アウディ、RS 3 スポーツバックをジュネーブでワールドプレミア|Audi
Audi RS 3 Sportback|アウディ RS 3 スポーツバック
アウディ、RS 3 スポーツバックをジュネーブでワールドプレミア
アウディは開催中のジュネーブモーターショーで、A3シリーズの頂点に立つスポーツモデル「RS 3 スポーツバック」をはじめて披露した。
Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
最高出力は先代比プラス27psの367ps
アウディは、「A3」シリーズのなかでもっともパワフルなバージョンとなる「RS 3 スポーツバック」を、現在開催中のジュネーブモーターショーで初披露した。
開発をおこなったのは「RS 7」「RS Q3」など、他のRSシリーズとおなじく、いまやお馴染みとなったアウディの子会社、クワトロGmbH。“RS”は、BMWにおける「M」や、メルセデス・ベンツにおける「AMG」に並ぶ、アウディにおけるハイパフォーマンスモデルという立ち位置だ。
RS 3 スポーツバックのために用意されたパワーユニットは、先代同様、直4でもV6でもない直列5気筒のターボ。1980年代にモータースポーツを賑わせた「アウディ クワトロ」にも搭載された、アウディ伝統のテクノロジーを受け継ぐエンジンだ。最近では先代「TT」のホットバージョン、「TT RS」にも採用されている。
最高出力は先代比プラス27psの367ps(270kW)、最大トルクはプラス15Nmとなる465Nm(47.4kgm)を1,625rpmの低回転から5,400rpmまでの幅広い域で発生させ、0-100km/h加速は先代より0.3秒速い4.3秒という強烈な加速を実現。最高速度はリミッター解除させることで280km/hにまで達する。
伝統の直列5気筒ターボとはいえ、ガソリン直噴システムとターボチャージャーの組み合わせによってハイパワーかつ高効率を実現する、アウディ最新のTFSIテクノロジーが搭載されていることは言うまでもない。燃費は欧州NEDCモードで8.1リッター/100km(およそ12.3km/リッター)、CO2排出量は189 g/kmという数値で、欧州の排気ガス規制「Euro 6」をクリア。この手のモデルとしては大健闘といえるだろう。
トランスミッションは、7段Sトロニック(デュアルクラッチ)が用意され、直列5気筒ターボエンジンから生み出されるパワーは、4輪駆動システム「クワトロ」を介して前後輪に伝達される。前後アクスルへの出力比は状況に応じて変動し、後輪には全出力の50パーセントから100パーセントを配分。電子制御によるトルクベクタリング機能も備わり、先代よりもさらにドリフタビリティを高めたクルマに仕上がったとアウディは説明する。
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アウディ、RS 3 スポーツバックをジュネーブでワールドプレミア (2)
ヨーロッパでは今夏デリバリーがスタート
RS 3 スポーツバックの車高は、ベースモデルとなるA3 スポーツバックと比べ25mm低く落とされ、RS専用のスポーツサスペンションが標準で設定された。
もちろん、シーンによってスポーツ走行とシティユースの両方を楽しみたいというドライバー向けに、好みでサスペンション特性を変えることができるアダプティブダンパーシステム「アウディ マグネティックライド」もオプションとして用意。ステアリング、エンジン、トランスミッションの特性を統合的に連動させた、「COMFORT」「AUTO」「DYNAMIC」「INDIVIDUAL」の4つの走行モードでドライブすることができる。
タイヤは標準で前後ともに235/35サイズの19インチ。オプションでマットチタニウムか、またはハイグロスブラックの19インチアロイホイールの選択が可能で、フロントが255/30、リアが235/35のサイズとなる。またこちらもオプションとなるが、A3シリーズとして初めてカーボンファイバーセラミックブレーキ(フロントのみ)が装備されことも注目したいポイントだ。
5ドアのみの設定となるRS 3 スポーツバックだが、新型「ゴルフ」を筆頭にいま多くのフォルクスワーゲングループで採用されている「MQBプラットフォーム」を導入、さらにボンネットなどにアルミニウムを多用したことで、その車両重量は1,520kgと先代と比べ55kgの軽量化が図られた。
エクステリアに目を移せば、大型のエアインレット、大きく張り出したフロントフェンダーなどベースモデルとのちがいは多い。アウディの意匠をなすシングルフレームグリルは、マットブラックでカラーリングされ、ハニカム格子のデザインがスポーティさを演出。“RS 3”“quattro”と記されたふたつのバッジが、このクルマがRSであることを強く主張する。またリアにはルーフスポイラー、その下には大型のディフューザーが備わる。そしてその両サイドには、つや消しアルミニウムの2本出しテールパイプが顔をのぞかせる。
インテリアはブラックを基調とし、RS専用のマルチファンクションスポーツステアリングをはじめ、スポーツシートも標準で装備。レザーとアルカンターラを多用したスポーティな装飾でまとめられた。エクストラを払えばカーボンファイバー製のRSバケットシートも選択可能だ。
なおRS 3 スポーツバックの価格は5万2,700ユーロで、ヨーロッパでは今夏デリバリーがスタート。日本への導入は未定となっている。
Audi RS 3 Sportback|アウディ RS 3 スポーツバック
ボディサイズ|全長 4,343 × 全幅 1,800 × 全高 1,411 mm
ホイールベース|2,631 mm
トレッド 前/後|1,559 / 1,514 mm
トランク容量|280 リットル
重量|1,520 kg
エンジン|2,480cc 直列5気筒 DOHC ターボ
ボア×ストローク|82.5 × 92.8 mm
最高出力| 270 kW(367 ps)/ 5,550-6,800 rpm
最大トルク|465 Nm(47.4 kgm)/ 1,625-5,550 rpm
トランスミッション|7段オートマチック(Sトロニック)
駆動方式|4WD
サスペンション 前|マクファーソンストラット
サスペンション 後|4リンク
タイヤ|235/35R19
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク
燃費(NEDC)|8.1ℓ/100km(およそ12.3km/ℓ)
価格|5万2,700ユーロ