三菱のフラッグシップSUV、新型「アウトランダーPHEV」に試乗──走りも見た目も上質に｜MITSUBISHI

2モーターS-AWCの走りを実感

と、まあアウトランダーPHEVでの走りはいろんな選択ができるのだけれど、街中を走っている分には「ノーマル」モードと「イノベーティブ」ボタンを選んで、安楽なワンペダル走行で過ごすのが一番。電池が残っている限りモーターのみの静かな走りが楽しめるし、たまにエンジンがかかったとしても遮音がしっかりとしていてほとんど気にならない。なので、しばらく走ったのちに「チャージ」モードに入れて充電を始めても、音や走りにネガティブな面が発生しないので問題なし。ちなみにワンペダルでは、最後にはブレーキペダルを使用しないと停止しないタイプで、それはクリープ走行を行う車庫入れ時などの利便性を高めるためだ。

先代から大幅進化──三菱のフラッグシップSUV、新型「アウトランダーPHEV」に試乗｜MITSUBISHI

加減速等の純粋な性能面では、新型は最近の他のEVモデルのような爆発的なダッシュはしないタイプ。「POWER」モードにしてもそれほど大きな変化は見られなかったので、それは2,110kgの車重が影響しているともいえるし、三菱の洗練された走りはこうなのだ、と主張しているようでもある。不整路では、大きなタイヤを履くことによる、車体の揺れが感じられるところは唯一のマイナスポイントかもしれないが、レベルとしては微少なものだ。

運転支援面では、全車速追従のACCと車線維持機能を組み合わせ、標識やナビとリンクする機能を持つワンボタンの「マイパイロット」を装備。また、クルマの電気を家で使えるV2H（ビークル・トゥ・ホーム）機能によって、一般家庭の電力なら最大12日分を供給できる点も、災害の多い日本では評価できるポイントだ。

試乗したPグレードの価格は532万700円。新型の受注は好調で、発売後３ヵ月で1万台を超えるという。従来は三菱車からの乗り換えが多いという同社の傾向がアウトランダーでは少し異なってきていて、他社からの乗り換え組みが半数近くなっているという。つまり、広報さんが「このクルマ、ウチらしくないんです（笑）」というほど出来が良いのである。

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