GTに近づく2014年モデルと、レーシーなGT-R NISMO|Nissan
Nissan GT-R|日産 GT-R
Nissan GT-R NISMO|日産 GT-R ニスモ
GTに近づく2014年モデルと、よりレーシーなGT-R NISMO
日産の誇るスポーツカー「GT-R」が2014年モデルにアップデート。さらに、モータースポーツ部門NISMOがエンジニアリングをほどこした「GT-R NISMO」もあわせて発表された。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
2014年モデルは、よりGT的性格を強調
日産が東京モーターショーの前日に発表したのは、スポーツカー「GT-R」の2014年モデルだ。GT-R産みの親とまで言われる、水野敏和氏が開発から離れて初めてのアップデートとなる。
今回のマイナーチェンジでは、名称の「GT-R」をGT=「グランドツアラー」、R=「レーステクノロジーに基づく圧倒的な速さ」と定義し、速さはもとより、グランドツアラーとしての性能を高めることを主眼としているという。具体的には、シャシーやサスペンションのセッティングに細かく手をくわえることで、路面追従性の高さや車両の安定性の向上に注力している。
エクステリアにも変更がくわえられ、稲妻の閃光をイメージしたというLEDポジショニングランプのシグネチャーを採用。ヘッドライトも、ハイビーム用、メイン用、遠方用、ワイド用と用途別にわけられた4つのLEDを備える。丸型4灯が継承されるリアコンビネーションランプもLEDだ。
内装ではとくに、「プレミアム エディション」で選択可能な、ファッショナブルインテリアの質感を向上。新色としてアイボリーを設定するとともに、適用トリム範囲の拡大やフロントシートのセミアニリン本革をリアシートにまで採用するなど、室内空間全体におよぶようになった。
ボディカラーには、赤い塗料のなかに24金ゴールドでコーティングしたガラスフレークを混ぜた「ゴールドフレーク レッドパール」をあらたに設定。この新色をふくめて、全7色が設定される。
2014年モデルは東京モーターショー終了直後の12月2日より発売開始。価格は「ピュアエディション」が905万1,000円、「ブラック エディション」が993万3,000円、「プレミアム エディション」は1,011万1,500円と発表された。
NISMOがエンジニアリングしたモデルも登場
同時に発表されたのが、日産のなかでもモータースポーツ活動をおこなうNISMOがエンジニアリングした「GT-R NISMO」。NISMO専用オプションパックを装着した状態で、ニュルブルクリンク北コースにおけるラップタイム7分08秒679を記録した、GT-R史上最速モデルだ。
ベースとなるGT-R用の3.8リッターV6ツインターボ エンジンに、レースにも使われる高効率大容量のタービンの採用や、気筒ごとに点火タイミングの最適化をおこなうことで、2014年標準モデルにくらべて最高出力は50psアップの600ps(441kW)、最大トルクも20Nm向上させて652Nm(66.5kgm)を誇る。
サスペンションには前後とも特注のビルシュタイン ダンプトロニックダンパーがおごられる。強力なパワーを伝達するために、専用の高剛性ハブボルトやワイドリムのフロントホイール、そして前255/40ZRF20、後285/35ZRF20という大径扁平タイヤを採用している。
また、メーカーならではの施策として、ボディ結合部にスポット溶接にくわえて構造用接着剤で補強がなされている。
エクステリアには空力性能を高める専用装備として、フロントバンパーやアンダーカバー、リアスポイラーなど幅広い部分にカーボンファイバーを使用。時速300kmにおいて発生するダウンフォースは、通常モデルとくらべてプラス100kgを達成している。
シートには、レカロ製のNISMO専用カーボンバックバケットシートを採用。ステアリングは、レーシングドライバーの意見を取り入れ、赤いセンターマークと赤いステッチのアルカンターラ巻3本スポークのもの。そのほか、インテリアの至るところにレッドステッチがあしらわれ、レーシーな雰囲気を演出する。
GT-R NISMOは2014年2月末より日本を皮切りに販売が開始され、順次、アメリカや欧州で発売を行う予定だ。価格は1,501万5,000円。
この国産スポーツカーは、もちろん、11月22日より開催の東京モーターショーにて一般公開される。