フルオープンのコンセプト「カクタス M」|Citroen
CAR / NEWS
2015年9月7日

フルオープンのコンセプト「カクタス M」|Citroen

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

フルオープンのコンセプト「カクタス M」

シトロエンは、フランクフルトモーターショーに「C4 カクタス」をベースにしたコンセプトモデル「カクタス M」を出展する。サーファーを想定した、アウトドア向けのフルオープンカーだ。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

メアリをモチーフにしたオープンモデル

9月15日より開催されるフランクフルトモーターショーにおいて、シトロエンはフルオープンモデル「カクタスM」を公開する。カクタス Mは、昨年デビューしたユニークなデザインのクロスオーバー「C4 カクタス」をベースにフルオープンとしたモデルで、1970-80年代に販売されたクロスカントリー「メアリ」のスピリットを受け継ぐものだという。

もととなったC4 カクタスの独特なデザインに手をくわえた、カクタス Mのルックスはさらに独創的だ。ルーフがないばかりかサイドウィンドウやピラーなどもない。60度の傾斜がつけられたフロントウィンドウは太い枠が強調され、ブラックのホイールアーチや19インチの大径ホイールとともに力強さを演出。また、リアの荷室上には木製のキャリアアーチが取り付けられている。

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

Citroen Cactus M & Citroen Mehari

長い2枚ドアは、全体で一体成型されたプラスチック製で、ラフなユースにも耐えられるとともに、車両の軽量化にも貢献する。ABS製のカバーが存在感を出しているドアヒンジは、モチーフとしたメアリのディテールを拝借している。

ドアのおもてには、C4カクタスで採用されたエアクッションにより軽い衝撃からボディを守る“エアバンプ”に似せた、ポリウレタン製の帯が貼り付けられている。前後バンパーにもあるこの帯は、ちょっとした擦り傷をはじめ、海水や砂のようなものからもボディを守る役割を果たす。

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

フルオープンのコンセプト「カクタス M」 (2)

海に乗りつけても平気なクルマ

サーファーをイメージしてつくられたカクタス Mは、塩、水、砂といった普通のクルマには過酷な環境のビーチでも問題がないよう、素材やテクノロジーを厳選している。ユーザーは、これらが引き起こす錆や傷をはじめとする諸問題にいっさい気を遣うことなく、スポーツやアドベンチャーに全力で取り組めるようなクルマ、というのがカクタス Mのコンセプトだからだ。

キャビンのつくりはボートのようになっており、ボディの中も外もジョーズ ブルーと名付けられた同色で塗られる。防水かつ耐塩性のシートから車体底面まで水が抜けるようになっており、車内全体をホースで丸洗いすることすら可能。インテリアやダッシュボードのトリムには、ウェットスーツ素材などで利用されるネオプレーン素材をもちい、高い耐水性をもちながらプラスチックとはことなる暖かみのある表面に仕上げている。

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

ワイルドかつフリーダムな雰囲気を重要視し、リアへの乗り降りに際しては“ドア開けてフロントシートを倒して”といった面倒な手順を介さず、シートから縁をまたいで直接乗り降りすることも想定。実際、ボディサイドには足を掛けるための凹みが穿たれている。

トランクのキャリアアーチにはサーフボードを2枚取り付けられるように留め具が用意されており、今回のフランクフルトモーターショー向けにシトロエンでは、インテリアデザインにあわせた特別なボードを制作している。

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

フルオープンのコンセプト「カクタス M」 (3)

まわりのすべてを感じて欲しい

リアシートは折りたたむことで荷室と繋げることができ、ここを2名ぶんの簡易ベッドとして利用できる。

また、カクタス Mはオープンエアが基本であるものの、悪天候に備えて二段になったトランクの下側に屋根が仕舞われている。手動で装着するトップは空気で膨らませる3本の骨があるが、車体後方にあるポンプを作動させて簡単にエアを注入することが可能。さらに、このトップの後端を拡張することで高さ180cmもあるテントにもなる。

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M

パワートレーンには、C4カクタスでも追加で設定された、最高出力110psを発揮する1.2リッター直列3気筒のピュアテック 110 S&S ガソリンエンジンに6段ATを組み合わせる。S&Sがつくので、スタート&ストップ機構が付与されている。また、プジョー「3008」などで採用されている「グリップコントロール」を搭載。これは、トラクションコントロールを発展させて、前輪駆動であっても高いグリップ力を確保し悪路の走破性を高める機能だ。

普通のオープンカーよりも解放感の高いオープンエアなカクタス Mは、まわりにあるものすべてを身近で感じ、そして人生を楽しむようなクルマを、というシトロエンの想いが込められたコンセプトカーだ。同時に、欧州では登場から1年を経たC4カクタスのさらなる可能性を示す一台でもあるという。

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Citroen Cactus M|シトロエン カクタス M
ボディサイズ│全長 4.16 × 全幅 1.73 × 全高 1.48 メートル
ホイールベース│2.60 メートル
エンジン|1.2リッター 直列3気筒ターボ ピュアテック110 S&S
トランスミッション|6段AT(6EAT)
燃費|4.8ℓ/100km(およそ20.8km/ℓ)
CO2排出量|110g/km
タイヤ|19インチ

           
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