上海現地リポート|Porsche
Porsche Panamera|ポルシェ パナメーラ
2代目パナメーラ 上海でデビュー
2009年の登場以来、4年めにしてはじめて大がかりな変更をうけた「パナメーラ」が上海モーターショーに登場。ポルシェが「第2世代」と公言する新型パナメーラとはいかなるものなのか? 現地から山崎元裕氏のリポート。
Text by YAMAZAKI Motohiro
ロングホイールベース仕様も登場
ポルシェが4ドアサルーンのパナメーラを、世界に先駆けて上海ショーで世界初公開したのは2009年のこと。それから4年が経過し、パナメーラはSUVモデルの「カイエン」とともに、ポルシェの世界販売に大きく貢献するヒット作となったことは周知のとおりである。
そのパナメーラに、デビュー以来最大の規模となるマイナーチェンジが実施された。ポルシェ自身は、このマイナーチェンジ版パナメーラを、第2世代と称するが、なるほどその言葉にも十分な説得力を感じさせるほどに、パナメーラは画期的な進化を遂げている。
ラインナップ面での最大の話題は、ホイールベースを150mm延長した、いわゆるロングホイールベース仕様が、「エグゼクティブ」のネーミングとともに誕生したこと。それはもちろん、後席の居住性をさらに高めることに直接の理由があり、メインマーケットとして中国が意識されていることは言うまでもない。
主力エンジンは、新開発の3リッター版V型6気筒ツインターボにかわった。これまでのV型8気筒エンジンも、自然吸気モデルのハイエンドとなるGTSや、ターボには搭載が継続されるものの、スタンダードなパナメーラ/パナメーラ4で310ps、さらに高性能なパナメーラS/4Sでは420psという最高出力は、4.8リッター版V型8気筒エンジンを搭載していた、従来型のS/4Sと比較した場合には、排気量のダウンサイジングがおこなわれたにもかかわらず、20psものパワーアップを果たしたと同時に、燃費性能も18パーセントが向上した結果になる。
ハイブリッドはプラグインハイブリッドに進化
さらに大きな話題は、95psと従来のものから2倍以上ものパワーを発揮するエレクトリックモーターを、333psの3リッター版V型6気筒ツインターボエンジンに組みあわせた、ハイブリッドバージョンの存在だろう。
「S eハイブリッド」と呼ばれるこのモデルは、NEDCテストで36kmのゼロエミッション走行、すなわちフルEV走行を記録。バッテリーもリチウムイオン式となり、さらにドイツで一般的な230V仕様の家庭用電源からでも、4時間以内でそれをフル充電することができる、プラグイン型のハイブリッドへと進化を遂げているのだ。
燃費性能の向上は素晴らしい。これまでのSハイブリッドが、7.1ℓ/100kmというデータを掲げていたのにたいして、新型のS eハイブリッドの同データは3.1ℓ/100km。いっぽうフル加速を必要とするような場面では、エレクトリックモーターがエンジンをサポートするEブースト機能が、5.5秒という0-100km/h、そして270km/hの最高速を実現する。