ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」を日本初公開|Lamborghini
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2018年2月8日

ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」を日本初公開|Lamborghini

Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス

ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」を日本初公開

ランボルギーニは2月6日、新型高性能SUV「ウルス」を都内で報道陣に初公開した。ウルスは「アヴェンタドール」、「ウラカン」に続く同社の第3のモデルで、デザイン、パフォーマンス、ドライビング、エモーションというランボルギーニのDNAを、最も汎用性のある車両であるSUVに吹き込んだスーパーSUVとして開発。車名は、オーロックスとしても知られる大型の野生牛「ウルス」が、ランボルギーニの伝統であるスペインの闘牛と非常に近い外見をしていることから付けられたという。

Text by HARA Akira

0-100km/h加速3.6秒、最高速度305km/hのスーパーSUV

アンベールされた「ウルス」のボディは、新しいランボルギーニの時代が始まることを象徴するような輝くホワイトカラーだ。

全体の3分の2がボディ、3分の1がウインドーというランボルギーニ スーパースポーツカーの伝統を引き継ぐエクステリアは、盛り上がったボンネット、「カウンタック」から登場した斜めのフードライン、なじみのあるY字型ヘッドライト、六角形のテーマを表す大きなエアインテーク、サイドのパワフルなキャラクターライン、なだらかな角度をつけたリアウインドーなどが目を引く。

ボディの四隅には巨大な23インチ ホイールが配され、高い地上高を支えている。その内側には市販モデル中最大となるフロント440mm径のカーボンセラミックブレーキが装着されていて、高性能SUVであることをアピールしている。

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最初に登壇したランボルギーニの研究・開発部門を担当するマウリツィオ・レッジャーニ取締役は、「ウルスは、他のランボルギーニ車と同様の高性能を楽しめるだけでなく、利便性や汎用性を併せ持つという先見的コンセプトによる万能スポーツカーである」と説明した。その心臓部は、フロントに搭載した4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンだ。

最高出力650hp/6,000rpm、最大トルク850Nm/2,250-4,500rpmを発生するランボルギーニ初のターボエンジンは、あらゆる場面を走行することが想定されるSUVモデルとして最適の選択だという。乾燥重量2,200kg以下、パワーウエイトレシオ3.38kg/hpというSUVに仕上げたことで、0-100km/h加速3.6秒、0-200km/h加速12.8秒、最高速度305km/h、100km/hからの停止距離33.7メートルというスーパースポーツカー顔負けの性能を手に入れた。

また、スーバーSUVの走りを支える要素として、ドライビングダイナミクスを最適化する「4WD+トルクベクタリング」、プラス/マイナス3.0度可動するリアステアリングにより、低速時の機敏性と高速時の安定性を提供する「4WS」などがあげられる。センターコンソールに備わるTamburo(タンブーロ)ドライブモード セレクターにより、上記をはじめとする車両のダイナミクスシステムを、走行シーンに応じて制御することが可能だ。

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具体的には、シフトレバーの左に位置するANIMA(アニマ)のレバーを引くことで、STRADA(標準)、STORT(スポーツ)、CORSA(トラック)と、今回ウルスに用意されたNEVE(雪上)の各モードをセレクトできるのだ。また、TERRA(オフロード)、SABBIA(砂漠)というモードモードもオプションで設定することができるという。

右側のレバーは、快適な乗り心地からスポーティでアグレッシブな走りに適したセッティングまでをドライバーの好みに応じてカスタマイズできるEGO(エゴ)モード。これを可能にしたのが、ランボルギーニ初の電気機械式アクティブロールスタビライゼーション システムと、アダプティブエアサスペンションだという。

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一方のインテリアは、六角形が施されたエアベントやドアハンドル、カップホルダー、エアバックモジュール、ドライバー側に向いたダッシュボードなどランボルギーニ車らしい統一感があるもので、Tamburoセレクターが新型SUVモデルであることを主張している。

公開されたモデルはレッドカラーのレザーシートが装備され、ブラックとシルバー、カーボンを使用した各パーツとのコントラストがスポーティさを強調するモデルとなっていた。

気になる後席は、ロングホイールベースを生かしたゆとりある足元スペースだけでなく、頭上空間も十分に確保された広々としたもの。フロントシート背後にモニターまで装着したコンフォートな空間になっているのには驚いた。また、トランクスペースも容量616リットルと十分。ベンチシート仕様であれば、折りたたむことで1,596リットルまで拡大が可能となっている。

安全面では先進運転システムADASを搭載したのも新たなニュースで、フォルクスワーゲン グループの新型モデルと同等となるレベル2(SAE基準)を達成した支援システムになっている。衝突防止・緩和のPreCognitionシステムや、渋滞時に自動追従するクルーズコントロールは標準で、オプションで交通管理システムやトップビュー カメラも選択できる。

Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス

ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」を日本初公開 (2)

SUVの形をした万能スポーツカー

この日のために来日したステファノ・ドメニカリCEOは「ウルスは、家族や友人など4~5人を乗せて日常使いができるクルマです。ゴルフバックも積むことができます。そして、サーキットから高速道路、都市部から荒地までの全てに対応できます。つまり、これまでの市場になかった、完全なニュープロダクトなのです」と新型SUVの万能性を説明。

これにより、ランボルギーニのユーザーになる新しいファミリーを数多く迎えることができるようになったとした。そして、ウルスの販売実績を分析すると、その65パーセントが他メーカーのラグジュアリーカーや高級SUVから乗り換えた新しいユーザーであるという。

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日本は2番目の市場であるというランボルギーニにとって、新しいウルスの発売は最適のタイミング。アート、スタイル、テクノロジー、“メード・イン・イタリー”が好きな日本人には、ウルスのバリューはピタリと当てはまるだろう、との分析もあるようだ。

また、ランボルギーニはウルスを発売することで、2019年の生産台数をこれまでの約2倍となる7,500台に設定。このため生産拠点である伊サンタ・アガタ工場の面積を、これまでの2倍の16万平方メートルにまで拡大し、新たな従業員も500人規模で雇い入れたという。

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「今がランボルギーニにとって、最も良い瞬間です。社員も私もモチベーションが高く、若い人材の育成が行われ、世界の評価も上がっています。その良い例がランボルギーニのネットフォロワーの数字で、今や1,150万に達しています」と強調。「これでモチベーションが上がらない社員がいたら、ほかの会社に行ってください、と言うよ」と笑って見せた。そして「今こそが新しいスタート地点に立ったときなのです」とも語った。

今後の予定は、新型ウルスの販売が安定した正しい時期を見極め、新たにハイブリッドモデルを投入することだと言う。ウルスのデリバリーは2018年春を予定しており、日本での価格は2,574万円となる。


 

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Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス
ボディ|全長 5,112 × 全幅 2,016 × 全高 1,638 mm
ホイールベース|3,003 mm
トレッド 前/後|1,695 / 1,710 mm
車輛重量|2,200 kg
エンジン|3,996cc V型8気筒ツインスクロールツインターボ
最高出力| 478 kW(650 ps)/6,000 rpm
最大トルク|850 Nm/6,800 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|4WD
サスペンション 前/後|マルチリンク(アダプティブ エア)
タイヤ 前|285/45R21
タイヤ 後|315/40R21
ブレーキ 前|カーボンセラミックディスク φ440 × 40 mm
ブレーキ 後|カーボンセラミックディスク φ370 × 30 mm
最高速度|305 km/h
0-100km/h加速|3.6 秒
0-200km/h加速|12.8 秒
100-0km/h制動|33.7メートル
燃費(EC値)|12.7 ℓ/100 km(およそ7.9km/ℓ)
CO2排出量|290 g/km
最低地上高|150 - 248 mm
最小回転半径|5.9メートル
トランク容量|616 - 1,596 リッター
価格(消費税込み)|2,779万9,200円

           
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