未来のBMWを垣間見せるコンセプト|BMW
CAR / MOTOR SHOW
2015年1月14日

未来のBMWを垣間見せるコンセプト|BMW

BMW Vision Future Luxury
ビー・エム・ダブリュー ビジョン フューチャー ラグジュアリー

未来のBMWを垣間見せるコンセプト

BMWは北京モーターショーにおいて、最新テクノロジーとモダンラグジュアリーをそなえたプレミアム 4ドアクーペ「Vision Future Luxury」を披露した。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

BMWらしいデザインモチーフのなかに最新技術を満載

北京モーターショーでBMWが公開した「Vision Future Luxury」は、軽量なボディに流れるようなスタイリング、そして最新のITテクノロジーとモダンラグジュアリーを具現化した、4ドアクーペ スタイルのコンセプトカー。キドニーグリルや薄型4灯のヘッドライトをはじめ、ロングノーズにショートオーバーハングのシルエットなどBMWらしい面影を残しつつも、その機能や構造にはあらたな技術が詰め込まれた一台だ。

彫刻のような張りのあるカーブをもつボディは、コンピューターではなく、熟練のモデラーが手で製作したもの。まとうカラーは、リキッド プラチナ ブロンズとよばれ、あたたかみがあるなかに、かすかな揺らぎをみせるラグジュアリーな塗装だとBMWは謳う。ドアミラーはウィンドウトリムのクロームから切れ目なくつづく細い脚でささえらえれており、空中に浮遊しているように見せる処理がほどこされる。

BMWのデザインアイコンである丸目4灯を模した天地に薄いフロントヘッドライトには、BMWレーザーライトを採用。従来のLEDとくらべて10倍ほどの明るさと、ながい照射距離をほこる。リアのコンビネーションライトは有機EL照明。小さい素材を重ねあわせて、BMW伝統のL字型にみせているが、有機ELそのものは厚さわずか400nm(0.0004 mm)という極薄の素材のうえに、面全体が発光するためリフレクターを必要とせず、車内外のさまざまなところで活用が可能だという。

BMW Vision Future Luxury
ビー・エム・ダブリュー ビジョン フューチャー ラグジュアリー

未来のBMWを垣間見せるコンセプト (2)

軽量かつ堅牢な構造が生み出すとくべつな空間

Vision Future Luxuryでは、カーボンやアルミニウムを多用することで車両の軽量化を実現している。とくにシートフレームは、ドアシルにそのままつながってボディを補強するパーツとして組み込まれており、従来のような柱状のBピラーがない開放的な観音開きドアを、車体の剛性を落とすことなく実現している。

前席用には3つの液晶モニターがそなわる。ドライバーの正面にあるのは従来のアナログメーターにかわるもので、速度や回転計をはじめ、運転に必要な情報を表示する。中央の「ドライバー インフォメーション ディスプレイ」はインフォテイメント向け、そして、グローブボックス付近にそなわるのが、助手席用のタッチ操作対応のディスプレイ。これは、中央のインフォテイメントディスプレイと連携して、スワイプ動作で情報を行き来することが可能。たとえばオンラインで劇場やお店の予約をいれるなど、こまかい情報入力が必要なことを助手席に任せるといったケースが想定されている。

さらに、前席用にはもうひとつディスプレイがそなわる。それが、フロントウィンドウに展開するヘッドアップディスプレイだ。現行のBMW車とおなじように速度などを表示するのはもちろんのこと、実際に見えている風景にデジタル情報を重ね合わせ、そのときに指標となる建物、標識などを強調するという現実拡張(AR)機能を提供する。たとえば、交通標識や信号を目立たせることでドライバーに注意をうながすドライバーアシスタントといった利用方法が提案されている。

コーチドアということでショーファードリブンも意識してか、リアシートにはパーソナルな空間がひろがる。左右2座が独立したシートにくわえ、ボディ構造を兼ねるカーボン製のフロントシートバック、レザーやウッドなど高級素材をもちいたインテリアが、モダンラグジュアリーに囲まれた独立スペースを創出。後席用のディスプレイはセンターにある取り外し可能な「リアシート タッチ コマンド タブレット」から操作が可能だ。

1台まるごとのコンセプトというよりも、BMWが提案する未来のテクノロジーを凝縮したラグジュアリー クーペ「Vision Future Luxury」。スタイリングから想起させるのは次期「6シリーズ グランクーペ」だが、新型「7シリーズ」と、巷間うわさされる7シリーズをベースとしたラージクーペなど、各テクノロジーは今後出てくるであろう、あたらしいBMWのモデルのなかで実現してゆくものと予想される。

           
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