのスケジュールを押さえてはいないかどうかチェックする必要が出てくるかも知れないものの(笑)、30代女性の評価も上々だったことは、素材も産地も偽装なしの事実。一流ホテルのように世間を騒がせる心配も無い。
「でも、キレイな女性が、いかにも(女性が選びそう)なクルマではなく、こんな(男性的にみえる)スポーティなクルマに乗っているのも、かなりカッコイイですよ」と編集部A。
「なるほどぉ」と納得する彼女に、たまには編集部Aも的を射たことをいうんだな、と感心したのもつかの間、「なので、このカタチで(クラウンみたいに)ピンク(のボディカラー)とかもあっても、イイかもですね~」と編集部A。いや、それは絶対違うぞ、編集部A。
Ford Focus Sport|フォード・フォーカス・スポーツ
ボディサイズ|全長4,370×全幅1,810×全高1,480 mm
ホイールベース|2,650 mm
トレッド 前/後|1,555 / 1,545 mm
最低地上高|130 mm
重量|1,380 kg
エンジン|1,998cc 直列4気筒 直噴DOHC
ボア×ストローク|87.5×83.1 mm
最高出力| 125kW(170ps)/ 6,600 rpm
最大トルク|202Nm(20.6kgm)/ 4,450 rpm
トランスミッション|6段オートマチック(デュアルクラッチ)
ギア比|1速 3.917
2速 2.429
3速 1.436
4速 1.021
5速 0.867
6速 0.702
減速比|3.850(1,2,5,6速)/4.278(3,4速,後退)
駆動方式|FF
サスペンション 前|マクファーソンストラット
サスペンション 後|マルチリンク
タイヤ|215/50R17
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク
燃料タンク容量|55 ℓ
最小回転半径|6 m
価格|293万円
フォードお客様相談室
0120-125-175
http://www.ford.co.jp