ブガッティ レジェンド第2章「ジャン ブガッティ」登場|Bugatti
Bugatti Veyron 16.4 Gran Sport Vitesse "Jean Bugatti" edition|
ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポーツ ジャン ブガッティ エディション
ブガッティ レジェンド第2章「ジャン ブガッティ」登場
ブガッティは、「ヴェイロン」の特別仕様車「ジャン ブガッティ」を発表した。これは、7月のペブルビーチ コンクール デ レガンスで発表した“ブガッティ レジェンド”第1弾「ジャン-ピエール ウィミーユ」につづく、2作目のモデルとなる。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
タイプ57SC アトランティークと、それを作った男へのオマージュ
ブガッティがフランクフルトモーターショーで発表したのは、最高出力1,200ps、最大トルク1,500Nmをほこるスーパースポーツ「ヴェイロン 16.4 グランスポーツ ヴィッテス」の特別仕様「ジャン ブガッティ」。これは、7月にペブルビーチで発表された「ジャン-ピエール ウィミーユ」からスタートした“ブガッティ レジェンド”シリーズの第2弾にあたる。
ジャノベルト・カルロ・レンブラント・エットーレ・ブガッティ、通称ジャン・ブガッティは、ブガッティブランドの創設者エットーレ・ブガッティの長男として誕生。父の才能を受け継ぎ、エンジン開発やシャシー設計、ボディデザインにおいて天賦の才をもっていたといわれ、1936年には弱冠27歳にしてブガッティのトップに上り詰めた。そのわずか3年後の1939年に、彼はテストドライブ中の事故で亡くなるが、そのあいだ、優美なデザインの「タイプ57」をはじめ、いくつものモデルを手掛けている。
その有名なタイプ57のなかでも、特別なクーペ「タイプ57SC アトランティーク」は、貴重で高価なヴィンテージカーのあいだでももっとも高値のモデルのひとつといわれる。今年のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステにおいて、ファッションデザイナーであるラルフ・ローレン氏がこのクルマを出展し、「ベスト・オブ・ショー」を獲得したのも記憶にあたらしい。
今回の限定モデルは、そのジャン・ブガッティとタイプ57SC アトランティークへのオマージュ。とくに、4台しか作られなかったうちの最初のモデル“La Voiture Noire”(黒い車の意味)をデザインモチーフとしている。この車両はジャン・ブガッティ本人も運転したことがある個体だが、第二次世界大戦中、輸送中に忽然と行方をくらますというミステリーをもつ。
ボディは黒と、クリアコートされたカーボンファイバーで構成され、ヴェイロンとしては初めて、その特徴的なフロントの馬蹄状グリルなどに光り輝くプラチナカラーを採用。また、フューエルキャップやサイドシルには、ジャン・ブガッティのサインがレーザープリントされる。インテリアもオリジナルに似せたチョコレートブラウンとベージュで統一。ドアの内側や、リアのストレージ表面には、タイプ57SC アトランティークのシルエットが刺繍されている。
ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス ジャン ブガッティ エディションは、前回のブガッティ レジェンドとおなじく3台のみが製造され、その価格は228万ユーロ(およそ3億円)だ。