ジャガーFタイプ クーペ、ついに現る|Jaguar
Jaguar F-Type Coupe|ジャガー Fタイプ クーペ
才色兼備の英国クーペ
ジャガーFタイプ クーペ、ついに現る
ジャガー「Fタイプ」に待望のクーペが追加された。クーペでは、コンセプトモデル「C-X16」のうつくしいフォルムをより反映させるとともに、クローズド化で強化されたボディを活かし、走りに重点を置き開発されたという。コンバーチブルモデル「Fタイプ」とは、一味ちがう魅力をもつそんな「Fタイプ クーペ」とは。
Text by OHTO Yasuhiro
ハイパフォーマンスな“R”モデルも設定
ジャガー「Fタイプ」は、2011年のフランクフルトモーターショーで発表された2シータースポーツ「C-X16」を基とするモデルだ。ジャガーが往年の名車「Eタイプ」を世に送り出してから、じに50年ぶりとなる2シータースポーツの出現に、世界中から大きな関心が寄せた。
その一例として、英国自動車誌“What Car?”がおこなった同年の読者投票では、このコンセプトカーが「2012年にもっとも市場導入して欲しいクルマ」として選ばれたほどだ。そんなファンからの声にこたえるように、翌年のパリ モーターショーにおいて、コンバーチブル化された「Fタイプ」がワールドデビューを果たした。
このオープンモデルは、あらたな魅力をもったモデルとして市場から好意的に迎えられた。そして、2013年11月、「Fタイプ」の成功を受けて、ロサンゼルスと東京の2大モーターショーで、待望の「Fタイプ クーペ」が発表されたのである。
Fタイプ クーペの最大の特徴は、人気を集めたコンセプトカー、C-X16のデザインをより忠実に反映している点だろう。C-X16のうつくしいルーフラインは、Fタイプ クーペに受け継がれたアイコンのひとつである。
この美しいフォルムのボディは、Fタイプと同様に軽量かつ非常に強靭なオールアルミニウム製。Bピラーをもたないデザインとなるクーペボディだが、最新のテクノロジーを導入することでジャガー史上もっとも優れたねじれ剛性を誇っている。アルミパネルのルーフにかえてパノラミックガラスルーフを選択しても、ボディ剛性には影響しないというのだから凄い。
Fタイプ クーペは、この強靭なボディをいかし、ジャガーのランナップの中でもっともパフォーマンスに焦点を当て開発されたモデルであり、トップモデルには高性能を意味する“R”の称号の「Fタイプ R クーペ」を設定する。
Jaguar F-Type Coupe|ジャガー Fタイプ クーペ
才色兼備の英国クーペ
ジャガーFタイプ クーペ、ついに現る (2)
Fタイプ シリーズ最強のRクーペ
トップモデルとなるFタイプ R クーペは、最高出力550ps、最大トルク680Nmを発揮する5.0リッターのV8スーパーチャージドエンジンを搭載。コンバーチブルのトップモデル「Fタイプ V8 S」と比較して、55ps/55Nmも高いスペックだ。その実力は0-100km/h加速4.2秒、最高速度は300km/h(リミッター作動)にも達する。
R クーペの走りを支える足まわりには、専用のチューニングがほどこされる。走行中に車両状態をモニターし、自動でダンパーレートを調節してくれる「アダプティブ ダイナミクス システム」をそなえたサスペンションは、バネレートをハイパワー化に合わせてよりハードな設定とされた。
さらにあらゆる状況下でトランクションを高めてくれる「電子制御アクティブ デファレンシャル」やアンダーステアの発生を検知し、ブレーキシステムを利用してクルマの方向の修正を行う「トルクベダリング バイ ブレーキ」も搭載する。後者はジャガーモデルでは初搭載されるアイテムだ。
パイパワーを受け止めるブレーキシステムも、もちろん強化されており、“スーパー パフォーマンス ブレーキシステム”が標準装備となる。またサーキット走行などのハードな走りを想定するユーザーの為に、“カーボン セラミック マトリックスブレーキ”も用意される。
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才色兼備の英国クーペ
ジャガーFタイプ クーペ、ついに現る (3)
3グレードで構成
インテリアは、Fタイプと共通の、ドライバーを軸としたデザインをとり入れたもの。さまざまなスイッチやコントロール機構は、そのすべてを、無理なく手の届く範囲に配置。操作系をシンプルなものとし、計器類も見やすさを重視するなど、安全で使いやすいコクピットとなっている。
ほかのジャガー車同様に、シートやトリムなどカラーを豊富なオプションから自由にカスタマイズが可能で、オーナーの心をくすぐる。オープンモデルと比較すると、屋根の収容スペースがないぶんトランクスペースは拡大されており、これもクーペのメリット。その容量は407リットルとなっており、ゴルフバックなら2個がおさまる。
ラインナップは、トップグレードの「R クーペ」のほか、3.0リッターV6スーパーチャージドエンジンを搭載する2タイプを設定。「Fタイプ クーペ」は、高剛性ボディなどFタイプ クーペのもつポテンシャルの高さを実感できるという、ベーシックグレード。最高出力340ps、最大トルク450Nmを発揮するV6エンジン性能に、スポーツサスペンション、スポーツエグゾースト、18インチアルミホイール、スポーツシートなどのアイテムを備える。
「Fタイプ S クーペ」は、より装備が充実しており、最高出力が380ps、最大トルクも460Nmと、エンジンの出力をアップ。高性能な電子制御ダンパーであるアダクティブ ダイナミクスがそなわるスポーツサスペンション、機械式LSD、19インチ アルミホイールなど、よりアクティブに走りを楽しめる仕様といえるだろう。
トランスミッションは、全車共通の8段クイックシフトATを採用。それぞれのギアはクロスレシオしており、エンジンのもっとも効率的な回転域をキープする。アクティブなドライブを楽しみたいなら、ステアリングホイールのパドルシフトか、センターコンソールに位置するスポーツシフトをもちいれば、マニュアルでシフトを変更することも可能だ。
日本への導入時期や価格などについては、まだこれから。早期の導入を期待して、続報を待つことにしよう。