CAR /
IMPRESSION
2020年10月14日
オンロード性能とオフロード性能を見事に両立──新型ディフェンダーに試乗|Land Rover
意外なほど都会的なドライブ感覚
試乗コースの最初のパートは、新潟県上越市の上越妙高の駅から、18ホールのゴルフコース併設のアパリゾート上越妙高までのオンロード。
「P300」と呼ばれるランドローバーのエンジンラインナップのなかでは最もパワフルな221kW(300ps)の2リッター4気筒ガソリンターボは、3000rpmあたりからもりもり力を出す設定だし、言葉は悪いかもしれないが“これはオンロード用のスポーティなSUVか”というのが第一印象だった。
実際に先に触れたように、ステアリングホイールは路面の状態を丁寧に教えてくれるうえ、中立付近で軽く動かすと、車体は即座に反応する。オフロードタイヤが標準(望めばオールシーズンに換装も可とのこと)なわりに、乗り心地はけっこう硬めだ。
400Nmの最大トルクが2000rpmから発生する設定。このエンジンは回転を高めに保持したほうが、気持よく走れる。そうすると、全長4945mm、全高1970mmの車体の大きさは忘れ、スポーティな走りが味わえるのだ。
小さなコーナーが連続する山道もお手のものという感じで、ドライバーの意図通りのコーナリングラインがとれる。SUVの最初のアルファベットはスポーツだったと改めて思い返したほどだ。
読者の方は先刻ご承知のように、1947年誕生のランドローバーのオリジンは、“英国にもあんなクルマが欲しい”と、ジープの多機能性に憧れたローバーの技術者モーリス・ウィルクスのコンセプトだ。新世代のディフェンダーは、その流れを色濃く汲んでいるかと思っていたものの、意外なほど都会的なドライブ感覚なのが軽い驚きだった。