ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」、ついにデビュー|Lamborghini
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2017年12月8日

ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」、ついにデビュー|Lamborghini

Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス

ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」、ついにデビュー

伊ランボルギーニは12月4日、新型モデルとなる高性能SUV「ウルス」を発表した。2018年春からデリバリーが開始され、日本での価格は2,574万円となる。

Text by HARA Akira

ランボルギーニのDNAを受け継いだSUVスタイル

2012年の北京モーターショーにおいてコンセプトとして登場した、ランボルギーニのSUV「ウルス」が、いよいよプロダクトモデルとして発表された。

「ウルス」は、「アヴェンタドール」「ウラカン」に続くランボルギーニ第3のモデルとしてデビューした。その名称は、同社の伝統を受け継ぐ闘牛の世界に由来するもので、オーロックスとしても知られる大型の野生牛ウルスが、スペインの闘牛に非常に近い外見を持っていたことから付けられた。

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新型ウルスは、快適な乗り心地、高い地上高、ラグジュアリーな室内空間を備えており、街中での運転のしやすさ、快適な長距離ドライブ、一般道やサーキットでのスーパースポーツカーらしいダイナミクス、さまざまな環境でのオフロード性能を提供し、ドライバーだけでなく同乗者も楽しめるラグジュアリーSUVとして開発された。

ボディサイズは、全長5,112×全幅2,016×全高1,638mm。ホイールベースは3,003mmと長く、最低地上高はエアサスペンションにより158~248mmの間で変化する。

特徴的なエクステリアデザインは、同社初のSUVモデルだった「LM002」や伝統のスポーツモデルからヒントを得たもので、全体の2/3がボディ、残りの1/3がウィンドウという黄金比率を採用。エンジンを搭載するフロント部は、「ミウラ」とアヴェンタドールを思い起こすボンネットの盛り上がりと、「カウンタック」のような斜めのフードラインが特徴で、細いY字型のヘッドライトや六角形をテーマとする大型エアインテークが最新ランボモデルであることを主張する。

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サイドは、ウラカンのような低いルーフラインとフレームのないウインドウ、LM002とカウンタックから受け継いだ六角形のホイールアーチが目を引き、リアの大きく傾斜したウインドーと張り出したショルダーラインは、カウンタックや「ムルシエラゴ」などを想起させる。

これらのサーフェスは、ひと目でランボルギーニのスーパースポーツカーと分かるデザインを提供するとともに、空力抵抗の低減、最適なエアフロー、ホイールハウス内の冷却機能など、空力性能においても十分な効果を発揮している。

Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス

ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」、ついにデビュー (2)

650psの4.0リッターV8ツインターボと最新4WDシステムをミックス

コンパクト設計でフロントの低い位置に搭載する新型アルミニウム製4.0リッターV型8気筒エンジンは、オフロードを走行するSUVモデルとして低回転域で高いトルク性能を必要とするため、ランボルギーニ車としては初めてターボ(ツインターボ)を採用。最高出力650ps/6,000rpm、最大トルク850Nm/2,250-4,500rpm、最高回転数6,800rpmで、リッター当たり162.7psを発生する。車体の乾燥重量は2,200kgなので、3.38kg/psという優れたパワーウエイトレシオを備えたSUVとなっている。

この結果、静止状態から100km/hまで3.6秒、200km/hまで12.8秒で加速し、最高速度は305km/h、100km/hからの停止距離33.7メートルという圧倒的な性能を手に入れた。またエンジンサウンドも、走行モードに応じて静かで快適な低周波サウンドから、気持ちを高揚させるエモーショナルなサウンドまでフィーリングが変化するようV8エンジンは調教されている。

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トランスミッションは8段ATで、駆動方式は4WDだ。走行時は、センターコンソールに装備した「Tambro(ランボルギーニ ドライビングダイナミクス コントロール)」セレクターにより、路面状態やドライバーの好みに応じて、STRADA(快適性)、SPORT(車高が下がり、全速度域で安定性と正確性が高まる)、CORSA(横揺れを最小限にしたパフォーマンス志向)、NEVE(雪上)の4つが選択でき、さらにオプションでTERRA(オフロード)とSABBIA(砂漠)の2つのオフロードモードが用意されている。3つのオフロードモードでは車高が上がり、障害物などの走破性が高まるとともに、初採用のアクティブロールスタビライゼーションにより悪路での応答性と快適性を両立したという。

ウルスの4WDシステムは、トルセン式センターデフとアクティブトルクベクタリング、リアホイールステアリングを組み合わせた最新のものだ。

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ドライブモードや運転スタイル、グリップに応じて個々のホイールへの推進力を配分するトルクベクタリングは、ステアリングコントロールにも効果があり、STRAD、ATERRA 、NEVEではアンダーステアを低減、SPORT、CORSAではオーバーステア特性を高め、安全な走りやスポーティで機敏な走りを実現する。またSABBIAでは、砂利や砂丘などグリップの弱い地形での敏捷性と正確性を確保するシステムになっている。

さらに、スーパースポーツの「アヴェンタドールS」でも採用したリアホイールステアリングは、リアステアリング角が最大で+/-3度の差を持つよう設計。低速時はリアステアアングルがフロントアングルの反対となるため(カウンターフェーズステアリング)、ホイールベースが最大600mm短くなるのと同等の効果を得て、最小回転半径を低減するとともに機敏性と操縦性が向上する。一方、高速時はフロントとリアが同じ方向(インフェーズ ステアリング)に向き、ホイールベースを最大600mm長くしたように安定性と乗り心地が向上。どんな速度域でも完璧なハンドリングを実現したと謳う。

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ストッピングパワーも強力で、標準装備のカーボンセラミック ブレーキのローターはフロント440×40mm、リア370×30mmで、市販モデルのブレーキ中最大のサイズを誇る。

ホイールのオプションは21~23インチで、あらゆる地形に対応した夏用、冬用、オールシーズン用、スポーツ用が装着でき、これらすべてがウルスのためにピレリが特別開発したスペシャルタイヤになる。

Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス

ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」、ついにデビュー (3)

4人または5人乗りのラグジュアリーなインテリア

3,003mmの長いホイールベースと低い乗車位置により、ウルスのキャビンは広く快適な空間に仕上げられている。標準装備のフロントDNAメモリー スポーツシートは、暖房機能つきで12段階の調節が可能。オプションで18段階調節可能なラグジュアリースポーツシートが選択できる。

標準装備の3人掛けリアベンチシートは移動と折りたたみが可能で、これにより5つの座席を備えた快適な空間と、日常使いで荷物容量の向上を実現した。トランクスペースは標準で616リッター。シートを下げると長さ1,050mmで1,596リッターという大きなスペースが出現する。また、リアシートはオプションで、スポーツカーらしいホールド性と快適性を保つ2人掛けのレイアウトも指定できる。

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インテリアデザインはエクステリアと同様で、ランボルギーニモデルらしいスポーティでラグジュアリーなものとなっている。キャビン内のコックピットコントロール類はすべてドライバーの手の届く位置にあり、インフォテイメントシステムやコネクティビティを司る上下2段の画面は、インテリアと完全に一体化している。それを組み込むドライバー側に向いた細いY字型ダッシュボードは、LM002やスーパースポツモデルにインスパイヤされたものだ。エアベントやドアハンドル、カップホルダーやエアバック モジュールなどにはランボルギーニのテーマである六角形が採用されている。

素材には、最高級レザー、アルカンターラ、アルミニウム、カーボンファイバー、ウッドなどの高品質なものだけを採用。TERRAとSABBIAのドライブモードを組み込んだオフロード パッケージには、独特の金属強化バンパーと、雪上、森林、砂丘でのオフロード走行のための床下保護装置が追加される。

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ランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOは、「ウルスは、ランボルギーニのDNAを最も汎用性のある車両であるSUVに吹き込むという明確なビジョンを持ったアプローチを行い、これまで不可能だったスーパーSUVというレベルに到達しました。デザイン、パフォーマンス、ドライビング、エモーションの点で真のランボルギーニであると同時に、様々な環境に適した車です。ウルスはハイパフォーマンス カーとして、ランボルギーニファミリーにフィットします。新しいタイプのファイティングブルを生み出すための研究成果の集大成であり、お客様と当社にとって、新たな可能性の扉を開くスーパーSUVです」と語っている。

 

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Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス
ボディ|全長 5,112 × 全幅 2,016 × 全高 1,638 mm
ホイールベース|3,003 mm
トレッド 前/後|1,695 / 1,710 mm
車輛重量|2,200 kg
エンジン|3,996cc V型8気筒ツインスクロールツインターボ
最高出力| 478 kW(650 ps)/6,000 rpm
最大トルク|850 Nm/6,800 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|4WD
サスペンション 前/後|マルチリンク(アダプティブ エア)
タイヤ 前|285/45R21
タイヤ 後|315/40R21
ブレーキ 前|カーボンセラミックディスク φ440 × 40 mm
ブレーキ 後|カーボンセラミックディスク φ370 × 30 mm
最高速度|305 km/h
0-100km/h加速|3.6 秒
0-200km/h加速|12.8 秒
100-0km/h制動|33.7メートル
燃費(EC値)|12.7 ℓ/100 km(およそ7.9km/ℓ)
CO2排出量|290 g/km
最低地上高|150 - 248 mm
最小回転半径|5.9メートル
トランク容量|616 - 1,596 リッター
価格(消費税込み)|2,779万9,200円

           
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