V12搭載のフラッグシップ「S 600」がデビュー|Mercedes-Benz
Mercedes-Benz S 600|メルセデス・ベンツ S 600
V12搭載のフラッグシップ「S 600」がデビュー
これまで「S 550」を通常ラインのトップモデル置いていたメルセデス・ベンツの新型「Sクラス」に、V12 ツインターボエンジンを搭載するフラッグシップモデル「S 600」がくわわった。これで新型「S クラス」は、2台のAMGをふくむ鉄壁のラインナップが完成した。
Text by SAKURAI Kenichi
まさに完全無欠。安全装備全部のせ
メルセデス・ベンツは、Sクラスのトップモデルとなる「S 600」をデトロイト モーターショーで発表した。注目のパワーユニットは、最高出力390kW(530ps)、最大トルク830Nm(84.7kgm)を発揮するV12のツインターボエンジンで、これは従来モデルよりも排気量を467ccアップさせ、最高出力も13ps向上している。とくに最大トルクはエンジン回転数わずか1,900rpmから発生するために、非常にトルクフルでどんなシチュエーションでも乗りやすい余裕の走りを体感できそうだ。
排気量やパワーをアップさせるいっぽうで、エンジンにはエコ・スタート/ストップ機能を搭載し、燃費対策を万全とした。これによって燃費は従来モデルのリッターあたり7.0kmから、21パーセント向上させたリッターあたり9.0kmにまで改善されている。
これらは、オールアルミ製クランクケースやワンピースチェーンドライブ機構、ハイグレードな焼入れ焼戻し鋼を使用した鍛造クランクシャフトやあたらしい鍛造ピストン、新型のエンジンコントロールユニット、ナトリウムが充填された中空ステム排気バルブ、ルートを見直した冷却水循環設計などによって達成されているという。
操作系は、ヘッドアップディスプレイの追加や、タッチパッドによる各種操作系の採用などでアップグレード。タッチパッドは、文字、数字、特殊文字を手書きで入力することが可能となり、エアコンやオーディオ、ナビなどのインフォテイメントシステムをさらに便利に使いこなせるようになった。
こうしたフラッグシップにふさわしい装備を採用するとともに、従来モデル通り、乗り心地を向上させる電子制御サスペンションをもちいたマジック ボディ コントロールのほか、LEDインテリジェントライトシステムや走行をサポートするディストロニック プラス、BASプラス、プレセーフブレーキ、リアCPA、アクティブ ブラインド スポット アシスト、クロストラフィック コリジョンキーピング アシスト、アクティブ レーンキーピング アシストなどなど、現状採用可能な安全装備をすべて搭載している。
欧州市場をはじめ、北米では今年3月より市場投入を開始する予定。日本導入は未定だが、フラッグシップモデルとして追加されることを期待したい。
Mercedes-Benz S 600 L|メルセデス・ベンツ S 600 L
ボディサイズ│全長 5,246 × 全幅 1,899 × 全高 1,497 mm
ホイールベース│3,165 mm
トレッド前/後│1,624 / 1,637 mm
車両重量│2,185 kg
エンジン│5,980 cc V型12気筒 36バルブ ツインターボ
ボア×ストローク|83.0 × 92.0 mm
最高出力│390 kW(530 ps)/4,900-5,300 rpm
最大トルク│830 Nm/1,900-4,000 rpm
圧縮比|15.5
トランスミッション│7段AT(AMGスピードシフト プラス 7G-トロニック)
駆動方式│FR
タイヤ(前/後)│245/45R19/275/40R19
サスペンション前/後│4リンク / マルチリンク
ブレーキ前/後│ベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク
トランク容量(VDA)|500リットル
0-100k/h加速|4.6 秒
最高速度|250 km/h
燃費|11.3-11.1ℓ/100km(およそ8.9-9.0km/ℓ)
CO2排出量|264-259 g/km