マクラーレン 650Sを公開|McLaren
McLaren 650S|マクラーレン 650S
マクラーレン 650Sを公開
「MP4-12C」「P1」でスパースポーツカーのマーケットを席巻したマクラーレンが、ジュネーブモーターショーで今年も新型モデルを披露する。「650S」と名付けられたこのニューカマーは、同社50年にわたるモータースポーツ界での歴史と実績を結集した一台だという。
Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
P1のDNAを手に入れたMP4-12Cの兄貴分
マクラーレンは、3月に開催されるジュネーブモーターショーで、あらたなスーパースポーツカー「650S」を発表する。ワールドプレミアを目前に、その概要が先行公開された。
マクラーレンによればこの650Sは、先に登場した「MP4-12C」と、375台のみが限定生産されすでに完売となった「P1」の中間に位置するモデルとなるという。その車名にもある“650”という数字は既報の通り、最高出力の650psをしめしており、“S”はスポーツを表す。MP4-12Cをベースとする650Sは、限定ではなく量産モデルとしてラインナップにあらたにくわわる予定で、搭載される3.8リッターツインターボV8エンジンは、MP4-12CとおなじM838T型の改良版。MP4-12C比で25ps出力が増された。
いっぽうフロントフェイスには、LEDを散りばめP1を彷彿させる顔を獲得。エアロダイナミクスもMP4-12Cや、P1の開発現場で培った技術の多くがフィードバックされており、バンパーと一体化されたフロントスプリッターを装着しダウンフォースを増大させることで、コーナーリング性能の向上を果たしただけでなく、ステアリングフィールの改善とドライバーへの信頼感も高めた。
またフロントフェンダー後端からリアへと流れるようにつづくライン上には、フロントスプリッターから空気を流すべく溝が彫り込まれたドアブレードを装着。フロントエンドのグリップ向上と、車体バランス保持の効果に寄与するという。
リア下部には、MP4-12CのGT3レース車両からフィードバックされた3ピース構造のディフューザーがそなわり、さらにMP4-12C同様、リアに搭載されたマクラーレン独自のエアブレーキも650Sに最適化され、手動やブレーキング時以外にも必要に応じて自動で作動するようになった。
この650Sについて、マクラーレン・オートモーティブCEOのMike Flewitt氏は、「マクラーレンが開発したこのあたらしいデザインは、これまでのどのモデルも同様に、正しいエンジニアリングによる賜物である」とコメント。650SのCd値(空気抵抗値)は12Cとほぼ同等としながらも、150mph(約241.5km/h)走行時のダウンフォースは24パーセントも増加させた。
専用デザインの5スポークホイールには、ピレリのPゼロ・コルサが装着され、さらに一般の公道およびサーキット用として、650Sと同時に専用開発された「MC1」タイヤが用意される。マクラーレン独特のサスペンションシステム「プロアクティブ・シャシー・コントロール」にも手がくわえられ、「ノーマル」「スポーツ」「トラック」という3つのモードが、レースカー並みのロードホールディング性やグリップ力と、ラグジュアリーサルーン並の快適性を両立する。もちろんドライブトレインとは切り離して選択が可能だ。
マクラーレンの50年にわたるモータースポーツ界での歴史と実績を結集した650S。さらなる詳細は3月のジュネーブモーターショーで明らかになる。