ジュネーブ現地リポート|Lamborghini
Lamborghini|ランボルギーニ
ジュネーブモーターショー現地リポート
究極のオープンカー
ジュネーブモーターショーの前日、フォルクスワーゲン・グループが主催する前夜祭にてランボルギーニがお披露目したアヴェンタドールJ。屋根もウインドウシールドもない究極のオープンカーだ。前夜祭会場に臨席した、サトー氏のリポート。
Text & Photographs by SATO Takeshi
Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
モーターサイクルとおなじ
ジュネーブショー開幕を翌日に控えて、フォルクスワーゲン・グループは恒例の前夜祭を催した。ショーで発表するモデルのうち何台かを、事前にじっくりと眺めることができるチャンスだ。
ここでランボルギーニがお披露目したのが、アヴェンタドールJだった。ステージ袖から登場したアヴェンタドールのドライバー氏は、フルフェイスのヘルメットを被っている。これは演出ではない。アヴェンタドールJには、屋根もなければウインドウシールドも備わっていないのだ。700psを発生する6.5リッターのV型12気筒エンジンにムチを入れた時に跳ね石でも飛んできたら……。
後にステージに登場した同社ステファン・ヴィンケルマンCEOが「モーターサイクルとおなじ」と発言したように、アヴェンタドールJにはフルフェイスのヘルメットが必需品なのだ。
このモデルには、さらに説明が必要だ。コンセプトモデルではなく、れっきとした“売り物”なのだ。ただしワンオフで、嫁ぎ先はすでに決まっているという。
ちなみにモデル名末尾の「J」とは、FIA(国際自動車連盟)モータースポーツ競技規則の「付録J項」に由来。これは車両の分類規定であるけれど、アヴェンタドールJが「付録J項」に則って製作されたわけではないから話はややこしい。かつてこのルールに沿うように製作したJ(イオタ)を意識したネーミングなのだ。そう言えばイオタも、1台だけが製作された“幻の名車”だった。