レクサス「RZ」のステアバイワイヤ搭載モデル(プロトタイプ)に試乗──持ち替えなしでハンドル操作が自由自在|LEXUS
CAR / IMPRESSION
2022年7月13日

レクサス「RZ」のステアバイワイヤ搭載モデル(プロトタイプ)に試乗──持ち替えなしでハンドル操作が自由自在|LEXUS

LEXUS RZ|レクサスRZ

レクサス「RZ」のステアバイワイヤ搭載モデル(プロトタイプ)に試乗

レクサスが初のBEV(バッテリーEV)専用モデルとして発表した「RZ」には、ステアバイワイヤという最新のステアリングシステムを搭載したモデルがラインナップされる予定だ。レクサスのテストコースで開催された同モデルのプロトタイプの試乗会に参加したモータージャーナリストの小川フミオ氏が、その走りをリポートする。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by LEXUS

左右150度ぐらいずつの動きで、キツいカーブだって曲がれてしまう

ステアリングホイールが丸くなくなった。航空機やF1マシンを連想させるハンドルを発表したのが、レクサス。2022年4月に発表されたBEV(バッテリーEV)「RZ」に、ステアバイワイヤシステムと呼ばれる新技術を採用する予定とか。
ドライバーがハンドルを動かした量をセンサーで感知し、その電気信号を操舵する前輪を動かすモーターへと送るのが、ステアバイワイヤシステム。従来のように、ステアリングホイール、ステアリングシャフト、それにつながるピニオンギアとステアリングラックといった物理的な結合はなし。
レクサスインターナショナルで、RZの開発指揮にあたっているチーフエンジニアの渡辺剛氏によると、前後のモーターのトルクを電子制御して、気持のいい走りを実現するのを目的とした「DIRECT4(ダイレクトフォー)」と、ステアバイワイヤシステムとの相性がいいという。
「バッテリー駆動のEVはつまらないのでなく、モーターをうまく使うことで、思い通りの走りをしてくれるクルマを開発することができます」
DIRECT4と、ステアバイワイヤシステムで、クルマのキャラクターを決める際の自由度がうんと上がるというのだ。ラグジュアリーにも触れるし、スポーツカーのようにクイックな挙動のクルマもつくれてしまう。
私が愛知県下山地区にあるテストコース「レクサス テクニカルセンター 下山」で乗ったのは、ステアバイワイヤシステムを搭載したレクサスRZ450eプロトタイプ。乗り込むと、円形のステアリングホイールがないのに驚かされる。先述の通り、円の上と下が切り取られたバタフライ型のハンドルが備わっている。
グリップは太くて、握る個所によって断面形状が異なる。かなり凝った造型だ。ただし、握る(べき)場所は時計でいえば9時15分のところ。そこを握っていれば、持ち替えなしでクルマの操作ができてしまう。ステアリングホイールをぐるぐる回すかわりに、腕を振るように使って、左右150度ぐらいずつの動きで、キツいカーブだって曲がれてしまう。
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