ジュネーブ現地リポート|Ferrari
Ferrari|フェラーリ
ジュネーブモーターショー現地リポート
威風堂々! フェラーリF12ベルリネッタ
ジュネーブショーのプレスデイ初日午後、各国のジャーナリストやフォトグラファーたちから注目を浴び発表された、フェラーリ史上最強のモデル、F12ベルリネッタ。その瞬間に立ち会った自動車ライター、サトー氏からのリポート。
Text by SATO Takeshi
Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
ベールを脱いだF12ベルリネッタ
ジュネーブショーのプレスデイ初日午後、フェラーリのブースでは各国のジャーナリストやフォトグラファーが熾烈な戦いを繰り広げていた。フェラーリ史上最強のモデルがデビューする瞬間をファインダーに収めるための、ポジション争いだ。やがてルカ・モンテゼーモロ会長がマイクの前に進み出ると、あちこちで盛大にストロボが焚かれる。
「これで12気筒と8気筒、すべての新世代フェラーリが出そろう」というコメントのあとで、フェラーリF12ベルリネッタがベールを脱ぐ。この瞬間は、今回のジュネーブショーのハイライトのひとつだった。
デザインは、ピニンファリーナとフェラーリ・スタイリングセンターのコラボレーション。伸びやかなスタイリングからそうは見えないけれど、ボディサイズは先代にあたる599よりひとまわりコンパクトになっている。重量も70kgの軽量化をはたした。
排気量6262ccのV型12気筒DOHC直噴エンジンの最高出力は740ps。FF(フェラーリ・フォー)が積む、基本的にはおなじV12ユニットが660psであることから考えると、かなりのハイチューンエンジンだ。ちなみに、599は620psだった。
モンテゼーモロ会長は、終始自信に満ち溢れた態度だった。それはF12ベルリネッタに対する自信だけでなく、好調な業績に因るところも大きいはずだ。「フェラーリの2011年度の売り上げ高は前年比プラス17.3%の22億5100万ユーロ、販売台数は前年比プラス9.5%の7195台と好調だった」とのことだ。
ロッソ・ベルリネッタとアルミニウム、2色のF12ベルリネッタの威風堂々としたたたずまいは、現在のフェラーリの勢いを反映しているように見えた。なお、最高出力が30ps増え、車重が30kg減った改良版フェラーリ・カリフォルニアが同時に発表されたことも付記しておく。