フィアット500のSUVモデル「500X」デビュー|Fiat
CAR / MOTOR SHOW
2015年6月9日

フィアット500のSUVモデル「500X」デビュー|Fiat

Fiat 500X|フィアット 500X

チンクエチェントのSUVモデル「500X」デビュー

フィアットはパリモーターショーにおいて、コンパクト クロスオーバーSUV「500X」を発表した。車名のとおり、現行「500(チンクエチェント)」ファミリーのニューフェイスだ。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

都市向けとレジャー向けの2タイプを用意

パリモーターショーで、あらたに500ファミリーへくわわったのは、クロスオーバーSUVモデル「500X」。これまで、そのスタンダードとなる「500」を中心に、オープンモデル「500C」、4ドア版の「500L」、それをオフロード風に仕立てた「500L トレッキング」、そして7人乗りの「500L リビング」と5モデルが送り出されているが、第6段として投入されたモデルはクロスオーバーSUVとして登場した。

そのディメンジョンは、全長4.25×全幅1.80メートル、全高は駆動輪のちがいやルーフバーの有無で1.60-1.62メートル。ラゲッジルームは標準で350リットルを確保する。

500Xにはキャラクターのちがいにより、スタイリングを楽しむ都市向けバージョンと、より高い走破性をもとめたレジャーバージョンが用意される。さらに、エンジンにはガソリンとディーゼル、トランスミッションは6段MT、9段AT、6段デュアルクラッチの3種類、駆動方式にはFF、4WD、トラクションプラス付のFFという3つがあり、これらの組み合わせによって豊富なバリエーションが予定されている。

Fiat 500X|フィアット 500X

Fiat 500X|フィアット 500X

市場導入時には、ガソリンエンジンが140psの1.4リッター ターボ マルチエアIIに6段MTを組み合わせたFF、ディーゼルエンジンは6MTに120psの1.6リッター マルチジェットIIを搭載したFFモデルと、140psの2.0リッター マルチジェットIIに9段AT+4WDという2バリエーションでスタート。

その後、5段MTに110psのバイフューエルエンジン1.6リッター"E-torQ"を組み合わせたFFモデル、9段ATに170psの1.4リッター ターボ マルチエアIIガソリンエンジンを組み合わせた4WDモデルが登場。さらに、もっともパワフルな184psを発揮するタイガーシャーク 2.4リッターエンジンは、9段ATと四輪駆動の組み合わせで追加される。

140psを発生するガソリンの 1.4リッター ターボ マルチエアには、6段デュアルクラッチ+FFも予定されるほか、ターボディーゼルでは、95psの1.3リッター マルチジェット+5MTのFFと、140psの2.0リッター マルチジェットIIに6MTと4WDを組み合わせたモデルも投入がアナウンスされている。

この、マニュアルモード付きの9段ATはフィアット車としては500Xで初採用されるもので、多段化によるスムーズな変速と燃費性能の向上が謳われる。

Fiat 500X|フィアット 500X

チンクエチェントのSUVモデル「500X」デビュー (2)

FFでも走破性を向上させる、トランクションプラスを搭載

4WDでは、惰性走行などエンジン負荷が低いときには後輪との接続を切り、一時的に前輪駆動とすることで燃費の向上をはかるシステムを搭載。このFFと4WDの切り替えは、ドライバーが意識することなく自動的におこなわれる。フィアットでは、同サイズのコンパクトSUVのなかで類似の機能を搭載しているのは、500Xとグループブランドであるジープの「レネゲード」だけとしている。

500Xには、ブレーキ、ステアリング、トランスミッションの振る舞いを変化させる「ドライブ ムード セレクター」を搭載。用意されるのは、乗り心地と燃費重視の「オート」、性能重視の「スポーツ」、そして滑りやすい路面状況で発揮する「オールウェザー」の3つのモード。

高い走破性能を求められるレジャー向けバージョンでは、最後のオールウェザーは「トラクション」に変更される。これは、4WDでは、リアへのトルク伝達効率を向上するいっぽう、FFでは「トラクション プラス」コントロールシステムが有効となり、滑りやすい路面においてグリップを確保する機能としてはたらく。このトラクションプラスを採用することにより、4WD機構を搭載するよりも経済的かつ、低μ路での走破性を向上させる効果が得られるという。

Fiat 500X|フィアット 500X

Fiat 500X|フィアット 500X

安全装備もアクティブ、パッシブ両面から揃えられ、標準で6個のエアバッグ、コーナリング機能つきのヘッドライト、フォグライト、それにエレクトリックスタビリティコントロール(ESC)が備わる。くわえて、バリエーションやマーケットによって、アドバンスト レーンアシスト、ブラインドスポット警告なども追加される。オプションとしては、バック時に作動するパークビューモニター、それにブレーキコントロールが用意される。

インフォテイメントとしては、5インチか6.5インチのタッチスクリーンを装備。ナビゲーションにくわえてAux-inやUSBコネクター、Bluetooth、SDカードなど充実した機能を提供する。また、500L導入のさいにBeats by Dr.Dreと共同開発した、Beats Hi-Fiシステムもオプションで提供される。

           
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