渡辺敏史&清水久美子が練り歩く「東京モーターショー2013」
CAR / MOTOR SHOW
2015年4月2日

渡辺敏史&清水久美子が練り歩く「東京モーターショー2013」

人生はいつもフルスロットル

渡辺敏史&清水久美子が練り歩く「東京モーターショー2013」

前回を上回る90万人超が来場し、成功裏に幕を閉じた「東京モーターショー2013」。ワールドプレミア76台、ジャパンプレミア81台と例年にない熱気に包まれた会場の模様を、モータージャーナリストの渡辺敏史と、日産「GT-R(R35)」を普段の足とし、最近ランボルギーニ「ガヤルド」を手に入れたというウワサ!? のOPENERSブロガー、清水久美子がプレイバック。ふたりがおもわず見入った注目のモデルとは。

話す人= 渡辺敏史

清水久美子

写真=荒川正幸

とにかく踏んでみたいです

渡辺 今日はここ、東京モーターショーの会場を練り歩きながら、清水さんが気になるクルマたちをみてみようという企てなわけですが……もう心ここにあらずって感じですな。


清水 あ、わかります? もう一刻も早くあそこに行きたいんですけど、よりによって今回はブースが一番端っこなんですね……。


渡辺 まぁ逃げはしませんから、焦らずに輸入車からみて回りましょう。まずはメルセデス・ベンツ。フランクフルトショーでお披露目された「コンセプト S クラス クーペ」もいらっしゃってますが、目玉は「S 65 AMG」のワールドプレミアです。真骨頂の最上級セグメント推しですな。

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG 02

Mercedes-Benz S 65 AMG

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG 02

清水 前の型にしばらく乗ってたのもあって、あたらしいSクラスはとても気になってたんです。でも最初写真でみた時、げっ、カッコ悪い……って正直おもいました。


渡辺 まぁ僕も手堅いなぁとおもいましたが、現物をみると意外と新鮮味も感じられて、さすがのさじ加減だなぁと納得させられました。


清水 そう。カッコいいです。で、乗り込むとやっぱりSクラスだわーって空気感があるんですね。違和感がないというか。

渡辺 それにしても、Sクラス乗ってたの?


清水 はい。デパートの駐車場なんかでもギリギリ困らないサイズなんですよ。それが新型はひと回り大きくなっちゃったでしょ。なんでよー! って、そこが一番不満。


渡辺 はぁ、そうなんですか……。で、このS65はクラス的にもトップ・オブ・AMGということもあって、12気筒ツインターボが継続採用されました。トルクもとうとう大台の1000Nm。

清水 やっぱりそこに一番ワクワクしますよね。とにかく踏んでみたいです。


渡辺 なるほど……。じゃ、次はポルシェに行きましょうか。ここには実質ワールドプレミアとなった「マカン」がいらっしゃいます。

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これならゴルフバッグもなんとか積めるかも

清水 これ……「カイエン」より微妙に小さいんですかね。正面からみた感じは、ほとんどカイエンと同じ押し出し感がありますね。


渡辺 想像していたよりもサイズのメリハリは感じられない印象だけど、長さなんかはけっこう違いますね。確実に小さくなってる。


清水 カイエンって、女子人気も高いけどやっぱり大きいんですよね。これは運転しやすそうだし、いままで躊躇してた人が飛びつきそうです。


渡辺 車格に対する動力性能の与えられ方からいえば、むしろカイエンよりスポーティに走りそうな気配もあります。


清水 内装も適度にラグジュアリー感ありますし、文句なしです。

Porsche Macan Turbo|ポルシェ マカン ターボ 06

Porsche Macan Turbo

Porsche Macan Turbo|ポルシェ マカン ターボ 07

渡辺 じゃあワールドプレミアをもう1台。これはジャガーの「Fタイプ クーペ」です。


清水 これ、先にオープンモデルの方が出てたんですよね。普通、順番が逆じゃないのっておもうんですが。


渡辺 昔は割とそういうパターンが多かったけど、いまは同時並行で開発するパターンが大半だし、順番はマーケティング的な要因が大きいかもしれませんね。そこにくわえて、Fタイプはジャガーが本気のスポーツカー市場に再参入するという意思表示の意味もあったから、ロードスターの方がメッセージがより明確に伝わりやすかったんだとおもいます。


清水 確かに見た目の印象とは裏腹に、乗るとワイルドでびっくりしました。でも、カバン置く場所にも困るのはちょっと……。


渡辺 確かに走り優先でパッケージを詰めたこともあって、ユーティリティは相当限定されるんですよね。そこでこのクーペが重要な役割を果たすわけですよ。ほら。


清水 わわっ、これならゴルフバッグもなんとか積めるかも。

Jaguar F-Type Coupe|ジャガー Fタイプ クーペ 08

Jaguar F-Type Coupe

Jaguar F-Type Coupe|ジャガー Fタイプ クーペ 09

渡辺 クーペ化でざっと400リットルくらいの荷室容量を確保したようです。見た感じ、機内持ち込みのトローリーも2つくらいはスイッと収まりそう。ジャガーの通例でいえば、ロードスターより若干廉価に設定されることも考えられるので、むしろこっちの方がFタイプの本丸になる可能性は充分ですね。


清水 V8モデルの最高出力は550ps……って、私の愛するあのクルマとパワーが一緒じゃないですか。つまりガチンコのライバルってことですね。うーむ……。


渡辺 はいはい。じゃあお待ちかね、日本車のブースに行きましょうか……。

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ひぇー、ハイテクの塊ですね

渡辺 ご馳走は最後にとっといて、まずはホンダ。ここでは幾つかのニューモデルが発表されたのですが、やっぱりスポーツモデルが気になるでしょ。


清水 「NSXコンセプト」、なんか、ちょっと長くなりました?


渡辺 おっ、鋭い。エンジンが縦置きになったんですよ。市販モデルもほぼこのプロポーションでくるでしょうね。


清水 エンジンを縦に置くとなんかいいことあるんですか?

Honda NSX Concept|ホンダ NSX コンセプト 12

Honda NSX Concept

Honda NSX Concept|ホンダ NSX コンセプト 11

渡辺 NSXの場合、一番大きいのはパワーに対するサーマルマネジメント、つまり熱対策でしょうね。つまり、それだけパワーを上げてくる覚悟だと。一説では3.5リッターV6ツインターボで500psくらいまでもってくるだろうと。で、3モーターのハイブリッドになるのではと目されてます。


清水 3つもモーターついてるんですか?


渡辺 前輪側に2つモーターがあって、自在に差動させることで安定性と旋回性を飛躍的に高めようというシステムです。


清水 ひぇー、ハイテクの塊ですね。でも私はこっちの古臭いクルマの方が気になるかも。


渡辺 これは古臭いんじゃなくて本当に古いクルマ。ホンダが初めて作った乗用車、「S360」ですね。これをベースに本格的市販車として、S500~S800という、いわゆるホンダの「エス」が出来たわけです。


清水 これ、カワイイです。このまま売ってくれないかなぁ。

HONDA S660 Concept|ホンダ S660 コンセプト

Honda S660 Concept

HONDA S360|ホンダ S360 13

Honda S360

渡辺 このまま売るわけにはいかないけど、この血統を引き継ぐものとして再来年の発売を予定してるのがこちら、「S660」です。


清水 うわっ、ちっちゃい。


渡辺 現状はコンセプトカーだけど、サイズはほぼこんな感じで登場することになるでしょうね。


清水 NSXと一緒に売るんですよね。つまり大と小になると。私は大の方がいいなぁ。


渡辺 あなたは大の方がよくても、世間的には小の方が嬉しいって人がいっぱいいるんですよ。自動車税の問題もあるけど、軽自動車ってだけで維持費は全然違いますしね。


清水 えっ、これ軽なんですか? うそっ。


渡辺 20年以上前にビートって軽のオープンスポーツがあったんですが、その後継的な役割でもあります。


清水 へぇー、軽の割にはかっこいいですね。ちょっと見直しました。


渡辺 軽の割には、ね。

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RCは走りにも期待

渡辺 で、続いてレクサス。ここでのワールドプレミアは「RC」ですね。車格的にはISにほど近くみえますが、シャシーはISとGSの混成みたいな感じで、ポジション的にはメルセデス・ベンツの「Eクラス クーペ」やBMWの「4シリーズ」、アウディの「A5」辺りとガチンコになる模様です。


清水 こういう、オーソドックスなかたちの2ドアクーペってそこはかとなく余裕があって、毎日のアシに乗るにはいいですよね。それに最近のレクサスはあのヘンテコなグリルも板についてきて、これもカッコイイとおもいます。


渡辺 スピンドルグリル……ね。当初からデザイン的に織り込んだモデルがようやく現れはじめて、彼らが意図するところがストレートに伝わってくるようになったんでしょう。

Lexus RC300h|レクサス RC300h 15

Lexus RC300h

Lexus LF-NX|レクサス LF-NX 16

Lexus LF-NX

清水 でもこれ、ハイブリッドなんですね。もっと速いのがあればいいのに。


渡辺 まぁ一応コンセプトモデルってことでハイブリッドとして展示されてますが、もしかすると5リッターV8を積んだ「IS F」の後継を、この「RC」で作るのではないかという噂も耳にします。IS Fは年を追う毎に相当いいクルマに変貌していきましたから、その辺のノウハウも注入されるとなると、RCは走りにも期待出来るモデルになるでしょう。


清水 5リッターV8ですか……。じゅる。でも私にはV6ツインターボがあるんで。

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渡辺敏史&清水久美子が練り歩く「東京モーターショー2013」 (5)

600psって、もう一体どういうこと!?

渡辺 じゃあ最後の最後にお待ちかねのそれを見てみましょうか。


清水 いやーーん、待ってました! 今回の私のイチオシ、「GT-R 14年モデル」。ニスモですよニスモ。600ps。


渡辺 しかも後付けのパッケージを装着すれば、ニュル7分8秒台ですか。ここまで激しいことになるとはおもわなかったですな。


清水 600psって、もう一体どういうことって感じ。速いんだろうなぁ。乗ってみたいなぁ。

Nissan GT-R 2014|日産 GT-R 2014年モデル 18

Nissan GT-R 2014

Nissan GT-R 2014|日産 GT-R 2014年モデル 19

渡辺 600psってあなた、700psのGT-Rに乗ってたんでしょ。前の世代の。


清水 乗ってたんじゃなくて乗ってるです。いまはちょっとお休み中だけど。


渡辺 それで現行のGT-Rに乗ってるわけですか……。でも確かに、前の世代の700psよりこっちの600psの方が速いでしょうな。GT-Rは駆動ロスのなさに関しては世界一だから、600psを路面に余さず噛み込ませればそれはもう……。


清水 ですよねぇー。こないだちょっと私の子もイジったんですが、絶対敵わなさそう。

渡辺 えっ、イジったの? ツルシでも狂ったように速いというのに……。


清水 ちょっとですよ、ちょっと。最後まで綺麗に伸びるように。


渡辺 はぁ、そうですか。ところでニスモが登場したぶん、標準車の方は一気に快適性を高めてきたみたいで、そっちにも注目したいですね。いままでのGT-Rは普段遣いがちょっと辛かったけど、今度のは場面も天気も問わないオールラウンダーに変身してるっぽいんで。

清水 そうですね。紳士な味付けに変わりましたよね。それにしてもこの前後のランプ類、灯り方が変わったんですよね。私の子に移植しようかな。ヘッドライトはどうやらポン付け出来るみたいだし。

渡辺 なんでそんな情報知ってるんすか……。

           
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