ベントレー「コンチネンタルGT」がフルモデルチェンジ|Bentley
BENTLEY Continental GT|ベントレー コンチネンタルGT
ベントレー「コンチネンタルGT」がフルモデルチェンジ
ベントレー モーターズは8月29日、3世代目へとフルモデルチェンジした4シーター ラグジュアリー グランドツアラー「コンチネンタルGT」を発表した。
Text by OPENERS
設計、エンジニアリング、ハンドクラフトはすべて英国製
「ベントレーは、100年近くものあいだ、ラグジュアリーなグランドツーリングカーの世界をリードしてきました。第3世代の「コンチネンタルGT」は、ベントレーのデザインとエンジニアリングの賜物で、それを所有する喜びとともに、歴史に新たな一歩を刻むクルマです」と語るのは、ウォルフガング・デュルハイマー同社会長兼CEOだ。
設計、開発、ハンドビルドのすべてをイギリスで行う新型コンチネンタルGTの心臓部に収まるのは、最新のエンジンマネージメントシステムでブラッシュアップした6.0リッターW型12気筒ツインターボTSIエンジンだ。最高出力634ps、最大トルク900Nmの圧倒的パワーを誇り、8段デュアルクラッチトランスミッションと組み合わせることで、0-100km/h加速3.7秒、最高速度333km/hを実現した。
また、アイドリングストップ機能や片バンク休止機能に加え、高圧・低圧の2種類の燃料噴射方式を採用したことで、燃費性能は先代の14.2ℓ/100kmから12.2ℓ/100km(およそ8.2km/ℓ)に改善したほか、CO2排出量も16パーセント改善した278g/kmを達成。W12という特異なエンジンレイアウトは、同クラスのV12エンジンより全長が24パーセント短いため、理想的な重量配分や室内スペース拡大などが可能になり、メリットは多いという。
グランドツアラーとしての乗り心地やハンドリングを支える足回りには、先進的なコントロールシステムの「ベントレー ダイナミック ライド」を搭載。各アクスルのアンチロールバーにある電子アクチュエーターを制御・調整することで、コーナリング時のロールを抑えるとともに通常走行での快適さをキープするという。エアサスペンションには3チャンバーエアスプリングを採用し、走行モードに応じた調整範囲の広いシャシーを実現させている。
駆動は変わらず4輪だが、従来の前後40:60固定式からモードや走行状態、ドライバーの操作などに基づき、トルク配分を自動制御するアクティブ全輪駆動システムを採用している。
BENTLEY Continental GT|ベントレー コンチネンタルGT
ベントレー「コンチネンタルGT」がフルモデルチェンジ (2)
ベントレーとしてのこだわりは継承
新型のエクステリアデザインは、そのインスピレーションを2016年のジュネーブモータショーでお披露目された2シーターコンセプトの「EXP10 speed6」としたもので、クラシカルな優雅さとシャープさを融合したフォルムを実現。前輪を135mm前方に配置したロングノーズ・ショートデッキの低く長いスタイルになった。
フロント部は、LEDマトリクス技術を採用した丸型4灯のヘッドライトやメッシュ状のマトリックスグリルなど、ひと目でベントレーとわかるデザインを踏襲し、リアはテールライトをその下にあるテールパイプと同様の楕円形デザインとして連続性のあるラジカルなものへと変更している。
総アルミ製のシャープなボディはスーパーフォーミング加工(アルミを500度に加熱して成形する)によって成形したもので、プロダクションモデルでの採用は初めてだという。
クオリティの高い木とレザーと金属をハンドクラフトで仕上げたインテリアのフィニッシュは、これまでどおりのベントレースタイルが貫かれる。
目を引くのはダッシュボード中央に配した回転式の「ベントレー ローティング ディスプレー」で、エンジンをスタートすると現れるフルデジタルの12.3インチタッチ式スクリーン、外気温・コンパス・クロノメーターの3連アナログメーター、フラットなウッドパネルの3つから好みのものが選択できる。
ディテールにはさらにこだわっており、ドア内側に使用する「ダイヤモンド イン ダイヤモンド」とよぶ2重ダイヤ型のキルティングは極上の手触りを提供。センターコンソールには、スイスの最高級腕時計の地板などに使用する「コート ド ジュネーブ」技法から着想を得た繊細なトリムを使用した。
もちろん、ベントレーの誇るパーソナライゼーションに対応しており、豊富なオプションが選択可能だ。
エクステリアカラーは標準で17色、オプションを含めると最大で70色が用意されており、カーペットはオプションで15種類、手作業で仕上げるウッドパネルは8種類、レザーは15種類から選択できる。選択肢がほぼ無限となるカスタマイズについては、ベントレーの注文製作部門である「ミュリナー」専属の熟練した職人の手にゆだね、仕立てることができるという。
新型の開発チームは、コンチネンタルGTがどんな走行状況でも走破できることを確かめるため、スウェーデンの極地での寒冷地気候試験、米デスバレーでの高温気候試験、南アフリカでの悪路耐久試験に加え、中東、中国、ヨーロッパでも試験を行ったという。
日本での販売価格は2,530万円と発表され、デリバリーは18年の第2四半期を予定。実車は9月12日から開催のIAAフランクフルト国際モーターショー2017で初公開される。
Bentley Continental GT|ベントレー コンチネンタルGT
ボディサイズ|全長 4,805 × 全幅(ミラー閉時) 1,954 ×全高 1,405 mm
ホイールベース|2,851 mm
トレッド 前/後|1,672 / 1,664 mm
車両重量|2,244 kg
エンジン|5,950cc W型12気筒DOHCツインターボTSI
ボア×ストローク|84.0 × 89.5 mm
圧縮比|10.5
最高出力|635 ps/6,000 rpm
最大トルク|900 Nm/1,350-4,500 rpm
トランスミッション|8段AT(デュアルクラッチ)
駆動方式|4WD
サスペンション前/後|ダブルウィッシュボーン / マルチリンク
タイヤ 前/後|265/40R21 / 305/35R21
0-100km/h加速|3.7 秒
最高速度|333 km/h
最小回転半径|5.75 メートル
トランク容量|358 リッター
燃費(EC)|12.27 ℓ/100km(およそ8.2 km/ℓ)
CO2排出量|278 g/km
価格|2,530 万円